おさるアイコン ほぼ日の怪談2008
怪・その8
いたずら


昨年、友人4人で、1泊2日で
奈良に旅行をした時のことです。

2日目の朝、目覚めると体調が悪くなっていました。
身体もどんどん冷えて、
パワーが無くなり
出かける自信が持てなくなっていきました。

楽しみにしていたのにこんなことになるなんて、
と思いつつ、
みんなには先に朝食に行ってもらう事にしました。
心配した友人達は薬をくれたり、
足湯をしたら‥‥と言ってくれたりしながら
食事に行きました。

ひとり、部屋に残り薬を飲んで、
足湯をしてみることにしました。

小さなホテルなので、浴室はユニットです。
お湯をはり、ひとりだったし、だるかったので、
行儀悪くも足ふきの上に
八の字にスリッパを脱ぎすて、
入口に背を向けて
浴槽の縁にこしかけ、足を湯につけました。

しばらくすると気分がよくなってきたので、
その姿勢のまま、お化粧をしようと思いました。
面倒くさいので、ちょっとだけ、と
足もふかずに部屋にちょんちょん戻り
両手に化粧ポーチを持ち、
スリッパを踏んでしまいながら、
濡れた足で出たことが後ろめたいので、
かなり素早く、足湯態勢に戻りました。

なんとなく違和感を感じて振り返ると
今、急いで戻るのに踏んでしまったスリッパの上に、
ユニットバスの隅にあったであろう
プラスチックのゴミ入れが、
ちょこんとのっかっていました。

しばらくかたまった後、
いたずらされちゃったかな‥‥と思いました。

(YS)
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2008-08-06-WED