おさるアイコン ほぼ日の怪談

「タクシー」

今から10年ほど前のことです。
夜9時頃、車で信号待ちをしていた時のこと。
ふとバックミラーを見ると、
後ろには少し離れてタクシーが止まっていました。
タクシーの運転手がバインダーに
業務日誌をつけているかのように見えたその瞬間、
バインダーの後ろに何か文字が書かれていました。

「親の仇」

しかも、その運転手は明らかに
こちらのバックミラーに見えるように
その文字を掲げていました。
信号が青になったので私は車を走らせ、
さっきの出来事は見間違いだったのだろうと
思い込むようにしました。
しばらくして信号にひっかかると
運転手はバインダーを掲げ、再び見せてきました。

「親の仇」

その後は恐ろしくなったので脇道に入ると、
タクシーはついて来ず助かりましたが、
あの出来事は一体何だったんだろうと
今も書きながらも背筋がゾクっとしております。
もう、やめておく 次の話も読んでみる