担当編集者は知っている。

最新のオススメ本



「ひきこもりカレンダー」
著者:勝山実
出版社:文春ネスコ
価格(税別):1.500
ISBN:4890361243


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(筑摩書房ツルミさんからのコメント)

すっごいタイトルでしょう?
私は、ウェブマガジンで短期集中連載を読んで、
こりゃあ面白い!!と思ったんです。
こういう人の生の声って考えてみたら聞いたこと
(読んだこと)なかったですからね。

親という親はみんな読んだ方がいいかもしれない。
子供がひきこもっていなくても。
いつまでも「子供」じゃないことを知る覚悟が親には
必要なのです。
とにかく、親子関係について、いろいろと考えさせて
くれるし、ある種「踏み絵」のような本です。

お薦めですよ!!

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担当編集者川村容子/文春ネスコ

「ボクは壊れてしまったんです」
この'ひきこもりカレンダー'の著者、勝山実さんは
現在29歳。
高校3年のときにひきこもり生活をはじめました。
「ボクらの精神は部屋の中に
 一人で何年もひきこもっていられるほど
 タフにはできていないようで」
2〜3年前に気が狂う一歩手前までいき、
自ら精神科の門をくぐりました。
以後、リハビリをかねて
郵便配達のアルバイトをしたり、
ひきこもったりの生活を繰り返しています。
この本はそんな彼の生い立ちと主張を綴ったものです。

彼との出会いは
週刊文春連載の精神科医によるエッセイの中にあった
2〜3行がきっかけでした。
それは新宿ロフトプラスワンで行われた
イベントについて書かれたもの。
ゲストとして出演していた勝山さんの発言、
「自分で稼いだ1万円も、
 親からもらった1万円も同じ1万円」
を聞いて、その精神科医に同伴していた中年の女性が
「自分の子供だったら、殴ってやりたい」
と激怒したというくだり。

この人、なかなかうまいこと言うなぁ・・・
大の大人をこれほどまでに怒らせられるなんて、スゴイ!
と思い、すかさず勝山さんの連絡先を調べ、
次の日にはメールを送っていました。

原稿はすべてメールで。

1ヶ月もすると、この顔も知らぬ青年とのやりとりが
非常に大きな意味を持ったものだということが
分かってきました。
自分だって、ちょっと何かがずれていたら
彼のようになっていたかもしれない。
ひきこもりとは個人や家庭や学校だけの問題ではない。
日本人全体が共有しているある種の価値観が生み出した
現代の病理ではないかと。

ちなみに出版前に社内の50代の男性、
何人かに読んでもらったところ、全員見事に激怒しました。
甘えている! 自己愛が肥大している!
こんな本を出すな! というわけです。
ところが同時に読んでもらった20代前半の男の子からは
どんなことがあっても絶対出してください
という激励の言葉をもらいました。

なぜ、世代が違うとこうも反応が違うのか・・・。

この本には、ひきこもりの問題だけではなく、
不登校、学級崩壊、バスジャック事件、
なぜ人を殺してはいけないのか? など
近頃話題の'教育・社会問題'を解決するための
ヒントがたくさん含まれています。

このヒントを一ひきこもり青年のたわごとととるか、
シグナルととるかは
読者にとっては意見の分かれるところでしょう。

一部知識人による不毛な教育論争は
何も解決してくれませんし、
はっきり言って時代錯誤。
勝山さんの原稿に書かれているメッセージを
読み取っていくことのほうが、
はるかに前向きなことだと思うのです。

最後に「勝山実名言集」からひと言。
「親とは血がつながっているんだから、
 お金もつながっていると思えばいいんです」

この本を読んで
激怒しますか?
理解しようとしますか?
あなたはどちらのタイプでしょう?

2001-02-13-TUE

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