おさるアイコン ほぼ日の怪談2010
怪・その26
「らせん階段」


私が高校生のときの話です。

私の教室がある校舎は円形校舎で
真中にらせん階段がありました。

円形校舎はらせん階段を囲むように
教室があるので、
ひとつの階に6つある教室は
バームクーヘンを6等分したような形をしており、
入口と出口がらせん階段側を向いていました。

その日、めずらしく朝早く学校に着いたので、
教室に行くと、私が一番乗りでした。

教室の中程にある自分の席に着くと、


いきなり、
入口のドアがガシャッと空く音がしました。

誰か来たと思ってそちらを見ると
誰もおらず、ドアが開いています。

次の瞬間、金縛りにあいました。

そして、人の姿はないのに、
パタパタパタと上履きで歩く音だけが
私の左手を通り、
後ろを通り、
右手を通り、
出口のドアがガシャッと開いて
その足音は出て行きました。

足音が遠ざかり、金縛りが解けたときには
冷や汗でびっしょりになっていました。


そのあと登校してきた友人に
興奮してその話をすると、
友人は神妙な顔で言いました。

「実はこの円形校舎ができて間もないころに、
 らせん階段の中心に飛び込んで
 自殺した女子生徒がいたんだよ。

 その直後から、日が暮れると
 らせん階段の真中に、
 その女生徒が立っている姿が大鏡に映って、
 大騒ぎになった
 という話を聞いたことがある」と。

そして、私と友人は、
ほんとうかどうかを知るため、
その女生徒が映ったとされている大鏡が
実際にあるのかを、確認しに行きました。


でも、鏡は小さいものがひとつあるだけで、
らせん階段が映る位置ではありません。

ホッとして教室にもどろうとしたとき、
私と友人は、
見つけてしまったのです。


明らかに隠すように
下駄箱の後ろに大鏡があるのを‥‥。

(glico)

前の話にもどる もう、やめておく 次の話も読んでみる
2010-08-23-MON