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ほぼ日刊イトイ新聞

2024-04-16

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・人が一度に食べる食事の量というのは、
 どれくらいのものなのだろうか。
 うどんの一杯とか、カレーライスの一皿とか、
 これが一食分ですよ、とわかりやすいものもある。
 ぼくは、その一食分については、量的に満足している。
 つまり、もっとくださいとは言わない。
 さらには、N田さんのように大盛りにもしない。
 だから、食欲が人よりもあるほうだとは思っていなかった。

 しかし、複数の知り合いの人たちが、ぼくのことを
 「すっごくよく食う人」と噂していることを知った。
 「年甲斐もなくよく食う男」というニュアンスもある。
 言われている本人としては、うどん一杯で満足なのだから、
 大食漢だとは思えないし、なんなんだよと思うばかりだ。
 ただ、そうかそういえばと思ったのは、
 「次々にいろんなものが出てくる席」では、
 たしかに、「もっと食おう」とする傾向はある。
 焼肉の店などでは、いろいろ注文したがるし、
 そのいろいろをよろこんで食べて、
 思いついたらなにかを追加したりもする。
 コースのお好み焼きなんかの店だと、
 「これでいちおう」とデザートがくる直前に、
 「焼きそばは、ソースと塩とどっちも食べようか」
 などと気軽にオーダーしてしまう傾向はある。
 お鮨だと、おまかせで一通り食べているうちに、
 「おかわりはどれにしようか」をずっと考えている。
 賢明な読者ならすでにお気づきのことであろうが、
 ぼくが追加したがるもの注文するものは、
 すべて「一単位」が小さめなのだ。
 さっき「ソースと塩」と両方食べようとした焼きそばも、
 その店でしめで出てくるものは、小さい単位なのだ。
 焼肉の店でも、チヂミをみんなで少しずつ食べるとかさ。
 ちょっと足したものが、何種類かあったりすると、
 結局、ものすごくいっぱい食べた記憶になるんじゃない?

 というようなところで、じぶんでは納得しているのだが、
 たしかに、いっしょに食べている若い人が、
 「もう、お腹いっぱいなんで」とか早々に言うのを見ると、
 (えっ、おれはまだ食いたいぞ)と思ってしまうので、
 それはやっぱり「年甲斐もなくよく食う男」なのかなぁ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「大食じゃないんだけど食いしん坊」というあたりなのかな。


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