おさるアイコン ほぼ日の怪談2008
怪・その37
他人の足


高校生の時、学校近くの友人のマンションで
毎日のように遊んでいました。
彼女のご両親は別のところでお店をやっており、
放課後は絶好の溜まり場でした。

その日、いつものように何人かが
コンビニへ行くと言い、
私は寒かったので、1人コタツに潜って
友人達を待っていました。

皆が出て行ってから数分後。
玄関からこっちへ向かってトントントン、
と足音がしました。

誰か帰ってきたのかな? と思いましたが
廊下からこっちに来る様子がありません。

するとまた同じように
玄関からこちらへ
トントントン‥‥

さっきの足音が玄関の方へ戻った音も、
玄関が開いた音もしなかったことに気付きました。

おそるおそる音のした方を見ると、
廊下に出る襖に10センチほどの隙間があり、
その向こうに白くて綺麗な女性の足が‥‥
こっちへ向かって立つ
膝から下の「足だけ」が見えました。

私は怖くなって慌ててコタツに潜り込み、
友人達の帰りを待っていました。
程なく友人達が戻ってきたので、
その話をすると、
家主である友人が困ったような顔で言いました。

「昨日お風呂から上って廊下に出たらね、
 温まったはずの足が急に冷えてきて
 膝から下の感覚が無くなっちゃったの‥‥。
 で、足を見たらね‥‥
 膝から下が、自分のじゃない足になってた。」


「足」は特に悪さをしないようですが、
それ以来、彼女の家には行っていません。

(トモ)
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2008-08-29-FRI