KAGUCHI
カナだから、の手紙

<あやしいアロマテラピーマッサージの巻>

★佐々木さんへ

あ〜、またスゴイ雨が降ってきた。
朝から何度もこの繰り返し。おかしな天気です。

前回のメールで私の好きな匂い3つ
え〜と 1.お米の炊ける匂い。
    2・タケノコを炊いている時の匂い。
    3.ゴマをすっている時の匂い。
(次点)パンを焼いている時の匂い。

をあげさせていただきましたが、
今回は、調子にのって好きな匂い第2弾
【ハーブオイル】について書いちゃおう。

お風呂にいれたり、お部屋の隅にちょっとたらしたり
外出する時ハンカチにつけてもグッドなもの。
好きな種類は、グレープフルーツとか、バジル、ミントなど
さっぱり系で、今はローズウッドっていうの使ってます。

そうだ!
そのハーブオイル使った
「アロマテラピーマッサージ」って
ご存じですよね。
うふふ。私のおかしい初体験のお話をひとつ。

ユエロン入り口
手前のドアがユエロン

場所は、代官山にあるマンションの1室。
マンションといっても、
もうかなり古くて通路に植木鉢とかが並んでいる
なんだか下町風情のある建物。
その部屋のドアの前にも
金魚の泳いでいる石鉢が・・・。
事務所の社長に紹介されてきたんだけれど、
もうすでにちょっと不安な感じでした。

迎えてくださったのが、【おにいさん】。
とても優しい声なのに白いTシャツの下は、
りっぱな筋肉のおにいさん。
どうも1人だけらしい。
ちょっとドキドキしてきた。

どうぞどうぞと、4畳半ほどのキッチンを抜け
6畳ほどの部屋へ迎え入れてくださった。
天井には、なにやら白いシーツのようなものが
ふんわり吊られている。

おにいさんが立て膝で脈をとってくださり、簡単な問診の後
「それでは、シャワーを浴びてくださいね」と
着替え用のTシャツと短パンを渡され、
お風呂場(バスルームではない)へ。
案の定、【スノコ】の上でシャワー浴びながら
「もう逃げられない。逃げられない。」と覚悟を決めるわたし。
気分は代官山から新宿。
で・・・フツーならここでバスローブはおるんだけどなぁ
と思いつつ、短パンはこうとしたら、なんと!!
男の人用の下着! ま、前のあいてる【トランクス】。
しかもお洗濯のきいた、「新品ではない」もの。

アロマオイル持つおにいさん
アロマオイル持つおにいさん

1分ほどそのトランクス
見つめた後、え〜い!もうなんでもこい! 

みたいな気持ちになって、
いっきにそれをはき
「どうも気持ち良かったです」と
お風呂場から出てきた私の前には
薄暗い照明のなかに、
お布団が敷かれていた。
いつのまにか環境音楽まで流れている。

「さっ、僕、部屋の外にでていますから、
Tシャツお脱ぎになって
タオルケットをかけてくださいね。」
とおにいさん。

ムードはおもいっきりあやしい感じなんだけど、
その後はとても良い香りのするアロマオイルと、
おにいさんのとても
上手なマッサージのおかげで、夢心地。

もう一度シャワーを浴びて、
いつの間にか布団が去った同じ部屋で
ハーブティーをいただいて終了。

ねっ、
なんだか珍しい環境の
「アロマテラピーマッサージ」体験でしょ。
そのお店?の名は「ユエロン」といい、
マッサージ料金は1万円。

結局お気に入りとなり、もう何度か通ってます。
(ちなみにトランクスは、
ヘインズのさっぱりしたものです。)

もし佐々木さんが興味おありでしたらご紹介しますけど。
どうでしょう?

Hinako Kaguchi


メンタルビルディング月龍(ユエロン)
TEL(03)3780−0542

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カグチヒナコさま

フェンシングから帰ってきて
身体の節々が悲鳴を上げている時に、
なんてタイミングのいいメール。
バジルやローズウッドの香りにつつまれて、
アロマテラピーを受けたような気分になりました。

代官山のお店、好奇心をそそられます。
その「あやしさ」が刺激的。
カグチさんが何度か行っておられるのですから、
安心できる「あやしさ」は貴重です。
ぜひ紹介してください。
じつは、何を隠そう、首や背中がよく痛くって、
健康まくらやアンメルツに
こっそりお世話になっている毎日です。
でも、こうして「ほぼ日」に露出してしまったら、
知る人ぞ知るお店でなくなっちゃうかもしれませんね。
気持ちよくなりたい人が押し寄せて、
マッサージに追われているうちに「おにいさん」のほうが
肩凝りにならないか心配になってきました。

私も、香りが大好きです。
雨上がりの空気の匂い、
柑橘系の匂い(カグチさんと一緒です)、
春先にどこからか漂う沈丁花の香り、
ニンニクを油で炒める匂い、
お風呂上がりのタルカムパウダーの匂い etc.

ちなみに、香水はシャネルの「クリスタル」を
こよなく愛しています。
(正確にはオー・ド・パルファンですが。
「クリスタル」はコロンがないので)
なぜか、これでないと、どうしてもダメ。
他のものも時々試してみるのですが、
落ちつかなくて結局1回限りで、
「遣いさしで悪いけど」と母にもらってもらいます。
発売と同時ですから、
もう、ん十年、「クリスタル」ひとすじ。

中学くらいから、ココ・シャネルとか
ロバート・キャパとかジャッキーとか、
偉人伝に登場しない人の
自伝を見つけては読んでいたものですから、
“シャネル”という名前が
気持の中に深く刻み込まれて、
大人になったらシャネル、
と思い込んでしまったんですね。
でも、シャネルのお洋服なんてとても買えないので、
香水だけでもと。
そしたら、もう離れられなくなってしまって。
いまでは「クリスタル」をつけてないと、
裸で街を歩いているようでいたたまれません。

母は、最近、「アリューリュ」が
どれよりも好きだと言います。
(私がいつか海外旅行のおみやげに
買ってきたのです)
といっても、母は78歳のオバアサンです。
でも、80歳近くなっても
「アリューリュ」を愛用している母が好きです。
親子そろってシャネルにお世話になっています。
メルシー・ボクーです。

Chikako Sasaki

1998-09-01-TUE

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