おさるアイコン ほぼ日の怪談2005
怪・その24
「赤い服の女」

入学したての頃、社会科の先生が
ある昔話をしてくれました。
「昔この場所は、大きな池だったんだ。
 ある時その池の水面に女の変死体が浮かんだ。
 警察は死んだ女性の交友関係を調べだし、
 交際していた男を見つけた。
 警察が男の部屋に踏み込むと
 男は首をつって死んでいた」と。

私は吹奏楽部に入っていました。
吹奏楽部は、パートごとに教室にわかれて
練習をします。
その日も教室ごとにわかれて練習をし、
お昼を友人達と食べていたとき、
友人が、
「そういえば、練習してたときに
 変なことがあったんだ‥‥。
 部屋の中で少しみんなで休憩してたらね
 外の廊下を歩く音がしたんだ。
 でもさ、あの時間って吹奏楽以外、
 歩きまわってないじゃん。
 だから窓から見たんだけどね、
 誰もいないの。
 誰もいないのに足音だけがしてるの。
 そのうちに、足音が教室の中に入ってきてね、
 少し部屋の中を歩き回って出て行ったの。
 すっごく怖かったから、
 窓からもう一回覗いたら、
 赤い服を着た髪の長い女の人が歩いてた‥‥」

数年後、私の妹が同じ中学に入学しました。
妹の友人達は多くの人が「見える」らしく、
その中の一人が入学早々、
渡り廊下の角っこを指差し
「あそこに、
 赤い服を着た髪の長い女の人が立ってるよ」
と言ったそうです。
その後、数々の赤い服を着た女性の話が聞かれます。
(I)

2005-08-22-MON
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