おさるアイコン ほぼ日の怪談

「見知らぬ運転手」


高校生の時,クラスのみんなでキャンプに行きました。
そろそろ夕飯の準備を始めようという頃、先生に
「わしの車に野菜やらがあるけえ、とってきてや」
と言われたので、
白いカロー○の鍵を受け取って、
友人と二人、先生の車に向かいました。
「えーっと、先生の車って、これだよね?」
後部座席には、じゃがいもやカレールーなど
夕飯のカレーの材料があります。
「あ、これだこれだ」
と鍵を開けようと思ったら、
運転席に知らない男の人がいて、
私たちの顔を怪訝そうに見つめています。
友人と一瞬顔を見合わせた後、
あたりを見回しましたが、
白い車はそれ一台。
「ほかにないよねえ」ともう一度運転席をのぞいたら、
男の人はこっちをじっと見たまま、
にこりともせず薄くなって消えていきました。
ドアの鍵はかかったままでした。
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