アズーリにべったり密着50日!
フランコさんは特別なスポーツ記者なんだぜ。

不治のロマンチスト

札幌でのエクアドル戦の勝利は、試合の翌日に
アズーリの選手達に一晩の自由をプレゼントさせるほど、
トラパットーニ監督を満足させました。
 
さあ、その夜を、選手達はどんな風にすごしたのでしょう?
今回は、そんなお話です。
イタリア人は、ロマンスがなくちゃ、
生きていけませんからね!

トッティは恋人と、
モンテッラは奥さんと、
カンナヴァーロは
ファッションショーに。

エクアドル戦でトラパットーニ監督の賛辞を得るに
相応しい活躍をしたトッティは、
イタリアから日本に来た彼の恋人、
イラリー・ブラージに勝利を捧げました。
トッティは言います。
 
「愛する人がイタリアから
 僕に会いに来てくれたっていう出来事は、
 それまで持っていなかったようなエネルギーを
 僕に与えてくれたよ」
 
試合の翌日、トッティと彼の恋人は
仙台市内に設けられているイタリアのプレスセンター、
「カーサ・アズーリ」の応接間でくつろぎました。
そして、トラパットーニ監督から与えられた
自由時間の最後の方は、
愛する二人は二人だけの時間を過ごす為に、
人々から隠れるようにそこから出て行きました。
イラリーさんとフランチェスコ君は
仙台のカーサ・アズーリに近いホテルの
スイートルームに避難場所を見出したのでしょう。
 
ほんの一分もプレイする機会を与えられなかったことで、
すっかり失望してしまったヴィンチェンツォ・モンテッラは、
奥さんのリータに慰められました。
 
モンテッラ夫婦は仙台の街中のイタリアンレストランで、
四本のキャンドルだけで照らされた
ロマンチックな雰囲気の小部屋の中で夕食をとりました。
 
カンナヴァーロはカーサ・アズーリ内での
ファッションショーに出席する為に、
ヴィエリ、マルディーニ、ネスタらと一緒に
館内に残りました。
そして、何人かは飲み物やジェラートを持って、
韓国vsポーランド戦を観戦する為に
テレビの前に座っているといった感じで、
この夜の自由時間の過ごし方はみんな様々でした。

↑カンナヴァーロはファッションショーに行きましたよ。



そしてデル・ピエーロは
ひとりさびしく……。

パヌッチとデルヴェッキオは仙台の街中へ行きましたが、
一方でデル・ピエーロだけは一人寂しく
ホテルに残った唯一の選手でした。
 
デル・ピエーロは自身をチームに不可欠な
レギュラー選手という確信を持って日本に来ましたが、
トラパットーニ監督はこれまで常に
彼を控えとして扱ってきました。
 
デル・ピエーロはホテルの部屋で、
彼を励まそうとして声をかけてくれるイタリア人の友達と
電話をして夜を過ごしました。
デル・ピエーロにとっては、
楽しい夜やセックスをする夜よりも、
試合に先発出場してプレイする機会の方が
欲しいはずでしょう。
 
イタリアで行われた調査によると、
アズーリの選手の中で恋人として最も望ましいのは
クリスティアン・ヴィエリ。
最良の夫として考えられているのはザンブロッタ。
最も友情と愛情を必要としている選手は
デル・ピエーロということになっています。
 
トラパットーニ監督もデルピエーロに対して
愛情と思いやりを示してくれるということが
望ましいと、ぼくも思うのですが……。
 
しかし、デル・ピエーロは第二戦目である
クロアチア戦も先発出場することは無いでしょう。
二戦目も勝利の場合には、
トラパットーニ監督は選手達に
もう一度恋人や奥さんや婚約者に会う
夜の自由時間を与えるかもしれません。
 
おそらく、アズーリの強さの本当の秘密というのは、
トレーニングやビタミンなんかでは無くて、
勝利の場合に「愛」が与えられるという
約束事なのかもしれませんね。
 
イタリア人は不治のロマンチスト。
愛がなくちゃ、生きていけません。




いつもたくさんのメールをありがとうございます!
イタリア語でメールをくださるかたもいて
びっくりしています。
(でも日本語でくだされば、
 ぼくの友人が訳してくれますから大丈夫!)
お返事が書けなくてゴメンナサイ、
でもちゃんと読んでいますからね。

さてオガワさんというかたから
こんなメールをいただきました。

>フランコさん、こんばんは。
>私の友人の、その友人のご主人は
>イタリアチームのファンらしく
>生まれた娘さんに「蒼」(日本語で色の青の意味)
>と書いて無理やり「あずり」と読ませた名前を付けたそうです。
>そう、イタリアチームの愛称「アズーリ」からだそうです。
>ところで質問です。
>チームカラーの青が愛称になっているアズーリですが
>イタリア語で「青」は Blu ですよね?
>スペイン語では Azul なのでこちらの言葉が
>少し変って アズーリ ならわかる気がするのですが
>なぜイタリアチームなのにスペイン語訛り(のような)
>アズーリが愛称なのですか?


イタリアではBLUも「青」ですがAZZURROも「青」なんです。
空や海の色、いわゆるSKY BLUE、
イタリアのナショナルチームのユニフォームの青は
AZZURROなんですよ。
(編集部註:その男性複数形がAZZURRI、
 女子だとazzurreになるそうです)

あずりちゃんによろしくね、オガワさん。
チャオ!


翻訳協力=加藤正之

フランコさんのくわしいプロフィールはこちらです。

2002-06-07-FRI

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