ほぼ日カルチャん

〈写真展〉幡野広志、 気仙沼の漁師を撮る。

ミュージアム

0087

まっすぐな、まなざし。

ハサウェイ

0087

「海面を泳ぐトビウオ、
漁船をとりかこむ海鳥の大群、
海上で見る朝日、
吹きつける雪。
すべてが美しかった。
酔い止め薬の真っ青な青いカプセルすらも
いまでは美しく感じる。」
(巻末のエッセイより)

カレンダーを12ヶ月めくり、
幡野広志さんの写真とことばをよむと、
映画の一幕のような美しい描写が
気仙沼で懸命にはたらく人々の姿とつながって、
胸がいっぱいになりました。
あんまりにも、
幡野さんと気仙沼の関係があたたかくて、
なんだか、じんわりときてしまったのです。

幡野さんが撮影をつとめたのは、
「気仙沼漁師カレンダー」
毎年名だたる写真家が気仙沼に滞在して、
気仙沼の漁師たちを撮りおろします。
2014年の藤井保さんにはじまり、
浅田政志さん、川島小鳥さん、竹沢うるまさん、
奥山由之さん、前康輔さんとつづき、
2021年版は幡野さんが撮影しました。
写真にはエッセイ並みのことばが添えられていて、
よみごたえもたっぷりです。

写真展「幡野広志、気仙沼の漁師を撮る。」は、
2018年、2019年の2年に渡って
幡野さんが気仙沼で何千枚と撮影した写真の中から、
セレクトしたものを展示します。
カレンダーに載っているのは60点ほど。
カレンダーに載っていない写真も多く、
ここでしかみられない表情がたくさんあります。
「ぜんぶみせたい」とプロデューサーの順平さんが
自慢げに語っていましたから、
これはたのしみです。

また、カレンダーには
気仙沼のおいしいものが度々登場し、
文字から香りをただよわせて、
その気配だけでお腹が空くのですが、
今回は会場で気仙沼のおいしいものが販売されます。
お財布をにぎりしめて、開場を心待ちにしたいと思います。
(カレンダーの予約をすると特製クリアファイルがもらえるし、
京都大学大塚先生とのトークもあるし…と、
内容盛りだくさんなので、
くわしくはこちらをどうぞ。

日常が当たり前でないことを知っていたはずなのに、
突如やってきた以前/以後の世界に
どこか、足元がおぼつかない状態でした。
でも、カレンダーをめくりながら、
丸坊主の新人漁師さんも、
うれしそうな表情でタラを見せてくれる漁師さんも、
みんな、幡野さんだから撮れた、
あのときにしか撮れなかった
とても愛おしい表情ばかりで、
そのまっすぐなまなざしにグッと力が湧きました。

日々の尊さ、とか、そんなだいそれた話ではなくて、
もっと身近にある、とりこぼしてしまいそうなほど
ちいさなきらめきをみつけて、まなざすこと。
忘れたくない表情やことばがつまっているカレンダーです、
ぜひ写真の息づかいを会場であじわってください。

基本情報

〈写真展〉幡野広志、 気仙沼の漁師を撮る。

会期:2020年7月16日(木) 〜8月2日(日)
会場:ほぼ日曜日

時間: 11:00〜21:00
※7月16/23/30/31日:18時CLOSE
(最終入場17:30)
7月24日:17時CLOSE
(最終入場16:30)

入場料:¥500(小学生以下無料)

混雑時には入場制限を行う場合があります。
Peatixにて事前にご予約いただいた方を
優先的にご案内します。
くわしくはこちら