愛と涙の父親参観的座談会?!

第8回 「ほぼにちわ、とーちゃんです」

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ほぼ日 雑誌も何も持たないで、お父さんと一緒に
2時間電車に乗るとしたら、
どんな話をすると思いますか?

賢作
うちは映画の話だな。まず間違いなく。
映画の話はけっこうとめどなくできるしね。
最近、何観た? って話になると。
で、圧倒的に観てる本数はヤツのほうが多いから、
悔しいんだよね。オレがたまに先に観ると、
とうとうと語っちゃうなあ。

あんだ
映画の話はいっぱいできそう。

賢作
うん。
でもやっぱり共通経験がないと語れないから、
誰とでも語れるかっていうと違うよね。
『タイタニック』なんてさ、
ヤツはけっこうボロクソに言ってたんだけど、
オレけっこう好きなんですよ。
良かった良かったって俺が言いまくってたら、
おまえ、どこがだよ!? って言われる(笑)。
ほぼ日 それを理路整然と言い返すんですか?
お父さんが。

賢作
言い返しますね。
なんで男がこんなになって、
最後沈んでくんだ、って。
オレは、いいじゃないか、
映画なんだからって(笑)。
意見が合ったのが「おばあちゃんの存在」かな。
おばあちゃんがさ、
最初にコロッと宝石を落とすじゃない?
海の中に。
あー、あそこだけは良かった、って
意見が合ったんだよね。

さとみ
その話をしている親子の図が、
目に浮かんできますね。

映画を通して、
そこの価値観を共有してるような。



賢作
そうだね、いつも激論になりますね。
みんな へー!

賢作
でも、人生とか愛についてなんて、
絶対に語らないけど。

るか
なんでですか?

賢作
こっ恥ずかしくて(笑)。
でも、映画のフィルターを通せば、
何でも語れちゃうんだよ。
うん、便利だね、映画。

さとみ
じつはそれを語ってるんですか。

賢作
うん、そういう部分もあるね。



あんだ
英さんはどうですか?
電車の中で、何を話しそうですか。

電車に2時間乗ってたら・・・。
会社を一緒にやってるので、
やっぱり具体的にそういう話になっちゃうかな。
こっちは儲けないとお給料でないし、
父は「お金なんかいい、好きなことやりたい」
っていう。
それでいったいどうするのかって。
母もいることだし、
ほんと、ついそういう話になってしまう。


僕、今、車の免許が
なくなっちゃったんですけど(笑)。

るか
あらあら。

前は、父が仕事で外出するときは
僕が運転手で父と一緒に行ってたんです。
当日、車の中が2人のコミュニケーションが
いちばんよくとれるし、
けっこうその時間が大切だったなあって
思いますね。
もう3年ぐらい前かな?
ほんっとに車中でいろいろ話した。
またそういう時間が持てればいいなって思います。
そのためには
免許取りなおさなきゃいけないんですけど(笑)。


賢作
どんな話をなさってたんですか?車の中で。

家族の話ですね。
僕の個人的な悩みや相談ごととか、
恋愛とか友だちが何とかとか、
そういうのではなく。
父に助言してもらえることが
すごくいっぱいありますね。
そういう時間として、
車の中というのは、すごく大切だった。
そういう時間をまた持ちたいなあ。


ほぼ日 またいい話だ。

ほんとに車は特別な場所でしたね。
母と2人で乗ると、
べつに喋ることはないんですけど、
父とだと、もういっぱい喋ることがある。
家のこととか仕事のこととか。
たぶん車じゃなかったら
話がまとまんなかったこととか、
話さなかったりしたことが
たくさんあったと思う。


車の中での父とのふたりの時間がなかったら、
いろんな話を自分から切りださなかった、
っていうこともあるかもしれない。
事務所で誰かいるから切り出せないとか。
めんどくさいや、とか。
自分のやってることで流されちゃって。
でも運転しているときは、
他にやることがなくって、
話すほうがメインになるから。

さとみ
そっかあ。
わたしも確かにお父さんと
2人だけで話すときって、
けっこういつも真剣な話が多かったですね。
「さとみのアイデンティティはね」とか。

あんだちゃんちはどう?

あんだ
普通にわたしのこととか、
これからどうしていきたいの? とか、
そういうことを話すことが多いですね。
けっこうやっぱり相談相手として
すごい頼ってるというか、尊敬してるから。

やっぱりうまいことも言うし(笑)。

うまいこと?

あんだ
困ってるときとか、
グッとくることを言ってもらえるから。
そういうことを話したりとか、
あと普通に、なんか面白かったことや
それは「オツ」かどうか、みたいなこと。
あのときの、あのテレビ、観た?とか、
そういう世間話も。
特別なことは、たぶん、ない。


るか
特別だと思うよー。
うちのお父さんには、あんまりグッとくることを
言われたりしないもん。
いつもあんだちゃんが相談して、
お父さんが返すみたいな感じ?

あんだ
どっちもありますね。
ちょっとご相談があるんですけどー、
ってメールを打ってみたりとか。
おまえどうするんだい?って、
向こうから振られてきたりとか。
もっぱらメール。
で、じゃあ今度、ゆっくり話そうか、
みたいな。

賢作
書き出しは「ほぼにちわ」?

あんだ
「ほぼにちわ、とーちゃんです」。

るか
やっぱり「ほぼにちわ」なんだ(笑)!

