質問:
音楽活動やいろんなことをしていた
二十代のころの試行錯誤は、
三十代以降の作家活動に生きましたか?
もしも生きたのたらそれは何だと思いますか? 三十五歳で小説を出すまでの「タメ」は
やはりあると思います。
つまり考えは蓄積なしに出してもダメでしょう。
噴火や地震も力が貯まるほど威力が大きいように、
小出しにしていても、ダメなんです。
小説を書きたい若い人が多いとききますが、
他の仕事をしていた人のほうがいいと思います。
よほど才能のある人は別ですが、
タメがないと厳しいんです。 社会で仕事をすることは
自分ではないものになることだし、
型にはめられることだし、
イヤな行動をすることだし、
それができなかった自分がいうのもなんですけど、
社会教育を受けたりした人のほうが
たぶんいろんな力がたまるんです。
ぼくは型にはめられることが耐えられませんでした。
その姿勢をダメだと後悔していますが、
それで今でいう「ひきこもり」みたいになって
図書館で本を読んだり
勉強したりという蓄積ができました。 したいことができなかったり、
作りたいものが作れなかったり、
うまくいかない時期が五年や十年あって、
その不本意な時期の「タメ」があることが、
自分の今やっていることに
つながっているのではないかと思います。
明日に続きます。
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2005-06-14 
Photo : Yasuo Yamaguchi [Hobo Nikkan Itoi Shinbun] 
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