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ほぼ日刊イトイ新聞

2020-07-07

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・雨にも、そのまま濡れて歩けるような雨もある。
 だから、同じ自然の災害だけれど、大雨の報道は、
 激しい風をともなう台風よりも軽く考えやすい。
 「雨か」とか「大雨だな」で済まされてしまいがちだ。
 これは、ぼく自身がそうだったので言っているのだが、
 最近の雨の被害は、そういう次元ではなくなっている。 
 「これまでに経験したことのないような豪雨」、
 という表現を、ここのところ何度も聞いてきた。
 大雨の原因は、地球温暖化との関係も語られているし、
 きっとぼくの知らないところでは、
 たくさんの別の説明もあるのだろうと思う。

 ただ、知識も知恵も足りないじぶんなりに、
 岸由二先生の「流域思考」についての話を聞いたり、
 『「流域地図』の作り方 川から地球を考える』
 読んだりはしていたものだから、
 テレビのニュースを見る目が、ちょっとちがっている。
 番組では豪雨の報道は、主に天気図をもとに伝えられる。
 いま現在、どの地域に雨雲がかかっていて、
 どの程度大量の雨を降らせているかが報道される。
 ぼくも、つい、どの地域に大雨が降っているかを見る。

 しかし、大雨の被害は空から雨量で起こるのではない。
 屋根が壊れるほどの豪雨などというものはなく、
 まずほとんどは、川の氾濫、土砂崩れが原因である。
 空から降った大量の雨が、山のような高いところから、
 低い土地に向かって水流をつくり川として流れ下る。
 川はさらに別の川と合流して、大きな川に流れ込む。
 そして、日頃は安定していたはずの川が、
 抱えきれないほどの水量を集めて、やがて氾濫する。
 川ではなかった道路や田畑や住宅に、水が溢れる。
 そういう被害になるわけだ。
 異常なまでに大量の雨が降ったとき、水がどう集まって、
 どういう地域に流れ広がっていくのか。
 そう考えるのが「流域思考」なのだと、ぼくは理解した。

 空から大量の雨が落ちてくる場所を知る天気図ではなく、
 山と谷がどうできているかが、実は最重要なのである。
 これ以上は、ぼくのへたな説明では無理なので、
 「流域思考」「岸由二」で検索してみてください。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
雨がやんでからも被害が増えていきます。どうぞご注意を。


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