フランコさんのイタリア通信。
アズーリにいちばん近いイタリア人の生活と意見。

トッティの大活躍!



イタリアサッカーの1次リーグ、セリエAでは、
インテルの優勝がすでに決定しています。
そしていまだにどのチームも成しとげていない
コッパ・イタリア3連覇に挑んだインテルでしたが、
それを阻止したのは、
昨年度はインテルに負けたASローマでした。

このイタリアの2番目のカップである
コッパ・イタリアは、
トッティがキャプテンをつとめる
ASローマが勝ち取ったのでした。

1回戦はローマが6対2という怒濤の勝利をおさめ、
2回戦ではインテルが勝利しました。
しかし2対1という結果では
コッパ(カップ)には手が届かず、
わずかに一矢報いるに終りました。

キャプテンのフランチェスコ・トッティは
コッパ・イタリアをサン・シーロ競技場の空にかかげ、
その数日前に生まれた娘(有名な香水と同じ名前です。
その話は最後にでも‥‥)に捧げました。

父親トッティは、偉大なチャンピオンの名声を保っています。
UEFAチャンピオンズ・リーグでもASローマを
準々決勝戦にまで進めましたし、
今回のコッパ・イタリア獲得もそうですし、
インテルに次いで2位に付けたカンピオナートでも、
ASローマに今シーズンの
素晴らしい結果をもたらした主役です。
これは来シーズンにも大いに期待できます。
ASローマは更に野心的な目標を持って
来シーズンをスタートさせるでしょう。
面白いことになってきました。


▲よろこぶASローマのスパレッティ監督。
▼渋い顔のモラッティ。


ACミランvs.リバプール戦は
ユヴェントス、セリエAに昇格。


さて2回戦の行われたミラノのサン・シーロ競技場では、
試合の後でお祭り騒ぎになりました。
本当は人びとが仕事に出かけているはずの
木曜日の午後にもかかわらず、
ローマからは5000人ものティフォーゾたちが
観戦に来ていましたから、
その賞賛と歓喜の大騒ぎは実に見ものでした。

その祝賀の嵐には、
コッパ・イタリアはASローマに持っていかれたものの
セリエAですでにスクデットを獲得していた、
インテルのティフォーゾたちも参加しました。
そして、もうひとつ、
イタリアの最も有名なチームの前祝いも含んでいたのです。
そう、セリエBでの
地獄の1年間をすごしたユヴェントスが、
来期はセリエAに帰って来ることが決定したのです。

イタリアサッカーはASローマとユヴェントスという
2つの大いなる主役を得ただけでなく、
その一方ではACミランが、
UEFAチャンピオンズ・リーグ決勝戦で
リバプールを相手にアテネで闘います。
つまり、ヨーロッパレベルの地平線を拓いたのです。

買収された審判たち、八百長ゲームの数々、
失墜した責任者たちなどの様々な「毒」を乗りこえて、
来期のイタリアサッカーは、
ここ数年で失っていたかに見えた
清潔で信頼のおける次元に、
必ずもどることでしょう。

サッカーファンには清潔な空気が必要です。
必要なのですから、
だれもが、道徳的な正しさや誠実な次元に
もどる意志を持っているのです。

さてさて、さいごに余談ですが
トッティは娘にどんな名前をつけたか。
とてもユニークで
他にあまり類を見ない名前です。
女の子よりも広告代理店の方に
受けがいいんじゃないかと思うような名前‥‥
その名は「シャネル」といいます。

母親であるイラリー・ブラージは、
今まさにイタリアのテレビの本物のスターですが、
「娘にシャネルという名前をつけるイタリアのマンマが、
 しばらくの間は増えるんじゃない?」と、
彼女は言っています。


▲女児誕生で産院に向かうトッティ。

訳者のひとこと
シャネルの創設者はココ・シャネル、
本名ガブリエル・シャネルですから、
‥‥あれ? シャネルって
名字ではないの?

ちなみにフランコさんには
「シャネルといえば香水」の印象が強いようです。
そんなシャネルの香水ですが、
マリリン・モンローが来日した際の記者会見で、
「寝る時は何を着ますか?」という質問に、
「シャネルの5番」と、
彼女が答えたことで話題が沸騰したそうです。
ベッドではなにも着ていないのよという、
彼女らしいジョークですね。

それはともかく、
ユヴェンティーナのみなさん、
お待たせいたしました、というところですね。
おおかたの予想では1シーズンの辛抱と
決っていたようなものですが、
やはり「決定」は素晴らしい結果でしょう。
イタリア3大チーム揃い踏みの場へ
ASローマがどう切り込むか、
楽しみですねぇ!
その前に、メルカートの動きも楽しみです。
翻訳/イラスト=酒井うらら

2007-05-22-TUE

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