FISHING
釣りに興味のないひとに、
何を話せばいいのだろうか?

第3回 「He's cool!」

10月21〜24日の4日間、
アメリカ・アラバマ州の
ローガン・マーティン・レイクで開かれた
B.A.S.S.の「トップ150」第3戦で
田辺哲男(たなべのりお)さんが4位に入賞した。
といっても、「釣りに興味のない人」には
何のことかさっぱりわからないだろうから、
ちょっと説明しよう。

まず、B.A.S.S.。
これはBASS ANGLERS SPORTSMAN SOCIETYの略で、
全米最大のバスフィッシングトーナメント組織である。
ついでに言っておくが、
B.A.S.S.は「ビー、エー、エス、エス」であって
「バス」ではない。念のため。
B.A.S.S.は1年間を通じて
いくつかのトーナメントを開催している。
そのなかで、トップ150は
文字どおり上から150人のプロフィッシャーマン
(つまりトーナメントだけで生活している人たち)が
凌ぎを削るもっともタフでシビアなトーナメントである。
たとえていえばゴルフのPGAツアーみたいなものだ。
各大会の優勝賞金は10万ドル。
最終日の賞金総額は40万9450ドル。
そして4日間をとおしてその日最大のバスには
1000ドルが与えられる。
賞金の額もハンパではないし、生活がかかっているため、
プロたちは本当に血眼になって釣りをしている。

Basser 2月号
日本を代表するバスプロの田辺哲男さん。
97年のバサーオールスター
クラシックで優勝、
表紙を飾った。

そこで4位である。
3日目にはその日最大の5ポンド12オンスを釣って
田辺さんはビッグバス賞を手にしている。
彼はいちどB.A.S.S.の大会で優勝しており、
それに比べれば快挙とはいいがたいが、
それにしてもすごい。
ちなみに第1戦の順位は34位だった。
この時は、2日目までは成績を伸ばしていたのだが、
3日目に「読み」が外れて順位を落としてしまったらしい
(詳しくは「Basser」12月号に載っているようだ)。
しかし、今大会終了後に「Basser」編集長の
三浦修さんが田辺さんと電話で話したところによると、
彼は「4位じゃしょうがないよ」と冷め切っていたという。
なんでも今年の目標は1勝することで、
優勝以外は眼中にないらしい。
それぐらいクールじゃなきゃダメなのだ。

1998-10-30-FRI

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