ほぼ日ハラマキ PRESENTS しょうがの お勉強。
「しょうが掘り体験」編
その2 ズボッと、垂直に。
イトイ いよいよ掘るわけですね?
あやや はい、いよいよ!
コイケ しょうがを目の前に
「おあずけ」状態でしたけど。
しほ 「畑に入ってよし」となって‥‥。

イトイ みせてもらいましょう、掘る瞬間を。
山下 では、まいります。
これは「このしょうがを掘る!」と、
狙いをさだめたところです。
おーた 狙いをさだめたら腰をおろして。
みちこ 周囲の土をよけてあげて。
あやや しょうがが抜けやすくしてあげるんです。
山下 こんなふうに。

コイケ 思っていたより浅いところに、
しょうがはありましたよね。
山下 そうそう、土をはらったら、
すぐに赤いのが見えてきました。
イトイ ああ、きれいな新しょうがだ。
しほ いちばん最初のこれは、
すごくていねいにやったよね。
山下 そう、遺跡発掘のように
ていねいにていねいに土をよけて。
おーた 傷つけないように。
イトイ 「やさしくしてね」と、
しょうがが言ったから。
山下 (笑)で、このくらい土をよけたら、
一株分の茎をつかんで‥‥。
いよいよ、いよいよです!


あやや グイッと上にぃ‥‥。
コイケ 持ち上げてぇ‥‥。

一同
いえーーい!(拍手)
山下 でもこれ、しょうがが割れちゃったんですよ。
しほ 3つにわかれてるけど、
これがひとつだったんですよね。
イトイ だから「やさしくしてね」と言ったのに。
山下 (笑)続けて、
となりで土をよけていた
コイケさんとおーたちゃんも抜きました!
一同
いえーーーい!!(拍手)
イトイ 黄色い帽子のコイケちゃん、
口を閉めなさい(笑)。
一同
(笑)
イトイ でもそうかあ、
こんなにうれしいんだ。
一同
うれしかったー!
山下 写真だと伝わらないんですが、
なにしろ抜いた瞬間に、ね?
おーた そう! しょうがのさわやかな香りが!
しほ ぶわーっと、くるんです。
イトイ へえー。
あやや ジンジャ〜って感じで。
一同
ジンジャ〜(笑)。
コイケ あれは感動しました。
みちこ あれでみんな、
スイッチが入った感じでしたよね。
山下 はい。
まるでひとめぼれのように
しょうがを本気で好きになったのは、
あの香りがした瞬間でした。
一同
ははははは!(写真をみて笑う)
山下 ご覧ください、このしょうがを。

