KAGUCHI
カナだから、の手紙

<ササキさんに、オペラの話をきいてみたの巻>

ヒグチさま

たっだいまー。
凍頂烏龍茶をいただきながら、メールを書いています。
何となくTVをつけてます。

さっきの「アイーダ」の話ですが、
12月から1月にかけてはほとんど
新国立劇場に稽古に行っていました。
だから糸井さまがはじめて
立花の東大講義にモグリを敢行されたときも
講義には出られませんでした。
もう「アイーダ命」って感じ。
オペラの現場を体験できるという軽ーい
ノリで参加してしまったのですが、
稽古が始まると、そこはプロの世界。
イメージに合わないと辞めさせられる人も続出して、
イタリア側の「美の追求」に
徹した舞台創りに感動しました。
さすがルネッサンスの国です。

ところで、一昨日、
新国立劇場で「ナブッコ」を観てきました。
ヴェルディの初期の頃の作品で、
古代バビロニアとエルサレムを舞台にした
壮大な歴史ものです。
その第3部の
「行け思い、黄金の翼に乗って」という美しい合唱は
もはやイタリアの国民歌になっています。
(ご存じでしたらお許しください)

なんかブラボーとブーイングが同時に起こった
不思議なフィナーレでした。
私は、ブーイングをはじめて経験しましたので、
ブーブーというイノシシのような異様な声が
最初は何かわかりませんでした。
といってもイノシシの声を聞いたことが
あるわけではないのですが、
なぜかイノシシの声を連想したのです。

最近、(とくに新国立劇場で)
ブーイングが流行っています。
最初は、日本もオペラを観る素地ができてきたと
評価されていたのですが、
それが毎回ということになると、何かヘンです。
回りを扇動して不要なブーイングを
起こさせる愉快犯が増えています。
みんな感動を求めてオペラを見に来ているのですから、
その雰囲気を大事にしてほしいと思います。
ブーイングは、
よほどひどい出来のときのための非常手段です。
心ない観客のために
「あそこはやりにくい劇場」との評判がたって、
世界の歌手が歌いに来てくれなくなったらどうしようと、
劇場になりかわって心配しているササキでした。

書き始めると、
一方的に長くなってしまってお許しください。
観る側ではなくて、
観られる側のヒグチさまだったらどう考えられるかな
と思ったものですから。
もう1杯、お茶をいただいて心を静かにします。

Chikako Saski

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ササキチカコさま

★あーーーーーーーっ。ごめんなさい。
メールの途中でまちがえて送っちゃった。
まだ慣れないもので。トホホホ。ペコッ。(おじぎ)

そうそう、オペラ・・・・。

しかし・・・・・・・・
まだお会いしたことのない佐々木サンは
ミステリアスなお方でございます。

『超多忙な立花隆事務所の秘書』でありながら、
オペラに出演、
最近フェンシングをはじめられ、
将来イタリア永住希望とのこと。

以前、「立花隆のすべて」という本で
佐々木サンを拝見したことが
あります。
そこにファイルの整理をしていたお姿があり、
その凛々しいお顔、みごとな手さばき(写真なのに)、
シッカと覚えております。
まさかそのようなお方と
メール通信させていただくとは・・・・
・・・・・・・・・じーーーーん。
(感動)・・・・・・・・・

あっ!はなしがそれちゃった。オペラの話。
すみません。わたしまだ一度も観たことないのです。
で、ブーイングなるものは、
とくに日本人のブーイングなど
想像もできない。    
どういう音なんだろう?
口をとがらせて「ブーッ、ブーッ」って言うのかな?

もし自分がそこに出演していたら
モウ立ち直れないです!!
しかも面白がってのことだったらゆるせん!!!!

「ナブッコ」は、私の友人も観にいってました。
前半は歌手の力量がいまいちで
どうなるかと思っていたが、
後半は盛り返してなかなか良かった。
などと申していた記憶があります。
なにせオペラ経験のない者が
「このあいだのオペラどうだった?」なんて
おあいそで聞いているのでその答えを聞いても
「ホウッー。それはヨカッタ。そのあとなに食べたの?」
なんて具合。

しかし観客がすぐに拍手以外の反応をしめす
オペラって興味あります。
いつか近いうちに佐々木サンおすすめの
オペラ一緒にみませんか? 
  ヒグチに【オペラデビュー】させてくださいませ。
【パン作りデビュー】にひきつづき・・・。
その前に【Eメールデビュー】も
佐々木サンのおかげだったのだ。               

****

さてさて・・・・お茶のお話。
台湾土産のお茶、楽しんでというか研究してくださっているご様子。

かめ

ありがたいことでございます。
そこで・・・ナント! 
このあいだご紹介した
『中国茶  雑学ノート』の著者工藤佳冶さんに
23日にお会いできることになったのです。
通称・・おばばサンという中国茶通の
友人の紹介で・・・・。
このご報告はまた次回に。
(なにかすばらしいお茶にであえそうな予感!)

これはゼヒ聞いてきてというようなコトがありましたら
お知らせください。

今夜は外が雨のせいか、うちの2匹の亀がゴトゴト
(甲良がぶつかる音)
いってます。あーーーーーーーっ。
この亀のことも語りたい!
けど長くなるのでこの辺で。おやすみなさい。

追伸 わたしのこと「ヒグチ」でも
   「かなちゃん」でも呼び名は
   なんでもo.kです。
   ちなみに『ほぼ日』のペンネームは
   イトイがかんがえた
   カグチヒナコです。     

Kanako Higuchi     

1998-07-13-MON

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