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| <心の師匠> はじめまして。 ひとつと、申します。 糸井さんからdarlingになられた糸井さんと 10年ぶりに、ふとしたことで再会し、 ここでしばらく泳がせて戴くこととなりました。 みなさん、どうぞ、よろしくです。 私は『白洲正子s』という会に所属するものです。 『白洲正子s』なんて会、聞いたことないよ と、おっしゃる方はたくさんおられるかと思います。 当然です。 その会は、私ともう一人のたった2名の会員によって 白洲さんとはなんのつながりもなく、 現在は、地下秘密組織のごとく水面下で 勝手に運営されているからです。 『白洲正子s』は知らないけれど、 あ・の・白洲正子さんに、 『s』つけて複数にしただけじゃないの と思われた方、お察しが早い。 その通りでございます。 白洲さんの世間一般の評価は、 私が想像するだに、目利きであるということに 集中してしまっている気がします。 その力を骨董において使えば、 安く手に入れ、高く売ることができて、 たちまち大金持ちも夢でないはずに、 行き着くことにもなりますね。 もちろん、『白洲正子s』も白洲さんの 目利きの力に憧れます。 でも、少し違うのです。 まずは、その少し違う部分を お話しすることにいたしましょう。 世の中には、してあげる側と される側の種類の人間がいます。 される側は、作家や アーティストといわれる人たちなどです。 この人たちは、 陽の当たる場所に出てこなければお話しにならないので、 たくさん目にすることができます。 みなさんも、たくさんご存じでしょう。 一方、してあげる側 別の言い方をすれば、応援人生サイドの人は、 あまり陽の当たる場所には出てきません。 人にしてあげるのならば 自分でやればいいじゃない、と言う人がいたり、 応援人生が理解されがたいことも この陽の当たる場所には出てこない特質によって 存在すら、あまり認知されていないためだと思うのです。 ですが、してあげる側にも、みなさんご存じの方がいます。 もうお気づきかと思いますが、 それが白洲さんなのです。 突然変異として陽の当たる場所にいらした 白洲さんのお蔭で、 私の応援人生も肯定された想いがしました。 応援人生には、決してはずせない二つのことがあります。 まず、物にせよ、人にせよ、 応援するに値する素材であるか見極める、ということです。 これは本当に大事なことで、 多くの方が、そして私も憧れる 一瞬にして、ものの真髄を読みとってしまわれる、 白洲さんの目利きの力が、必要となるのはそのためです。 そして、もう一つ。 以前、美術商の方に 「焼きものは、作家が創ったところで半分、 後の半分は、買った人が味をつけて完成させるんですよ。 料理屋さんに買ってもらうと、 普通の人の何倍かの頻度で使ってもらえるので、 変化を早く見せてもらえるよさがあるんですよ。」 と教わったことがあります。 つまりは、育てるということです。 私が気づいたのはこの二つなのですが、 実はもう一つはずせない三つ目があることを 白洲さんの本から教えて戴きました。 それは、活かすということだそうです。 この三つ目については、 うすぼんやりとしか理解できてはいないので、 将来わかる時が来るまで 心の片隅にでも置いておくことにします。 実際の白洲さんには一度もお会いしたことはありません。 それどころか、以前から 視界の中に入ってきてはいたものの ずっと横目で見ては通り過ぎることばかりを 続けていました。 よく白洲さんをご存じの方から見れば、 なに言ってんだかと、思われるかもしれません。 ですが、そこはどうか大目に見て戴きたい。 白洲さんが、 私の心の師匠になったことには、間違いないはないのです。 気持ちのよさは残すけれど、 今ここにいたことすら感じさせない風のような 純一な白洲さんに出会うたび、 私は泣きたいような気持ちになるのです。 それでは、今日はここまで、です。 |
2000-05-04-THU
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