KAGUCHI
カナだから、の手紙

【カナダのご報告2】
    クマとテントで大騒ぎの巻


さっ、今回は【クマ】のお話から・・・。
あんまりすぐに会えちゃったんで
(あれ?会いたかったんだっけ)
お話が前後して申し訳ない。

時は、前回お話した釣りに行く日の朝・・・・・・。
ワタシを乗せた車が急に止まった。
ドライバーさんがふりむき、小さく静かな声で
「いますよ・・・クマが」
とささやいた。
ええええ〜〜〜!!!クマ〜!
歓喜の声をあげるカグチ。(嬉しいのだ)


この黒い物体がクマ

ヤツは、妙に静かでなにかモグモグ食べている。
なにやら眼がうつろ。
ガイドの広江さんの話では、
古い小麦粉食べて酔っぱらっているのだそう。
どこから小麦粉持ってきたのか、
何故酔っぱらうのか聞き忘れたが
とにかく写真、写真と思い、
車からググッと身を乗りだしパチリ。
距離にして3メートルくらいは、近づけたと思う。
なんだ恐くないじゃないと思ったけど、
つい最近女性2名がクマに
襲われてるんですよと、
広江さんが恐い眼をして言っていたから
やっぱりあなどれないのだ。
とにかく「ほぼ日」用に取材写真が撮れて、
大満足のワタクシ。
皆様、よーく見てくださいね。


動じないクマ。ちゃんと生きてるのよ

とここで、話をもどしましょう。
撮影4日目。いよいよトレッキング開始。
テント生活はじまりはじまり〜。
前日、釣りとカヌーではりきりすぎて
少々くたびれ気味のカグチでしたが
目標のマウントロブソン(ロブソン山ってことですね)の
登山口に立ったらキリリとしてまいりました。
このロブソンは、標高3945メートル、
カナディアンロッキーの中で一番高い山。
これから2日間かけて、
目標の1600メートル地点まで登っていくのです。
そこから先は雪山となり、
そうとう登山の熟練者じゃないと無理なんだそうです。

登山にあたって広江さんから渡されたのが【杖】と
【ベアスプレー】。

1回は使ってみたかった、
ベアスプレー

杖なんて、なんだかお遍路さんみたいで
かっこ悪いなぁなんて思ったけどこれが
後から役に立つ、立つ。
ベアスプレーは、クマがでた時クマの顔に
シューッとかけるスプレーのこと。
痴漢撃退スプレーみたいなものですね。
こんなスプレーがあるってことは、
やっぱり山にはたくさん凶暴なクマが
いるんですよ。ああ、恐ろしい。
でも最近クマもかしこくなって、
かけられた後すぐ水辺で顔洗うらしい。
ほんとかなー?

さぁ、いよいよ出発。
お天気が小雨模様だったので、
道が想像以上にぬかるんでいる。
しかし、ふつーなら滑るところも
トレッキングシューズと杖でなんなくクリア。
広江さんのオヤジギャグで笑っているうちに、
どんどん登っていた。
(シリアルの食事って
シリアル〜なんて落ちないギャグ連発)

途中でかわいい高山植物の可憐な花や、リスなど発見。

この土地は、昔、
海だったそうで海底にいた
生き物達の化石が残っていたりする。
その上にいま生きている
ゲジゲジがはっているのを
見るのは、なんだか不思議な気持ち。
おいっ、ゲジゲジよ。
その下には君の祖先がって
言いたくなっちゃう。

しかし、ほんとに山歩きは楽しい。
時々、下山してくるトレッカーと
「ハロー、ハロー」と挨拶するんだけど
みんな顔がぴかぴかしてる。
山ってヒトを元気にしてくれるんですねー。

この日は、比較的なだらかな道を
10キロほど歩いてキャンプ場に到着。
さぁ、ついてすぐ生まれて初めてのテント立て。
スゴイ、今のテントってものすごく簡単。
50センチほどの骨組みが、あっという間に
3メートルぐらいにのびちゃう。
♪これは、南京玉簾〜♪なんて
遊びながら10分ほどで完成。

白いみの虫さんじゃないぞ。

石炭を掘りに行くんじゃないぞ。

さっそく寝袋にも入って、寝心地など確認。
ふわふわしてなかなか気持ち良い。
あと、夜オトイレ行く時用のライトなど、
マネジャーと頭に付けてまた遊ぶ。
ほとんど修学旅行状態でしたの、私達。

さて、この日、ちょっとした事件が・・・・。
山の暮らし用の荷物やら食料などポーターさんに
運んでもらったのですが見事にみなバラけていて、
マネジャーのパンツ(下着)が行方不明。
その後、無事に見つかったのだけれど、
男共に見られたことは確か。
ワタシの下着だって、
最初に入れた袋と違ってたから絶対、誰かに見られてる。
へっ、そんなこと平気さ!
山の暮らしは、女性をタフにするのであ〜る。

そんなこんなでテント第一日目の夜は、
静かに暮れていくのであった。
また明日に続く・・・・・・・・・・。

1999-07-21-WED

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