ほぼ日カルチャん

リニューアル・オープン記念展 Ⅰ ART in LIFE, LIFE and BEAUTY

ミュージアム

0094

使っていた人の笑顔が見える

みつい

0094

私の好きな美術館の一つ、
サントリー美術館さんがリニューアルオープンしました!

ここを訪れるたびに「日本人でよかったなぁ」と思います。
ふだんの生活の中に美しさをみつけて楽しむ。
ずっと、ずっと昔から日本人が持っているセンスは
とってもステキだと思うことができるからです。

今回の展覧会でもサントリー美術館さんが大切にしている
「生活の中の美」を存分に楽しむことができました。

簪や、櫛、着物、徳利や盃など、生活を彩った品々と、
当時の人々の様子を描いた絵画が中心です。
さらにその中に、屏風の世界の再現展示のコーナーや、
現代作家さんとのコラボした展示など、
サントリー美術館で、はじめてみる試みが多くありました。

ところどころ登場する現代の作家さんの作品には、
その展示方法に驚かされました。
古典の作品も現代作家さんの作品も
同じウィンドウに、肩を並べて展示されていたからです。


左:厩圖 山口晃 平成13年(2001)
高橋龍太郎コレクション

右:重要文化財 泰西王侯騎馬図屛風
桃山~江戸時代初期 17世紀初期
サントリー美術館

ついつい、古いものの方が価値のあるもの。
と決めつけて見てしまいますが、
今回の展示では時間ということに優越はありませんでした。


左:今様遊楽圖 山口晃
平成12年(2000) 高橋龍太郎コレクション
右:正月風俗図屛風
江戸時代 17世紀 サントリー美術館

時代や作者で作品の価値が決まることは知っています。
けれど、作品鑑賞の一番大切なことは、
いろんな価値基準に縛られるのではなくて、
その作品そのものと自分がむきあうことだ。
と遠い昔に思ったことを思い出しました。


誰が袖図屛風 六曲一双のうち左隻 江戸時代 17世紀
サントリー美術館

古くからある「誰が袖図」の手法で描かれた
(※誰が袖図とは、衣桁(いこう)や屏風に掛けられた着物を画面に配置した作品のことです)
山本太郎さんの「誰ヶ裾屛風」には、
平成時代の誰かの持ち物が描かれています。
その中は、自分が好きなブランドのカバンだと
思われるものが描かれていたこともあって、
この絵の主人公は、もしかしたら自分と似たような
暮らしをしている人なのかもしれないと思いました。

私と似た暮らしが描かれている作品を見ることを通して、
江戸期の屏風に描かれた人たちの暮らしも、
その当時は、なんてことない日々の一場面だったことを
想像することができました。

この展覧会での、私のイチオシの一品は
「銀太刀形変り簪」
江戸時代に作られた女性用の髪飾りで、
名前の通りに刀の形をしています。


江戸時代 19世紀 サントリー美術館

必殺仕事人みたいでかっこいい!

これは、どんな人が使っていたんでしょう。
どんな人であっても、初めてこれを手にした瞬間は、
きっと、とてもいい顔をしたと思うのです。

何気げない日々に彩りを加える小さな工夫。
とてもさりげない、そのひと工夫ができるステキな人
だったような気がします。


菊唐草蒔絵化粧具揃
江戸時代 18世紀前半 サントリー美術館

ほかにも展示室を彩る品々は、
むかし誰かが実際に使っていたものが並んでいます。

古典と現代の作品を行ったり来たりして見ることで、
私が、いま身につけている服や、アクセサリーも
数百年後に、美術品として美術館に展示される
可能性はゼロではないかも! と思えてきます。

あの簪の持ち主のように、日々を楽しむ心をもって、
身につけるものはいいものを持ちたいし、
その一つ一つを大切にしたい。と思います。
そして、あわよくば、
私の手にした物が、立派な美術館の、立派な展示ケースに
堂々と飾られる未来が来てほしい。
そんなことを考えて、一人ワクワクしました。

基本情報

リニューアル・オープン記念展 Ⅰ ART in LIFE, LIFE and BEAUTY

会期:2020年7月22日(水)~9月13日(日)
※展示替えあり
会場:サントリー美術館

開館時間:10:00~18:00
※入館は閉館の30分前まで
※本展会期中のshop×cafeの営業時間は18:00まで

休館日:火曜日
※9月8日は開館
※shop×cafeは会期中無休

公式サイトはこちら