ほぼ日カルチャん

ピーター・ドイグ展

ミュージアム

0059

どっぷりと浸りたい絵画

もり

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ピータードイグという画家を知ったのは
高校生のころでした。
友人が持っていた現代絵画を集めた画集で
紹介されていたのです。
当時絵画はあまりみたことが
ありませんでしたが、
なぜだかとても惹かれたことを
覚えています。
それから画集をさがして
迷わず購入しました。
画集をめくるたび幻想的な情景や色合いに
どきどきしつつ、
いつか実物をみたいなぁと思っていました。
画集をみればみるほど、
実物への興味が増していくばかりでしたが、
実物チャンスに巡り合うことは
ありませんでした。

そうしていまに至り、
ついにこの時がきてしまいました…。
日本初個展です…!
まずは、とにかく絵が大きいのです。
圧倒されます。
そして絵を眺めているうちに
全体と部分をいったりきたりと
目が離せなくなっている自分に
気がつきました。
一枚一枚がひとつの世界をもっていて、
時間も場所もわからないような
情景たちがならびます。
わからないのにどこか自分もその一部に
入り込んでしまっているような、
不思議な感覚です。

休館中の今、ホームページで図録の一部が
公開されています。
(※ 会期を延長しての開催日程が発表されました。6.1追記)
その中のひとつ、
小野正嗣さんの論考では
画家本人が時間と絵画の関係性について、
「絵は非時間的(timeless)になるとき面白くなる」と
話していたことへの興味深さが
書かれていました。
非時間的であることは、
自然とみる側である私たちの経験や記憶が
結びつきやすくなるのかもしれません。
とにかく展示室にいるだけで
複雑に重なり合った無数のイメージに遭遇し、
ついついそこにとどまってしまいます。

また、スタジオフィルムクラブという
プロジェクトのドローイングが並ぶ空間も
みどころのひとつです。
自分の知っている映画を探しながらみるのも
楽しいです。

ゆっくりと時間をかけて
どっぷりと浸りたい展覧会でした。
こんなに大作をたくさんみることができる機会は
滅多にないことだと思います。

いまはもう一度足を運べることを心待ちにしながら
図録や画集をながめようと思います。

基本情報

ピーター・ドイグ展

会期:2020年6月12日(金)〜10月11日(日)
*開幕後、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため
しばらく休館になっていましたが、
会期を変更しての開催が決まりました。(追記:6/1)

詳細は公式サイトのご案内をご確認ください。

会場:東京国立近代美術館
休館日:毎週月曜日
開館時間:10:00ー17:00
(毎週金・土曜日は20:00)
*入場は閉館の30分前まで

公式サイトはこちら

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