hawaii
ほんとうにほんとのハワイ。

■Vol.42 ハワイの迷信 Part5

●植物や貝、石、溶岩のかけらなどを
持ち帰ってはいけない

ペレの伝説のところでも少し触れましたが、
ハワイでは、これらのものには神々が宿っていると
考えられているので、神々になんの断りもなく
持ち帰ったりしてはいけないことになっています。
とくに、石には強いマナが宿っているといわれ、
軽々しく扱うとよくないことが起こるとされています。

ハワイを訪れた旅行者が、記念として石や溶岩のかけら、
貝やサンゴなどをもって帰るのはよくあることです。
しかし、持ち帰った人の多くが
「悪いことが立て続けに起こるようになった」といって
その記念品をハワイに送り返してきます。

子供の頃、家族でキラウエア火山に遊びに行ったとき、
管理小屋の近くに小石がうずたかく
積み上げられているのを見たことがあります。
父に尋ねると、それらの石は
旅行者が送り返してきたものだというのです。

ハワイに生まれ育った者なら、
あるべき場所にあるはずの自然のかけらを
勝手に持ちだしてはいけないことを知っています。
それは、単にバッド・ラックだからだけでなく、
それらの一つひとつがハワイの美しさを
つくりだしていると理解しているためです。
実はハワイ人はその決まりを破ると
具体的にどんな悪いことが起こるのかは知りません。
なぜなら、ハワイ人は誰一人として、
それを破ったことがないのですから。

もし、あなたが間違ってハワイの自然から
なにかを持ちだしてしまった場合は、
それを拾ったところに郵便で送るか、
それができないときは泊まったホテルに送って
もとの場所に返してもらうようにするのが最善策です。

本来ならば、ご自身でv 拾ったものをもとの場所に持っていき、
神々に謝罪の気持ちを込めて返すというのが
一番だとは思います。
そして、できればその土地になにかいいことを
ひとつして帰ると、ハワイの神は許してくれるばかりか、
あなたをハワイを愛する人として
きっと認めてくれることでしょう。
“いいこと”とは、たとえばゴミを落とさないとか、
ハワイの自然を守る団体にコインを寄付して下さるとか、
または、ただアロハ・スピリットを理解し実践するなど、
ほんのささやかなことでいいのです。

私は、この迷信を信じることが
大事なのではないと思っています。
ハワイでは(そして日本でもきっと昔はそうだったのだと
思うのですが)、この世に生きるもののすべてには魂が
宿っていると信じられています。
だから私たちにとっては、この地上にあるものに対して
いつも敬意を忘れないことが一番大切なのです。

2000-10-20-FRI

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