イトイ いいね。
知ってる人には当たり前だろうけど、
やっぱり知らないと感心するよ。
あやや そうですよね、
しょうがってこういう形で
収穫されるなんて知りませんでした。
イトイ うん。今、ぼくは感心した。
コイケ しょうがってこんなふうに、
横に広がって育つんですね。
しほ なんて言えばいいんだろう? この形。
山下 屏風(びょうぶ)?
みちこ 屏風(笑)。
あやや 潜水艦?
一同
潜水艦!(笑)
おーた ほーんと、
迫力ありますよねー。
山下 その迫力あるしょうがを
このあとも抜いていくわけですが、
土をていねいによけて抜くのは
なかなかたいへんで‥‥。
あやや そうそう、
これじゃあ、らちがあかないと思った。
コイケ そしたら農家の方が、
コツを教えてくださったんですよね。
イトイ 簡単できれいに掘れるコツがあるんだ。
山下 はい。
それは「ズボッと垂直に抜く」という
テクニックでした。
イトイ それだけ?
山下 はい、これはぼくがやって、
写真に撮っておこうと思いました。
イトイ 「おれ、やるぞ」と。
みちこ 「まかせとけ」と。
コイケ 「お父さんがやるぞ」と。
山下 やります。
まず、がばっと両足を開いて、
しょうがの株を股ではさんで。
イトイ おお。
山下 一株分の茎を、両手でわっしとつかみ。
一同
おおー。
山下 グッと腰を入れて、
垂直に持ち上げてぇ、
うーーん!
一同
うーーーん!!
しほ がんばれー!
山下 空に向かってぇ!
天に向かってぇ!!
一同
うーーーーん!!
山下 うーーー‥‥
ずぼーーーん!!
一同
うわあーーーー!!(拍手と笑い)
イトイ それは、コツって言うのかなあ(笑)。
山下 ズボッと、垂直に。
あやや でも、この方法だと、
ほんと一気に効率アップしたんですよ。
しかも、ズボッと抜けた瞬間に、
なんていうの?
収穫の快感?
イトイ ほお(笑)、そうなんだ。
おーた さらにたのしくなって、もう、
どんどん抜きましたよね。
コイケ とくに、あやちゃんの
エンジンのかかりかたがすごかった(笑)。
みちこ あやさん、一心不乱でした。
イトイ カメラ係のみっちゃんは?
しょうがを抜かなかったの?
みちこ あ、わたしも抜かせてもらいました。
イトイ あー、いいですね。
若々しいものがあるよね。
さっきの山下さんのあとで見ると、
それが、よくわかります。
一同
(笑)
イトイ お、若々しく抜けた。
一同
やんややんやー!(拍手)
イトイ 山下さんとは、
古しょうがと新しょうがくらいの
ちがいがあります。
一同
(笑)
イトイ みごとに抜けました、
親しらずのように。
一同
(大笑)
山下 えー、ここでたいせつなポイントを。
みっちゃんが持っているこれをご覧ください。
しほ あ、親しょうがだ。
山下 そうです、親しょうが。
一年前、畑にこの親しょうがを植えて、
そこから、このしょうがが育ったんです。
あやや 種イモみたいなものですよね。
山下 はい。
新しょうがを収穫するときには、
この親しょうがも忘れず掘り出すよう、
「永谷園生姜部」の部長さんから
事前に指導がありました。
コイケ こんなふうに、
親しょうがもたくさん掘りました。
イトイ これが山下さんだ。
古しょうが改め、親しょうが。
山下 それでいいです、もう(笑)。
イトイ この親しょうがはどうするんですか?
また使うんですか。
しほ どうするんでしょうね?
おーた 聞かなかったです、それは。
イトイ あなたたち(笑)、取材に行ったんでしょ?
コイケ それがもう、プレスであることを
まったく忘れてしまって‥‥。
山下 ほかの取材にきていた人に
取材をされてしまいました。
イトイ ばかだねえ(笑)、
でもまあ、いいのか、たのしかったなら。
みちこ たのしかったです!
一同
たのしかったー!
イトイ ばかだ(笑)。
まあ、そうやってひたすら掘ったと。
山下 ええ、ひたすら。
土に触れるほどに、童心に返って。
ほら。
コイケ わあ〜、いい笑顔(笑)。
イトイ ♪あ〜あ〜、あああああ〜あ‥‥
(『北の国から』のテーマ)
あやや しほさんも。
イトイ ♪あ〜あ〜、あああああ〜。
(『北の国から』のテーマ、続き)
しほ おーたちゃんも。
イトイ ♪あ〜あ〜、あああああ〜
(『北の国から』のテーマ、さらに続き)
おーた コイケさんも。

イトイ ♪あ〜あ〜、あああああ‥‥‥‥ん?
親しょうががサボってますね。
山下 あ、いや、これはサボってるのではなく、
ちょっと腰があやしくなってきたので、
作業を変えたんです。
みちこ しょうがの上のところを切る作業です。
イトイ あー、なるほど、
そこはいらないところですからね。
山下 はい、こういうハサミで。
山下 上のところを、パチンパチンと切り落とし。

山下 きれいにします。
コイケ 山下さんは、途中から黙々とこれを。
おーた きれいになったしょうがが、
こんなふうにケースに入れられて。
みちこ いっぽう、あやさんはずっと一心不乱に‥‥。
山下 そうそう、すごかったですよね。
とにかくばんばん、しょうがを抜いて。
あやや ちょっとねー。
アドレナリンみたいなのが出てた、たぶん。
おーた 出てたと思います。
みちこ あやさん、最初のうちはまだ、
カメラ目線で笑ってくれてたんですよ。
しほ それが?
みちこ 夢中になってきたら、
まったくカメラを気にしなくなって。
山下 髪を振り乱して、
阿修羅のごとく、しょうがを。
あやや ははははー。
イトイ これはウミガメの産卵みたい(笑)。
あやや うーん、無我夢中でしたねー。
コイケ そのうち、あやちゃん、
どこかにいなくなっちゃったんですよね。
みちこ そうそう!
あれ? あやさんは? って探したら、
ぜんぜん知らない人たちのグループで‥‥。
あやや やー、気がついたら遠征してましたねー。
山下 遠征って(笑)。
あやや かなりわたし、
ハイテンションになってたと思う。
みちこ そのときの写真がこれです。
一同
(爆笑)
あやや いやー、なんかわたし、
かっこいいかも。
  (つづきまーす)

2009-11-19-THU

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