フランコさんのイタリア通信。
アズーリにいちばん近いイタリア人の生活と意見。

インテルは日本がお好き。

みなさんは、ミラノから遠くない
コモ湖をご存じでしょうか。
そのコモの近くに
アッピアーノ・ジェンティーレという
小さな町があります。
その町には、インテルの所有する
超モダンなスポーツ施設があるのです。

ジム、宿舎、グラウンド、
それに最前線の医療センターも備わっています。
先の木曜日、
この町でインテルのモラッティ会長が、
マーケティングと広告宣伝のスペシャリストである、
日本の重要な会社、電通と、ある協定を結びました。

インテルと電通の
契約とは?

インテルは日本がとても好きです。
モラッティ会長は先日、こんな話を僕にしてくれました。
「クリスマス・イヴのことですが、
 仙台でお世話になった青年が、
 それは素晴らしい塗りの皿を
 プレゼントして下さいました。
 日本の方たちはとても親切で
 私はこの美しい特別な国、日本との友好関係を
 築きたいと思っています」

電通との契約は、インテルのマークの
日本全土での独占利用販売権を
むこう3年間許可する、というものです。

そして、インテルというチームのイメージを
世界一流のレヴェルに引き上げるために、
モラッティ会長はイタリア人選手、
たぶん最も有名な選手の獲得へ向けて、
交渉を進めています。それが、前回ちょっとお伝えした、
フランチェスコ・トッティの獲得です。

この交渉は骨の折れる、難しいものです。
何と言ってもトッティはローマのアイドルであり、
彼を譲渡するとなれば、
彼の熱烈がむしゃらなティフォーゾたち
暴動すら起こしかねません。

とは言え、サッカーというものは
もはやビジネスと成り果てて、
情緒やポエジーやドリームは、
イタリアにおいてさえ身の置きどころが
減りつつあるのです。

すべてを動かすのは、お金です。

去年の6月までは、
まさかアレッサンドロ・ネスタが
ラツィオから売り渡されてしまうなどど、
誰も思ってもいませんでした。

ネスタはラツィオのキャプテンで、
シンボルとも言うべき選手だったんですよ!

でも、3500万ドルという契約金額が、
ラツィオの経営陣に
苦渋の移籍を納得させたのです。

トッティの移籍が
ローマの経済をかえる?

同じことがフランチェスコ・トッティにも
起こりうるのです。

ローマは経済的問題を抱えていますから、
インテルが提示している5000万ドルは、
このセンセーショナルな移籍を
ローマに納得させるかも知れません。

ローマ、インテルの両会長は、
この移籍についてすでに話し合っており、
この事はトッティにも
慎重に慎重に伝えられています。

今はローマの選手であるトッティは、
一番の稼ぎ頭です。
ひとりで年間約1000万ドル。
そして、この移籍が成立すれば、その契約金で
ローマの経済バランスは改良されるでしょう。

トッティのマネージャーは彼の兄弟ですが、
彼の映像権の管理をしているのは、
サッカー・マーケットのスペシャリストである
ジェオ(Geo)という会社です。

インテルのモラッティ会長はすでに、
このジェオの経営陣、トッティの兄弟との
三者会談を、何回か秘密裏に行っています。

トッティ本人は、次の選手権に
インテルのシャツを着てプレイできるのは満足だと、
表明していますが、
さて、移籍において残る唯一の障害は
ティフォーゾたちがどうリアクションを起こすか、
その予想しうる危険性です。

いずれにせよ、この先もモラッティは
ローマとトッティを口説き続けるでしょう。

モラッティは過去においても、
いつも絶大な説得力を持つ
話っぷりを見せてきました。
世界一有名な選手だったロナウドを獲得した時も、
世界一高価な選手だったヴィエリを獲得した時もね。

今回だって、きっとこの企てを成功させるでしょう。

そしてトッティと一緒に、
この世界に新しい地平を切り開くでしょう。

先日の木曜日に日本の重要な企業と結んだ、
日本でのインテルのマーク使用権契約は、
長いリストの初めの一歩になるかもしれませんよ。

訳者の一言
残念ながら、イタリアの中でも
「サッカーなんか好きなの?」
とちょっとバカにする、
ある種の教養階級の人たちが居るのも事実です。
マネー・スキャンダルや
ティフォーズィの暴動が起こると、
それ見た事かと言われてしまうんですね。
んー、難しい問題ですねえ。
翻訳/イラスト=酒井うらら

読者のメール(フランコさんへ)
昨年のワールドカップで
アズーリが仙台でキャンプをしていた時に
フリーアナウンサーと言う仕事柄、
フランコさんと何度かお目にかかり
ミラノでの再会を夢見ていた私達。
念願かなって遊びに行くことができて、
久しぶりにお目にかかれて光栄でした。
お忙しいところ、
お食事の時間をさいていただいて感激!
第2回ワールドカップ
イタリア代表のゴーリさんのお店に
連れて行っていただき、
お腹も心も満たされました!!
ミラノ滞在中、インテルVSエンポリの試合も
満喫したし、
フランコさんやお友達の皆様のご親切に、
ますます、イタリアが好きになりました!!
フランコさん、ありがとうございました!!
お体にお気をつけて、
再会を楽しみにしています!!
Ciao!!

仙台のフリーアナウンサーJUNKOより

フランコさんのくわしいプロフィールはこちら、

フランコさんのホームページはこちらです。(日本語もあるよ!)

2003-02-03-MON

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