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ほぼ日刊イトイ新聞

2021-02-24

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・『フニクリ・フニクラ』の替え歌、『鬼のパンツ』の話、
 と来たら、次は『はみがきじょうずかな』に決まってる。
 いや、決まってはいないか、でも、その話をするです。

 こちらは、NHK『おかあさんといっしょ』の楽曲で、
 作曲福田和禾子、作詞榎木冨士夫さんの作品です。
 小さな子どもに歯みがきを教えようという歌で、
 歌詞のうちのほとんどは「クチュクチュ シュワシュワ」
 「グリグリ シャカシャカ」」などのオノマトペです。
 歯みがきはいやなことではなくて、たのしいことだと、
 子どもたちに伝わればいいのですから、理屈はいらない。
 みがくべき部位については、「うえのは したのは」
 「まえば おくば」と歌っていますから、
 知恵のつきはじめた子どもはシャカシャカするでしょう。
 そして、落語でいえばサゲのように
 「しあげは おかあさん」という歌詞が入ります。 
 ネット検索ではその歌詞がない場合もありましたが、
 一般的におかあさんたちは、それを歌っているようです。
 ご当人の2歳児やら3歳児の皆さんは、
 歌に合わせてごきげんで歯みがきをしていても、
 おそらく、うまくみがけてないのです。
 そこで「しあげはおかあさん」を認めてほしいわけです、
 なんでもじぶんでやりたがる子どもたちに、ね。

 本題は、ここからです。
 子どもにまかせていた歯みがきの、
 どこらへんがうまくみがけてないのかを、
 おかあさんはわかっていなくてはいけないんですよね。
 仕上げをするには、なにをもって完成とするかについて、
 イメージを持っていなくてはいけないわけです。
 もしかしたら、おかあさんは、おかあさんになる前、
 歯みがきについて勉強してなかったかもしれない。
 白くみがくことに必死でただ強くみがいていたとか、
 いつも急いでてブラシの届いてない場所があったとか。
 しかし、目の前に、もっと知識のない子どもがいて、
 その人の歯みがきのしあげをするということになったら、
 歯みがきをする理由を考え、その方法を工夫します。
 たぶん、この「しあげ」の技術のおかげで、
 じぶんの歯みがきもじょうずになっていることでしょう。
 人から人への「学び」の、ひとつの好例ですよね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「学ぶと、教える」のこと。ほんとにおもしろいものです。


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