ほぼ日カルチャん

『mid90s ミッドナインティーズ』

映画

0110-2

『mid90s ミッドナインティーズ』

すどう

0110-2

映画『マネーボール』(2011)
主演ブラッド・ピットの頭脳明晰な右腕として名演。
いきなりオスカー助演男優賞にノミネート、
若き名優として注目された
ジョナ・ヒルの初監督(脚本)作品。
半自伝的な内容ということもあり、
ちょっと興味本位で観たのですが、
これがなかなかのめっけもん映画でした!

どの年代にも描かれる、
危うく切ないティーンエイジャーの青春ドラマ。
大人になってしまうと忘れてしまっているあの感覚。
身に覚えあるあるエピソードの数々に、
あの感覚が蘇ってドキドキしたりウルウルしたり‥‥
ジョナ・ヒルの思春期は90年代。
ウエストコースト、スケボー全盛期。
あのファッション、あの音楽‥‥
もう20年以上昔なんて思えないくらいイケてる。
(今、下北沢の古着屋には
90年代ファッションが溢れているらしい)

人種とか貧富とか勉強とか‥‥そんなこと関係ない。
家族といるよりスケボーで繋がった
気の合う仲間と技を競い合い、
ぎりぎりイケないことをやりながら、
少しずつ広い世界、世間を知っていくことが
楽しくて、ワクワクする。
「子どもだけで車に乗るのは初めてだ!」などと
興奮する主人公の少年スティービーがかわいい。
そんな風に親に秘密が増えていく思春期の〝成長〟。

スティービー役のサニー・スリッチは俳優でもあり
プロのスケーターでもある。
危なっかしいスケボーの乗り始めから、
怖いもの知らずで上達していく姿は
少年のそんな〝成長〟とリンクする。
彼が憧れる仲間は
演じることは初めてのプロスケーター。
彼らが自然体でカッコいい。
まだ幼いスティービーにはどれだけ輝く存在か!
が、そんな彼らも親にとっては
息子に悪影響を及ぼすヤバイ連中。
その辺のスティービー親子、
兄弟の葛藤もしっかり描かれている。
母親は兄の18歳の誕生日に
「私が18の時はあなたに授乳してたわ」と、
若く奔放なシングルマザー。
だけど、実はなかなかの肝っ玉母さんでたくましい女性。

ラスト、登場人物それぞれが愛おしくて、
皆まとめてギュッとしたくなるような、
爽やかな余韻が残る映画です。

基本情報

『mid90s ミッドナインティーズ』

配給:トランスフォーマー © 2018 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.  

大ヒット上映中!
公式HPはこちら

Twitterinstagram@mid90s_JP