ほぼ日カルチャん

映画『音楽』

映画

0049

あのときの初期衝動を忘れたくない。

あいみ

0049

初期衝動って、周囲の目とか鑑みないで
自分の内部からわき起こるもので、
「なんだ、これは!」(岡本太郎さんの言葉で有名)
「かっこいい!」
からはじまるものだとわたしは思ってます。

学校を卒業して、社会に出て歳を取ると
いろんなことに臆病になり、
「なんだ、これは!」
「かっこいい!」
「わたしもやってみたい!」
と思っても忖度してしまったりで
なかなか行動にうつせなかったりすることが増えます。

だからこそ、はじめて出会った時の
激しい情動の波に乗って
行動にまでうつせることが、今はとても尊く感じます。

なかなかできなくなったそういうことが
詰まった映画だったので、
この「音楽」という映画を素晴らしく感じました。

今もまだわたしが大好きで大切にしてる
絵を描くことや音楽は、
中学生のときに感じた激しい情動、
初期衝動からの余波なのかも。

あの、がむしゃらで無我夢中な感じ、
等身大の自分を全部使って挑んでいる感じ、
忘れず生きていきたい。

ぜんぜん詳しくないけど
自分のエネルギーの使い方も分からないし、
なーんにも誰にも勝てないけど、
でもなんか「それ」が気になって気になって気になって
仕方なくて四六時中考えちゃって
もー分かんなけどかっこいいって思うし、
今までの自分の立ち位置とか考えた振る舞いとか全部無視で、
なんか使命感みたいなもので
今絶対にやらなきゃいけない!って思うやつです。

映画の登場人物の純粋な姿をみていたら
自分の情動をセーブしてるのは
自分だな、としみじみ感じました。

わたしは過去、絵や音楽で、
いろいろなことに挑戦している中で、
周囲の期待に応えられず、
とてもしょぼくれている時期がありました。
そんな時、
ロックンロール、ガレージパンクの仲間
(わたしより先に世間と戦ってきた
人生の先輩のバンドマンたち、
お金や社会的地位もないけど自分に正直な人たち)から、
「負けるな! 大丈夫だ!
貫け! 貫くのは勇気だ!」と
励まされ守ってもらって救われました。

エンドロールに流れてくる
たくさんのお名前をみていたら、
私を助けてくれたガレージパンクの先輩の名前が‥‥。
感動して泣くような内容ではないのですが、
岩井澤さんが自主制作にこだわって苦労して作られた話や
映画の登場人物たちの輝き、
過去の自分といまの自分とが、
ぐるっと線で繋がった気がして泣けました。

とても、よかったです。
写真は、新宿武蔵野館に設置されていたフォトスポットです。

そして下の写真は、わたしを救ってくれ、
映画のエンドロールにお名前を見つけた、
音楽界の先輩、ネモト・ド・ショボーレさんです。
敬意を込めて掲載させていただきます。

基本情報

映画『音楽』

新宿武蔵野館ほか全国公開中。
配給:ロックンロール・マウンテン

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