「美しき日本 ― 大正昭和の旅」展

江戸博学芸員新田さんと小山さんのさらにくわしい解説


薬師寺知ひで(ともひで*)さんは、
油屋熊八の妻の義弟にあたり、
ソウルの新聞社で
社会部副部長を務めた人物。
住所の不老町にちなんで、
不老暢人(町人、ふろうちょうにん)
と名乗りました。
 *ひでの字は日へんに龍と書きます

亀の井自動車の専務理事として
接客指導にあたり、
別府調ともいわれる
七五調の案内原稿を考案し、
地獄めぐりの評判を全国に
広める役割を果たしました。

こちらは一般に販売された冊子です。
初版はガイドブック的な
性質であったのに対し、
ほぼ車掌の教科書と同じ内容なんですよ。
付録としてのせられた車掌心得のなかの、
執務心得の七にある
「客人に如何なることありとも、
 決して逆らわず怒らず悲しまず
 常に愛嬌を湛ゑて
 優しく丁寧に応対致しませう。」
などの条文は、現在の接客業における
業務マニュアルに通じるものが
ありますよね。

(新田)


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