フランコさんのイタリア通信。
アズーリにいちばん近いイタリア人の生活と意見。

ジョルジオ・アルマーニのお寿司屋さん。

こんにちは、フランコです。

突然ですが、先日日本に行ったときに
喫茶店で「スパゲティナポリタン」というのを食べました。
アルデンテは2分前に終了し、
さらにフライパンでチリチリっと炒める。
しかもトマトケチャップでね。
缶詰のマッシュルーム、
粉々のチーズやパセリのみじん切りがトッピング、
食べ終わると、口のまわりはケチャップだらけ。
なのに、意外と、おいしい・・・。
最悪なのは、大切な白い木綿のシャツに
プチプチっとハネが・・・・なんてね。
日本人なら誰でも一度は経験してるんじゃないかな。
(でしょ?)
もちろん、ぼくは日本でしか食べたことがありません。

聞くところによると1950年代あたりに
ハイカラな食べ物として
日本全国津々浦々まで浸透したんだそうですね。
イタリアでは、スパゲッティ・アッラ・ペスカトーレが
いちばん似ているかな?
魚介類のかわりにプレスハム
(この際ロースハムは邪道)を入れたら、
日本のナポリタン? になる。きっとなる。
ちなみに、ナポリタンに定番のタバスコ、
これは我々の伝統的なレシピには登場しません。
実はこれ、イタリアの調味料じゃないんですよ。
輸出国はアメリカ。日本のイタリアンって不思議!

では、イタリアの日本食は?

いっぽう、イタリアでの日本ブームは、ますます盛んです。
多くのイタリア人にとって
「スシ」と「サシミ」は同じものですし、
「テンプラ」と「スキヤキ」の違いのわかる人も、
少ししかいません。

ま、それは置いておくとして、日本料理は大流行中です。

首都ローマは内閣や省庁関係など政治の中心地です。
そしてミラノは、それ以外の全部、
ファッションや食べる事も含めた
全部の中心地なのです。

ミラノには「スシ・バー」と呼ばれる店が
20軒ほどあります。
そこには若い人たちが集まり、
「サケ」のグラスをかたむけながら
生の魚や米を使った料理で夕食を楽しみます。
まるで東京や大阪、札幌、横浜、仙台と同じようにね。

なかでも一番人気でVIPたちも通うのは、
ジョルジオ・アルマーニの店です。



サッカー選手に会えるかも?

その日本料理店は、マンゾーニ通りの、
ちょうどモンテナポレオーネ通りから
出て来たあたりの向かい側、
イタリアでも一番有名な
エンポリオ・アルマーニの中にあります。

僕は幸運なことに、日本で、
生まれて初めての寿司を食べました。
サッカーのワールド・カップの期間中のことです。
仙台の中心にあるサン・モール街の、
典型的な寿司屋さんでした。
僕にとってはファンタスティックな経験でした。
世界中に出かけていくジャーナリストの暮らしをしながら、
食べたものの中でも、
その時の食事は最高に洗練されたものでした。

イタリアの寿司は、これと全く同じとは言えません。
太平洋の魚でもなく、新鮮度も香りも異なります。
だいいち、さばき方が、日本の老舗のようにはいきません。
ジョルジオ・アルマーニは料理の世界でも
秀でたいと思っているでしょうが・・・

東京の中心地では、彼の広々とした店に
行列ができているのを見ました。
日本人は男女を問わず、アルマーニ流が好きですね。
アルマーニのジャケット、アルマーニのテイラード、
アルマーニのシャツの色、
それにネクタイのグレーの色調の美しさなど・・
でもこれは、なん千年もの文化の歴史を持つ日本こそが、
少なくも彼が日本に惚れたくらいには、
彼に惚れたということです。
彼にとっては、一目惚れでした。
そして彼、ジョルジオ・アルマーニは
彼のレストランのために、
わざわざ日本からスペシャリストを呼び寄せました。

こうして彼の寿司は、
東京や大阪で食せるものと同じとは言わないまでも、
今やミラノで確実に一番おいしい寿司となったのです。
ミラノで酒を飲みながら寿司を食べると、
30ユーロ、3500円くらいです。
それから、アルマーニの日本料理店では
フェレやドルチェ&ガッバーナなど、
有名デザイナーに出会えるかも知れませんよ。
ナオミ・キャンベルやクラウディア・シーファーといった
モデルたちにもね。
そしてそして、サッカーのチャンピオンたちにも
会えるかも知れません。
マルディーニ、ヴィエリ、シードルフやレコバなどに。
エレガンスや美しさが、
東洋の魅惑的で神秘的な空気のなかに解け込みます。
そうして普通の人も、
ごく自然にVIPたちと混じりあいます。
寿司の皿を前にすると、みんな同じ・・・

そう、みんな幸せです。


翻訳/イラスト=酒井うらら

フランコさんのくわしいプロフィールはこちら、

フランコさんのホームページはこちらです。(日本語もあるよ!)

2002-10-15-TUE

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