GUERRILLA
ダイエット・ゲリラが行く!

第17回 「フォームが大切でした」
-第2段階その5・トレーニング通算9回目-

カナダから齊藤トレーナーが帰国した。
美人インストラクターと過ごした2夜連続の
スウィートなトレーニングはもう過去のことなのだ。
あ、トレーニングは、甘くなかったよ。
2夜明けは、尻が筋肉痛で洋式便器にすわるのさえ
つらかったもの。いや、これほんと。
とにかく、
アブラミ・ブラザーズの汗まみれな日々がまたはじまった。


痛みを訴えるアッキィさんの肩を細かくチェックする
齊藤トレーナー。カナダ帰りの成果? をみせてくれた。

今回は、トレーニングのなかで感じたこと、です。

オレらのトレーニングは、2つのパートにわけられる。
“有酸素運動”と“筋力トレーニング”。
必ず2つセットであって、
どちらか片方だけということはない。
オレらは毎回、有酸素運動を40分間こなしてから、
筋力トレーニングをみっちりやるから、
いつも2時間以上カラダをうごかしている。
で、自分のためとはいえ、単調な動作を
40分間もするのは精神的にきついんですよ。
エアロバイク(自転車)40分は正直あきます。

そこで、自転車20分、ちがう有酸素運動を
10分づつやって計40分にしてもらってるんだけど、
たとえば、下の写真、“ステップ”は、
実感としては自転車漕ぎよりはるかにツラい。


アッキィさんは、のんきに親指立ててるけど、
いうなれば“永遠に山を登る”感じなのだ。
これを10分。
もうひとつの10分が、“トレッドミル”というマシンで
ベルトコンベアの上を走る、いわゆるランニングマシン。
これも、自転車漕ぎとは比較にならないほどつらい。
2キロ先の駅までマラソンで行くのと、
自転車で行くのだったら、だれだって自転車選ぶはずだ。
小中学校でやった1500m走、嫌いだったな。
あれだって、10分以内で走り終えたもんだ。
速いやつは6分くらいだった。
で、このマシンはベルトに傾斜がつけられる。
人工的に永久につづく上り坂をつくれるってことだ。
オレらは、10分間、ひたすら上り坂を走る。

で、何を感じたかっていうと。
後の2種目は自転車漕ぎよりはるかにツラいのに、
トータルで実感するのは、
同じマシンで40分間やるのより、
ツラくても違うマシンを混ぜて、計40分にしたほうが
精神的には楽ってことなのだ。

肉体は“3種目で40分”のほうが疲れてる。
消費カロリーだって、バイクだけで40分より、
多いからね。
でも、心で感じるのは“3種目で40分”のほうが
“楽”なんですよ。これってすごく不思議だけど、
楽で消費カロリー多いなら、そっちのほうがいい。
効果的だ。
感じる部分と、肉体ってのはどんな関係なんだろうね。

“筋力トレーニング”でも、発見がありました。
筋力トレーニングでは、ある重さに慣れたら、
少しずつ重さを増していくもんなんです。
それが、成長です。
写真は“レッグエクステンション”といって、
座って脚を下にダラーっと下げた状態から、
前モモの筋肉をつかって、脚を振り上げるマシンです。
「今では、27.5kgの重さを振り上げてるんだぜ」
と、ちょっと自慢したくなる今日このごろ。
ところが、齊藤トレーナーからフォームの崩れを
指摘されたんですねぇ。

×
脚が上まで上がっていない

×
つま先が前に伸びてしまっている

脚が上まで上げられないってことは、本当はまだ27.5kgの
重さを上げる実力がないってことです。
また、このマシンは、前モモの筋肉を鍛える目的なのに、
つま先が前に伸びていると、上げるときに前モモ以外の
筋肉をつかってしまうんですね。無意識のうちに。
ただ、このフォームでも、脚がガクガクになるくらい、
キツいことはキツいんです。

そこで、齊藤トレーナーの提案は、
ウエイトを軽くすること。
4.5kg軽くして、23kgで再トライしました。
そのかわり、フォームに忠実に、です。

上まで上がってます。アッキィ苦悶

つま先は上に向けたまま

脚が上まで上がっていて、なおかつ、つま先が上を
向いてます。これが効果的なフォーム。
振り上げるときに、前モモ以外の筋肉を
使ってる感じがしない、というか……、
前モモの体内で、火を燃やされている感じなのだ。
「くーっ、熱いっすよコレ」
「めちゃめしゃキテる」
オレらの漏らす言葉に、齊藤トレーナーはうれしそう。
「キテますでしょ。カーッと筋肉が
 焼けるように熱くなるでしょ。キテますよぉ」

ウエイトを軽くしたはずなのに、こっちのほうが
圧倒的にキツい! これは、いったい……。
つまり、崩れたフォームで、重いウエイトをあげるより、
ウエイトを軽めにしても、効果的なフォームを
優先させるほうが“効く”ってことだ。

オレらのトレーニングは、効果的なフォームでやれる
ギリギリ上限のウエイトを、少しずつ増やしていく
ことなんだ、ってことを実感したんですよ。
崩れたフォームと、勢いでバンバン重いの上げても、
見た目の派手さばかりで、ロスが多いってことを
カラダで知ってしまった……って感じですかね。

うーむ。
ちょっとオトナになったぜ、アブラミ・ブラザーズ。
妙にまじめだったしな。
これがスポーツ科学なのか、ってちょっと思ったぞ。


じゃあ、最後にお知らせ。
最近、大川総監督が登場しないでしょ。
4月7日までアメリカに出張してるんです。
そこで大川総監督がなにをしているのかというと、

1.
女子プロテニス、杉山愛選手の
ツアー・ストレングスコーチとして帯同。
カリフォルニア州のインディアン・ウェールズで
行なわれる「エバート・カップ」ならびに、
フロリダ州のキー・ビスケインで行なわれる
「リプトン・チャンピオンシップ」に同行。

2.
アリゾナ州ピオリアで行なわれている、
シアトル・マリナーズのキャンプに
鈴木 誠投手(マック鈴木)を訪問。

3.
フロリダ州ポートセントルーシーで行なわれている
ニューヨーク・メッツのキャンプに
野茂英雄投手を訪問。

4.
ニューヨークにてフィットネスクラブ関連の
視察を行なう。

以上、大川総監督の活躍ぶりです。
で、帰国したら、
アブラミ・ブラザーズをこってり絞る、と。
オレらとしては、再会したときに、
「オッ! ちょっと引き締まったんじゃない」
と言われるように、ガンバリますぜ。
なんたって、自分たちで始めたことだし、
やった成果は自分のものになることをオレらは
やってるんだから。

(つづく)

1999-03-13-SAT

BACK
戻る