ほぼ日刊イトイ新聞 フランコさんのイタリア通信。アーズリにいちばん近いイタリア人の生活と意見。

2009-12-22-TUE

バッボ・ナターレ。

Babbo Natale バッボ・ナターレ(サンタさん)を
信じている人はラッキーです。
なぜって、それは、
子どものような純真さと夢を、
まだ持っているということだからです。
大切な人たちの愛情が
せいいっぱい表される時である
il Natale(クリスマス)は、
子どもたちにとって
いちばんステキなお祭りです。
だれもが一緒にお祝いできますようにと
願う祝祭です。

そういうわけで、我が家でも、
──あ、ぼくはもう65歳ですが──
毎年12月25日が近づいて来ると、
リビングのすみにクリスマスツリーを飾り、
朝になって目が覚めたら
プレゼントがいっぱい来てるとよいなぁと、
期待するのです。

この時期、イタリアの子どもたちは、
バッボ・ナターレに手紙を書きます。
1年のあいだ待ちに待ったプレゼントのお願いをね。

franco

サンタの起源はイタリア?

そのバッボ・ナターレは、
英語圏ではサンタ・クロースなど、
色々に呼ばれますが、
その起源は北欧と思っている人が
多いようです。
ノルウェーという人あり、
オランダとか、ドイツとか言う人もいます。

でも、イタリアの聖人が起源だ
という説もあるのです。
その人は南イタリアのバーリの聖人で、
聖ニコラといい、千年ほど昔に
貧しい子どもたちにプレゼントを配ったと、
伝えられています。

ともかく、バッボ・ナターレを
信じている人は幸せです。
子どもだけでなく、
大人も信じていたら‥‥
世界には希望の光がもうひとつ増えて、
もっと多くの人たちが
幸せな気持になれるでしょう。
悲しみに沈んでいる時も、
バッボ・ナターレが
願いを叶えに来てくれると信じれば、
良い方へ向くはずです。

franco

ことしのプレゼーベは?

イタリアのクリスマスには、
もうひとつ、presepeプレゼーペという
伝統があります。
キリスト降誕の場面の模型飾りです。

franco

しばらく忘れられていた時期もありましたが、
近年また返り咲き、
「流行っている」と言っても良いほどです。

ぼくの家では、
ナポリ製の一式と、
Thun(トゥーン)製の人形を置いたものと、
2セットを飾りました。

franco

ナポリ製の方は、
700年代の建物のミニチュア模型に、
羊飼いたち、ヨセフとマリア、
それから生まれたばかりのイエスさまがいて、
ちいさな灯りがともされています。

トーゥン製の小さな人形を使った方は、
オーストリアと隣接する北イタリア地方で作られた、
もっと小規模なセットです。

franco

こうして「ほぼ日」読者の皆さんと
クリスマスを祝うのも、8度めですが、
ぼくの喜びは年ごとに新たになり、
より大きくなっています。

もしクリスマスが
心と心をつなぐお祝いなら、
日本のみなさんと心をつなぐことができて、
ぼくはシアワセです。

イタリアから愛をこめて
Buon Natale!!(メリー・クリスマス)

franco


訳者のひとこと

ミラノのクリスマスのお菓子、
パネットーネが、
昨今は日本でも買えるようになりました。
でもワタクシ、焼いてしまいました、
自家製パネットーネ。
ミラネーゼたちですら、
もはや自宅で焼く人は少ないのです。
えらく手間暇がかかりますからね。

今年の更新はこれで最後です。
また来年お目にかかりましょう。
私からも、みなさんへ、
良いクリスマスと新年を!

うららさんイラスト

翻訳/イラスト=酒井うらら



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