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ほぼ日刊イトイ新聞

2020-02-24

おしらせ

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・縛るのではなく、解き放つような。

 先日の中竹竜二さんとの対談で、
 「心理的に安心でいられる環境」のことが語られた。
 弱さも含めた本来のじぶんをさらけ出せる環境が、
 チームのパフォーマンスを上げるという話だ。

 ラグビー日本代表のコーチ、
 ジェイミージョセフがやったことも、それだったという。
 そういえば、ぼくみたいなものの知ってるかぎりでも、
 あのチームの選手たちは、互いに、
 かなり言いたいことを言い合っているように見えた。
 先輩と後輩、外国生まれの選手と日本生まれの選手、
 コーチたちと選手たち、ライバルどうし…。
 率直にじぶんを表しても安心していられる環境が、
 チームとして、そして個人としての力を発揮させた。
 競争や命令のなかにいて、じぶんを強く見せるとか、
 失敗をしないようにいつも注意を払っているというような
 そういうチームが勝つという考えもかつては流行した。
 しかし、実際に、さまざまな場面で、
 そういうタイプの組織が行き詰まっているのではないか。
 「心理的な安心」のあるところで、
 最大のパフォーマンスは発揮される…という考えは、
 日本代表のラグビーチームにかぎらず、
 さまざまなところで広がりつつあるという。

 そういえば、と、野球ファンのぼくが思い出すのは、
 昨年の巨人の元木コーチ、宮本コーチの登用である。
 親しみやすくタレント性もある二人の個性を
 苦々しく思う古くからの野球関係者やファンは、
 「厳しさの足りない球団になるのではないか」と、
 かなり批判的な目で見ていたはずだった。
 しかし、その心配は当たらなかった。

 「あれはいけない、それはいけない、これをしろ」
 というような戒律的な環境のなかで萎縮していたら、
 たしかにフルにじぶんの力を発揮できなくなる。
 その日の客席は就活生が多かったのだけれど、
 社会や会社を怖れているように、ぼくらには見えていた。
 中竹さんのことばが、伝わっていますようにと思う。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
自由を制限するということは、人を縛るということだから。


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