hawaii
ほんとうにほんとのハワイ。

■Vol.0
 イントロダクション

ハワイのマウイ島で生まれ育った
ひとりの女性がいます。
彼女の名前は
Tamara Piilani Eldridge
(タマラ・ピイラニ・エルドリッジ)。
いまハワイで、ハワイ人の血を少しでも
引いている人は、人口のわずか20%。
だから、ハワイから古の文化や伝統が
どんどん失われているというのも
寂しいことだけれど現実です。
彼女の体には、半分
ハワイ人の血が流れています。
1972年に生まれてから、
人種雑多な土地で、ごく平凡な
現代のアメリカ人として育ってきた彼女ですが、
いつしかその心は太古のハワイに魅かれ
やがてハワイ人としての誇りをしっかりと
胸に抱くようになりました。

1歳のころのタマちゃんと、お父さん(当時28歳)。
お父さんは30年間警察官として働き、
退職した現在はカヌーに夢中。
タマちゃんのハワイに関する知識のほとんどは、
このお父さんから教えられたもの。


「いま、まさに消えかかっている
 “本当のハワイ”を
 少しでも多くの人に伝えたい。
 ハワイが大好きな日本人なら
 きっと興味を持ってくれるんじゃないかな」。
彼女はそう言います。

でも、私たち普通の日本人が知っているのは
有名なリゾートととしてのハワイ。
ところが彼女から聞く話は
それとはまったく違う世界です。

ちょっと真面目な歴史絵巻から始まって、
涙と感動の伝説のサーファーの物語。
カフナと呼ばれるシャーマンたちが行なった
不思議な秘術の数々や、
身長20センチの小さな人々が登場する
伝説と現実が混ざり合ったファンタジー。
そして、背筋をゾクッとさせる
神秘的な幽霊たち……。

素敵なホテルも、美味しいレストランも
おしゃれなショッピング・スポットも
出てこないけど、
これは世界中のどこにもない
ただひとつの、ハワイだけの物語。

彼女のハワイアンネーム“ピイラニ”は
“楽園の平和”という意味です。
考えてみれば当たり前のことだけど
初めからリゾートだった島なんてどこにもない。
“平和だったころの楽園・本当のハワイ”、
それこそ、彼女が伝えたい、残したいと
願っているものです。

誰も行ったことのないハワイ。
その島へ、これから“ピイラニ”が
ご案内します。

2000-05-19-FRI

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