質問:
小説の読まれかたについて、どう思われますか? 小説はそれほど
一般的なものではないと思うんです。 若い時はみんな
文化や芸術を嗜好する体力があるけど
だんだん年齢がいくと
「そんなことはどうでもいい」
となるんですね。 出版社で「完全な会社員」みたいな
顔をしてる人も
みんな二十歳ぐらいには
文学青年だったりするわけでしょう。 小説はある程度突出したものだから
みんなが小説を読んだり書いたりする必要はないし、
わからない人が多いぐらいで
ちょうどいいと思います。 僕の小説は、
自分を犠牲にしても
人をよろこばせたいものではありません。
人がよろこんでくれたら
もちろんうれしいですが、
むしろ自分で納得のいく
ギリギリのところまでやることができれば、
世間的にはぜんぜんレベルが低くてもかまいません。 「あの手法はマンネリだ。ちがうのを書け」
といわれても、わかるまで
書きたい内容があるかぎりは
自分でやりつづけたいと思うのです。
明日に続きます。
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2005-06-13 
Photo : Yasuo Yamaguchi [Hobo Nikkan Itoi Shinbun] 
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