おさるアイコン ほぼ日の怪談

「猫の祟り」

私のおばあちゃんから聞いた話です。

今から、40年くらい前のことです。
私の住む隣の集落に
10年以上生きた老猫がいました。
その猫は、目の前をネズミが通っても動こうとせず、
ただただ、いつも同じところに寝ていました。
飼い主は「全く役に立たない」と、
穴を掘ってその猫を生き埋めにしてしまいました。

ところが数日後、
埋めたはずの猫がいつものところに寝ていたのです。
飼い主は腹を立て、周囲の反対を聞かず、
今度は棒で殴り殺し埋めてしまいました。

その日の夜、飼い主に変化が起こりました。
目が剥き出んばかりに見開き、
四つん這いになりました。
さらに、障子を引き裂きだしました。
引き裂かれた障子は、
人の爪で破ったとは思えない鋭い切り口です。
「きっとあの猫の祟りに違いない。供養すれば」
と、近所の人々は猫を埋めたはずの穴を
掘り返したのですが、その姿はありません。
霊能者に来てもらったところ、
「拝むしかない」ということで、
村中総出で拝んだそうです。

その後、飼い主はもと通りになったそうですが、
それ以降廃人のようになってしまったとのことです。

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