ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

429.出前の第二日。

このころ、全国的にいい天気じゃなかったような気がする。
だけど、ガンジーさんの行くところ日本晴れって感じ。
なんだか、ほんとに時代劇の背景が似合いそう。

大学での話を終えたガンジーさん、
翌日は、本来の予定どおり、
加藤さんの部屋に。
少人数での、語らい。
こっちが、ほんとは目的だったんだよね。

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「出前ガンジー その1続き」

ここにマジメな若者たちがいる、全国にもいるだろう。
患者のみなさん、希望がもてるぞ。
どんどん新しい病気をしよう。
あなたが治そうとするなら
どんな病気でも治しちゃいそうな医師のタマゴたち。
喝采をおくっちゃうぜ!

遅刻のせいもあったろうが
予定時間をオーバーして意見は飛び交い
彼らとは知識のたくわえが違うガンジーの話も
よく聞いてくれた。
富山駅へ着いた時のヘトヘトは
どっかに飛んでしまっていた。
尾関うーちゃんもさんざんガンジーにふりまわされて
いながら恨みがましいことを一言もいわず
録音やカメラを扱ってくれていた。
みんないい若者だ。

8時半ごろおわって記念のパチリ!をすませ
大学を引き上げる。
教授はいつも12時ごろの帰宅とか。
奥さんを大事にしてやってくださいよ、と
余計なことをほざいてしまうご機嫌ガンジー。
ホテルにもどってもこの静かな興奮はさめず、
疲れているはずなのにウトウトのくり返しで朝を迎える。
この16階の部屋から立山連峰の全容が見える。
秋の澄んだ空が徐々に明るくなり
山々の峰がくっきりと浮かびあがってきた。
5時34分、日の出だ!

2年前に開業したというこのホテルは
まるで立山連峰とたけくらべをするかのように
真正面に向かい合っている。
前にさえぎる物のない高層階、
シングルながら大きな窓いっぱいに陽光がさし込む。
さくやに続くこの至福の時、
しあわせをかみしめるひとときだ。
しあわせばっかり食ってるから食欲がないのかな。

9時すぎに真理さんが迎えにきてくれて彼女のウチへ。
昨夜の人全部はとうてい入りきれないので
人数はすくないがギュウギュウづめの部屋で話しは続く。
こんな出会いがうれしい、と
お互いがありがとうの打ち合い。
池淵さんがこれぞインター納豆だ!とうれしそう。
彼はネパールに住んだ経験をもつ
ヒゲのよく似合うサムライだ。
めでたく医師になったらヒゲを赤く染めてもらいたい人だ。

ここでも時間がオーバーして午後一時すぎにおひらき。
きのう今日と快晴の富山での初出前は終了。
最後にみんなのサインをもらって
真理さんにホテルまで送ってもらった。
蔵島(ぞうじま)牧子さん、長谷川悦代さん、池淵透さん、
新保有紀子さん、江畠彩子さん、
そして内藤武彦さんと加藤真理さん、ほんとにありがとう!
また会えるとは思えないので別れが惜しい。グスン!

ホテルの部屋へもどったら立山連峰のお出迎えだ。
想像の手で峰々をなでる。
雄大な山々をなぜながら学生さんたちとの余韻を楽しむ。
癌よありがとう、糸井さんありがとう、
そしてほぼ日読者のみなさん、ありがとう。
さて今夜も一泊してつかれをいやし、明日帰るとしょうか。

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ホテルの部屋でめざめて、目の前に山を見るのって、
いいんだよなぁ。
ああ、オレはここにいたのだ、と、いい気持ちになる。

(つづく)


※『出前ガンジー』あるいは『ガンジー水戸黄門』の
企画について。
ガンジーさんの行脚先を募集しています。
詳しくは9月24日付けの『ガンジーさん』
ごらんくださいませ。

2001-11-01-THU

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