KAGUCHI
カナだから、の手紙

<わたしなりのバレンタインの巻>

★佐々木さ〜ん

ホントにホントにお久しぶりです。 
舞台が終わってから、なんだかボーッとした日々が続いて
やっと今ごろになって、普通の日常生活が戻ってきました。
やぁ、やっぱりものすごい緊張感のなかで
2ヶ月半過ごしてきたのだなぁと、
しみじみ思い返している今日このごろです。
今日ちょっと取材がらみでしたが
「パンレッスン」で、パンをこねてたら
やっと、舞台前のワタシを取り戻した
という感じがしてきました。

 

先生が焼いたクロワッサンを
得意げに持っているワタシ。

◆4月号の「ラ、セーヌ」という雑誌に載ります。
‘私の好きな街、骨董通り’というテーマで。
パン教室の他に、中国茶のお店とか
よく行くイタリアンのお店とか紹介してるので
よかったら見てください。
今日できたてホヤホヤの
お着物着たカットもあるので、ぜひ。

そんな中で次の舞台の仕事、決まってしまいました。
「水の戯れ」の時の演出家の岩松了さんと、
また10月、渋谷のシアターコクーンで
なんとチェーホフの「かもめ」をやることになったのです。
私の役は、アルカージナという女優の役。
ど、どうしよう!
わ、わたしが、外人!!!
翻訳劇なんて生まれて初めてなので
もう頭が真っ白状態ですが
尊敬する岩松さんに(いやホントに)
もうチビッと付いていこうかと思って決心しました。
9月の厳し〜いお稽古を思うと、
もう胃がキュッと反応してしまいます。
でもでも、ひょっとしたら
私が前からあこがれていた金髪になんか
染めてもいいのかなぁ〜なんて
お気楽な事考えはじめてるのは、わたしのイイとこです。

佐々木さんもずいぶん環境の変化があったのですね!!!
神楽坂に引っ越されたとか・・・・・。
神楽坂ってなんだか勝手に粋な街かしらんと
想像してしまうのですが
どんなところですか?
おいしいお店、どんどん開拓していらっしゃるご様子、
今度一緒に連れってくださいね。

そーだ話は変わりますが・・・・
「ほぼ日」編集部からの依頼のテーマ、
「今年のバレンタインはどうしますか?」。
この場を借りて答えちゃおうっと。
そうねぇ、
今年は、ありがたいことに日曜日だし
ドラマのお仕事もしていないので
義理チョコはぜんぜん必要無し、でいいわけです。
ということは、送る相手は、
日頃お世話になっている旦那様にしぼられる
わけですね。
このところ【モテナイ光線】ピカピカ放射していて
危ないところを、
スポーツクラブでなんとかくい止めてきた旦那様に、
なにかおしゃれな物をプレゼントしようかなぁと
思っています。
毎日、同じジーパンをはき
(ジーパンを育てているためらしいのですが)、
氣がつくと「ほぼ日」マークの入ったトレーナーを
いつも着ている(これは、宣伝のためらしい)ので、
思い切って【もてそうなお洋服】をと考えています。
あとは、問題のチョコなのですが
少しでもおいしいチョコレート屋さんがないかしら?
と探しています。
こういう時、ありがたいのが渡辺真理ちゃん。
さっそく明日、聞いてみるつもりです。

さてさて佐々木さんのバレンタイン計画は、
いかがなものかしら?
本命中の彼がいたりして・・・・・・。
お返事お待ちしていま〜す。

Hinako Kaguchi

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カグチヒナコさま

おかえりなさ〜い。
「水の戯れ」おつかれさまでした。
思い出せば、昨年秋のある日、
稽古初日に台本が手渡されたんでしたよね。
それ以来、きっとずーっと緊張の毎日でしたでしょう?
でも、すっかり岩松舞台に意気投合されたご様子ですね。

今度はチェーホフですか。「かもめ」ですか。すごい!!
私めも、秋までに本を読んでお勉強しておかねば。
なんか、私は戯曲を読むのが下手で、
舞台で見せてもらうとわかるんですが、
活字で演劇を読むとどうも頭に入ってこないんですよね。
想像力のはなはだしい欠如ですね。きっと。
でも、カグチさんによい機会を与えていただいたおかげで、
世の中オペラばかりじゃないんだなあと、
メザメはじめているしだいであります。

ところで、アレです、
そうバレンタインデーの話題に移ります。
いまごろ、カグチさんは、
どこか知る人ぞ知るチョコレートのお店で
ウキウキお買い物中かなと想像しながら
メールを書いています。

おたずねいただいた、私のバレンタインデーですが…
じつは、海の見える高層ホテルの
最上階のレストランに予約を。
レインボーブリッジなんか眺めながら、
まずはヴーヴクリコで乾杯。
フランス料理に舌つづみをうちながら、
おもむろに手作りトリュフを手渡す。
オペラとウイルス(私の2大興味)の話に花が咲き、
ほろ酔い加減でいつしか夜は更け、その後は、ふふふ。

なーんて、ウソです。
引っ越しの直後ということもあり、
今年の私は、きっと段ボールの谷間で
バレンタインデーとはあまりに無関係に
暮らしていることでしょう。
旦那様とお洒落なバレンタインデーを過ごされる
カグチさんとはなんたる差。トホホホ
ま、前日の土曜日に、
たまたま旧立花ゼミのK君に会うので、
ご近所の「カトリーヌ・ド・メディチ」の
チョコ(トレビヤン!!)を
あげたりしようかなと思っています。
友情チョコという感じかな。
彼は若干21歳の学生でありながら、今度本を出版します。
「奇抜の人」(平凡社)という題名で、
故埴谷雄高さんに関する本です。
書店で見つけたら手にとってみてくださいね。

私は、ふつうだったら、
毎年トリュフ・チョコレートを作ります。
自分で言うのもナニですが、
私のチョコレートは美味しいです!
が、ここ数年は、送る相手はもっぱら大阪にいる母です。
母は、肥満を気にしながらも、
私のチョコレートの一番のファンです。
私が手作りチョコレートを送ると、
母はその代わりに弟が会社でもらってきた
大量の義理チョコを送ってきてくれます。
甘ーい物々交換です。
そっか、今年は日曜だから、弟のチョコは期待薄だなあ。

愛しの旦那様へのチョコレートとプレゼント、
もうご用意されましたか?


Chikako Sasaki

1999-02-14-SUN

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