スター。
その言葉の存在そのものがすごいことだな。と思って、
家に帰って思わず辞書を引きました。
スター
1 星。星の形をしたもの。また、星印。
2 人気のある芸能人や運動選手。花形。
また、ある分野で際立った人気者。
とでてきました。
なるほど。と思いつつ、
学校でピカイチに輝いていたあの子を思い出しました。
村上隆、李禹煥(リ・ウファン)、草間彌生、
宮島達男、奈良美智、杉本博司
たしかにどの作家さんも誰にも劣らず
キラキラと光り輝いていました。
それぞれの作家さんが
歩んできた道のりを時代を追って紹介するのではなく、
それぞれの作家さんが今この時期に、
自分のベストだと思うものをぶつけて来た!
という印象の展覧会でした。
6つの部屋それぞれに全く世界が違います。
三者三様ならぬ、六者六様(?)でした。
誰がよかったと言うのはとても難しいです。
どれもすごくて、見応えがあります。
将来の美術の教科書を3Dで体感したような、
ものすごい教科書に紛れ込んでしまったような、
なんだか夢のような感覚でした。
今回、印象に残ったのは奈良美智さんの部屋でした。
6人の中では一番、気持ちの赴くままに
制作をしている作家さんのように映りました。
奈良さんの描く少女の絵は、
どこか私の娘に似ている気がします。
それは、きっと私だけではなくて、
多くの人が、うちの子に似ている。
自分の幼い頃に似ている。
と思うのではないでしょうか。
子供の持つ独特な無垢さと、
どこか大人びた表情の両方を持っている少女は
なにか言いたいことがあるようで、
じっと見いってしまいます。
そして、じっと見ているうちに、
作品に自分自身の声を投影してしまうのか、
自分の中の子供の声が聞こえてくるような気がします。
多くの人が自分に似ていると思うのも、
作品に自分を投影してしまうからかもしれません。
会場はすごい競演すぎて、一度では消化しきれず、
会期中、もう一回見に行きたいです。
もっと理解を深めて見たら、
きっと行くたびに、違うものが見えて、
心に響く作家さんが違うような気がするのです。
それほどにどれも「スゴみ」がスゴい作家さんばかりです。
このスターたちと同じ国で、同じ時代を生きている。
それぞれの作家の強い個性を感じると共に
自分の国の文化をさらに好きになることができました。