フランコさんのイタリア通信。
アズーリにいちばん近いイタリア人の生活と意見。

UEFAチャンピオンズ・リーグと
メルカート、そして総選挙でイタリア混戦中!


お金で幸せを買えるとは限りませんが、
お金が山ほどあれば、
偉大なサッカー選手たちを買うことができます。
逆に言えば、偉大なサッカー選手を手に入れるには、
お金が山ほど要るということです。

UEFAチャンピオンズ・リーグの準々決勝戦に
イタリアのユヴェントス、ACミラン、インテルの
3チームが残りました。、
8強のうち3チームがイタリア勢ということですから、
UEFAチャンピオンズ・リーグの報道でも、
イタリアサッカーの話題が返り咲いています。
そして、この3チームに入るテレビ放映権の収入で、
それぞれのメルカート用の資金もうるおいます。
資金がうるおえば、良い選手が獲得できます。
イタリアサッカーの「良い時代」が、
また来ようとしているのでしょうか‥‥?
本当のチャンピオンたちが
イタリアに集まっていたころのような。

ロナウドとアンリ、
スティーヴン・ジェラード の行方。


まず最初に動いたのはインテルでした。
先週もここで書いたように、
インテルのオーナーであるモラッティが、
ロナウドのためには他のいかなる競争相手より
100万ユーロ多く支払う準備があると、
レアル・マドリード側に知らせました。
今から数週間ほど前のことです。

石油業者であるモラッティは、
本当はロナウドを再び入手するためなら
どんな途方もないことでもするつもりなのですが、
これにはインテルのティフォーゾの多くが、
すでに抗議しています。
ロナウドが2002年のW杯の後で
レアル・マドリードへの移籍を希望し、
だれにも挨拶もせずに去って行ったことを、
かれらは未だに許せないのです。
しかしレアルの会長が最近になってから、
ロナウドは全く売るつもりはないと発言し、
インテルの情熱に水をさした格好です。
もっとも、レアルの会長のこの発言は、
ロナウドの値段をつり上げるため、
という可能性もありますが。

これを受けたモラッティは、
すぐさまロンドンへ飛びました。
ティエリ・アンリを買えるかどうかを知るために、
アーセナルの幹部に会いに行ったのです。
アンリはイギリスでキャリアを終えたくありません。
彼のキャリアの中で最後の「大きな契約」を得たいと、
移籍を望んでます。

インテルはアンリに、
年俸600万ユーロで4年間、
という条件を提示しました。
アンリは、その提案には興味があるとしたものの、
返事は1ヵ月待ってほしいと言いました。
彼はバルセロナがもっと好条件を
提示してくれるのを待っているのでしょう。

ユヴェントスとACミランは、
リヴァプールのキャプテンである
スティーヴン・ジェラードについての「競り」に
火を付けるかもしれません。

そして、ベルルスコーニ首相は?


でも、ACミランは本当のところは
4月9日の総選挙のことのほうが心配です。
もしオーナー会長のベルルスコーニが負ければ、
この先のシナリオが大きく変わる可能性がありますから。

ベルルスコーニが首相に再選されれば、
彼は相変わらず自分のチームであるACミランを
ヨーロッパ、いや世界で「良い恰好」のできる
大チームに育て続けるでしょう。
が、しかし、再選されなければ、
敗北者がオーナーだということになります。

しかもベルルスコーニは、
係争中の裁判をいくつか抱えており、
もし首相に再選されなければ、
ACミランどころではないでしょう、
もっと考えなければならない重要な案件が
彼にのしかかってくるはずです。

ベルルスコーニ自身は、
自分が首相に再選された場合の自分への祝儀として、
大きな買い物を考えているのですが、
それこそがジェラード選手というわけです。

イタリア国内でしか優勝しないことに
疲れてしまったユヴェントスも、
やはりジェラードを欲しがっています。
リヴァプールのキャプテンである彼が入れば、
ヨーロッパでも一番になれるかも知れませんからね。

インテル、ACミラン、ユヴェントス、
このイタリア三人組が、
ヨーロッパのいくつかのチームを
裕福にするかも知れない、
というところでしょうか。

イタリアのサッカーが世界から求められ、
夢を生みだす工場みたいだった
「良い時代」を思い出します。
あのころも、こんなふうでした‥‥。

訳者のひとこと
ベルルスコーニさん、
ロナウディーニョのことは
あきらめてしまったのでしょうか??
選挙に勝てば、あっちもこっちも
大盤振る舞いということも
考えられますけどね。

しかし、
首相がサッカーチームのオーナーとは、
なんど考えてもイタリアはユニークです。

翻訳/イラスト=酒井うらら


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2006-03-28-TUE

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