SAITO
もってけドロボー!
斉藤由多加の「頭のなか」。

「シーマン語録」という本


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ダイヤモンド社という、少々お堅いビジネス系の出版社。
ここから、本を出しました。
「シーマン語録」というタイトルです。
お分かりのように、シーマンがソフトの中で発する
名文句・迷セリフをまとめたものです。
この中に
「納品物が紙一枚だったりするわけでしょう?
 お金取るの大変じゃない?」
という一言があります。
(職業を「コピーライター」と答えた
 ユーザーに対しての発言)


実はこの一言は、この「ほぼ日」をはじめられた時期の
糸井さんの言葉に触発されて
シーマンに言わせたセリフでした。
その当時
「なぜこんなに手のかかるサイトをはじめたんですか?」
と、尋ねた私に糸井さんは
「メーカーになりたかったからだよ。」
と答えました。
「限界を感じたんだよね、広告の仕事をやってて。
 斎藤君たちがやってるような(デジタル)業界が
 羨ましいんだよね。僕らはしょせん代理店業だからね。
 だから自分は一番川上の仕事をするんだ
」と。
そんな
会話の中で、日本を代表するコピーライターさんが、
無形のものに対する評価の低さを嘆いてたことが
すごく印象にのこっておりました。
そのときの記憶が
このセリフとなった次第となった次第です。
マイルドなインターフェイスの糸井さんとは裏腹の、
その決意の固さをさらにはっきりと認識したのは、
今年になって『インターネット的
という本を
読んだ時でした。
「ベンチャーキャピタルといわれる人々がITバブルの時に
 『ほぼ日』に何度もアプローチをかけていた」という話、
そして悩んだ挙句、結局それを断ったという話・・・
似たような話は、私のいる業界にはごろごろあります。
が、あの糸井さんも、ベンチャー企業の社長が直面する
迷いを経験していたとは・・、と、
やけに考え入ってしまった次第です。

☆     ☆

そして現在、「ほぼ日」は強力なメディアになりました。
自らの意思で未来をコントロールできる、
まさに「メーカー」となりつつあります。
このコーナーで、つたない連載を持たせていただいて
3年ほどですが、「ほぼ日」はみるみると変貌をとげ、
あのときの糸井さんの言葉は現実のものとなりつつあります。
これはすごいことです。
「さすがぁ!!」という感じ。

☆     ☆

シーマンが語っているセリフの背景には、
多かれ少なかれこういった人生の出会いが
実は存在しています。
そんな言葉をあつめた『シーマン語録』、
本屋で見かけたら是非立ち読みしてやってください。
締めくくりに、「ほぼ日」に、
この語録から一言を捧げるとしたら、
次の言葉になるかな・・。


『ベンチャー企業と
 零細企業の違いって何だと思う?
 妙なヤマっ気があるかないか、だよ』

(自称“中小企業勤務”のサラリーマンに対して)



シーマン語録
現代人への185の賢言
シーマン言 斉藤由多加編

●ダイヤモンド社
●本体価格/1000円
●定価/1050円
●ISBNコード/4-478-70237-3
●版型/46
●頁数/224
●発行年/2001

2001-11-16-FRI

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