さとみ
「とーちゃん」なんだ、糸井さんて。

賢作
いいね(笑)。


ぜんぜん話違うんですけど、
糸井さんのことで思い出した。
原美術館で父の展覧会があったときに、
ぼくがもらったばっかりの犬を
連れていったんです。
美術館なのに、
よくあんな犬なんか連れていったなって
思うんだけど・・・。

で、父には飼ってることを
言ってなかったんですね。
怒られると思って。
そのとき、糸井さんも来てくださっていて、
父には犬のことを言ってない
って話をぼくがしたら
「あ、いいよ、これオレの犬ってことにして、
 それを英くんにあげたっていうことに
 すればいいから」

って。
えーっ!? そんな人、いない! って思った。
僕の周りにはいないなあって。

どうしよう!? って。
それで、もう犬のことよりも、
そういうふうに判断してくださったことに、
びっくりしちゃって。
父には、そういう
自然なやりとりをしてくださって。


るか
へえ! そんなことが。


何も知らない父が
「あ、糸井くん、かわいいじゃない。
 糸井くんの犬なの?」って、
にこやかに会話が進んで。
で、糸井さんがぼくに犬を渡してくれて
「あ、英くんになついてるよ、
 いいよいいよ、あげるよ」って
おっしゃったんです。


賢作
わあ。

そしたら父がびっくりしちゃって。
ずっとニコニコしてたのが凍りついて。
「えっ!?だって、かわいがってた、
 糸井くんの犬でしょ?」
って(笑)。
しかも、父にいちばん信用がないぼくに
くれるっていうね。
もうびっくりと嬉しさと面白さがもう。


みんな わははは!

それがきっかけで
僕の犬ってことになったんですよ、
おかげさまで。



るか
でも、なんでお父さんに言えないのかが、
すごく不思議だ(笑)。
ほぼ日 今、この座談会で明かしちゃってもいいんですか?

はい、大丈夫ですよ。
その後、言ったんですよ、父に。
もうあまりにも信じてるから。
みんな うんうん。

糸井さんからもらったすぐ後、
絵を描きながらぶつぶつ言ってました。
「動物だって生きてるんだよ?」とかって(笑)。
「めんどう見れるのかな?」とか。

それで、あげくの果てに、
ぼくが売るかも、と思ってるみたいで。
ぼくはすぐお金に困ると、
物を売るっていうふうに思ってるみたいなんです。
犬まで売るんじゃないかって。
そこまで信用されてない(笑)。


さとみ
心配でしょうがないんですね。

ほんとに、すごい心配性。
ごめんなさい、
糸井さんがせっかくして下さったのに、
タネ明かししてしまって。
ほんとうに感謝してます。
そんなふうに思ってくださるなんて。
そんな糸井さんがお父さんなんですよね?

あんだ
はい、うちのとーちゃんです(笑)。
 
<あさってに、つづきます!>   

★読者メール紹介!★
父は自動車教習所に勤務していて、
私は高校三年生の時、そこで免許を取りました。
父親の職場を見るのも、
父親の働いている姿を見るのもはじめてでした。
普段、自宅でごろごろ昼寝をしている父親とは
全然違う姿に、びっくりしたのを覚えています。
自分の父親を「かっこいいな」と思ったのも、
たぶんはじめてだったと思います。
残業をしている父親を待ちながら、
「ああ、お父さんはこうやって
 私たちを大きくしてれたんだ」

と思いました。
あの時から、父親のことが
きちんと見えるようになりました。
(悦子)

お父さんが働いているところって、
ぜったいかっこいいですよね!
わたしもよく工事現場や、
会社あげての餅つき大会などにつれていかれました。
でも、うちの父は、
家でもかっこよくふるまおうとしていたみたいです。
かっこ悪いところを見せてくれてもよかったのになあ、
と今となっては思います。しみじみ。
(さとみ)
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高校の古文の先生で「ロマン」って
呼ばれてた先生がいるんです。
ある日のこと、ロマンは授業がはじまっても
窓の外を見て、ぜんぜんしゃべらないんです。
なんだろー、と思っていると突然ロマンが
「みんなはお父さんにやさしくしなさい!」
と叫びました。
ロマンは50すぎの独身おやじだったのですが
前日に、友達と飲んだのだそうです。
その友達は、近々娘が結婚することになっていて、
嫁に行く娘を想うにつれ
へべれけになりながら泣いたのだそうです。
うちの高校は女子高だったんですけど、
ロマンは「そんな娘さんの予備軍」である私たちに
言っとかねば!と思ったようです。
「父にとって娘は恋人なのです。
 好きな人ができたり、結婚するときは
 とくにやさしくしなさい」
ロマンの叫びを聞いて、当時は、
「うへー。きもちわりぃ」って思ったんですけど
30歳になった今、確かにそうだよなって思うんです。
(あなぐま)

自分の娘に「やさしくして!」と
直接言えるお父さんは、あんまりいませんよね。
ロマン先生のような人に出会えることで、
ああ、そうなんだ! と気づくことができる。
突然は無理でも、すこしずつすこしずつなら、
やさしくできるかもしれないですね。
明日からでもね!
(ほぼ日)
★★★★★★

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 『ピノキオ』について、くわしくは、
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●氏名
●住所
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と、「お父さんと、いっしょ。」への感想を
ひと言お書き添えのうえ、
pino@1101.comまでメールにてご応募くださいね。

応募しめきりは、「お父さんと、いっしょ。」の
 連載が更新された日の翌日の、午前11時となります。
(たとえば、6月4日水曜日に連載が更新された場合は、
 6月5日木曜日午前11時が
 プレゼント応募しめきり時間となります。
 つまり、連載が更新されてから、まる24時間が
 ご応募の期間となります)
※ご応募プレゼントの発送は6月20日以降となります。
 ご了承くださいませ。
 当選された方の発表は、
 次回更新のこのページで行ないます。
※応募メールにお書きくださいました感想は、
 「お父さんと、いっしょ。」をはじめとする
 ほぼ日刊イトイ新聞のページのなかで
 紹介させていただくことがあります。

2003-06-11-WED

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