田中宏和 同姓同名観測所

東京中日スポーツの取材を受けました。

田中宏和様

突然のメールにて失礼いたします。
私は中日新聞社の東京中日スポーツ・中日スポーツで
企画記事のコーナー「ニュース探検隊」を
担当しております、石井知明と申します。

19日深夜のTBS系「新知識階級クマグス」で、
「田中宏和集会」の盛り上がる様子や
素敵なTシャツ、交流の広がりなどを
とても興味深く拝見いたしました。

「名前」という、
本人の意志とは関係なく授かったものを、
こんな風に楽しむというのは、
まさに「人生を楽しむ」ことに直結するのではないか、
と感銘を受けました。

そこで、ぜひ私どもの紙面で
「田中宏和運動」を紹介させていただきたいと思い、
こうして「田中宏和.com」HPを通じて
メールをお送りした次第です。

差し支えなければ、
「ほぼ幹事」の田中宏和さんを中心に、
別の田中宏和さん数人にも
「田中宏和運動」へのご感想などを
お聞きしたいと考えております。

そうか、「人生を楽しむ」に見えてんのか、自分よ!
(確かに、「楽しんで無い」とは言えない)

しかも、「感銘を受けました」までしてもらって、
この子ったら。
(「この子」とは、集合名詞としての
 「田中宏和」=ほとんど他人、です)

さっそく取材を受けるというよりも、
第3者の社会派な意見を聞きたくて、
石井知明記者にお会いしました。
何より驚いたのが、
事前取材の緻密さであります。
Web上のコンテンツは、
「ほぼ日」ものも含めほとんど網羅され、
「田中宏和運動」への理解が深い上に、
そして、この運動を推進するわたくしの動機について、
的確に質問を繰り出されるものですから、
ついついこちらも面白がってしゃべっちゃうわけです。
取材のプロフェッショナルですね。

そして、「お土産があります」と、
まずは、東京中日スポーツの
1994年11月27日の記事のコピーを
ふいに取り出されます。
“近鉄一位の本格右腕 田中の入団決定”
「うわっ、これはうれしいなー。
 同姓同名集めのきっかけとなった事件ですよ」
もちろん、「田中」のフルネームは、
「田中宏和」(投手)です。
続いて、12月23日の記事。
“田中『目標1億円 近鉄が新入団選手発表”
「そうか、田中宏和くん、1億円を目標に・・・。
 まさか5年後のオフに・・・。
 他人事ながら自分のことのように無念!」

さらに、ここからが中日新聞のパワー全開です。
「これまでの田中宏和さん記事検索してきました」
まずは、
「浜松市細江消防団中央分団への
 ポンプ車貸与式に出席した、
 田中宏和分団長」

よっ、分団長!

「尾張市旭市教育委員会の
 委員長職務代理者の
 税理士の田中宏和氏(52)」(2008年)

肩書きが一番長い、田中宏和さん!

「東日本軟式野球大会一部に
 三重県代表として出場する社会人チーム、
 四日市レッドゴブリンズの田中宏和さん(28)」(2009年)

レッドゴブリンズの結果が気になります。

「軟式野球成年男子一般Bの
 OBC(近江ベースボールクラブ)の田中宏和選手」

田中宏和に野球人、多し。
「成年男子一般A」の存在が気になります。

「『わたしの絵手紙』に投稿し、入選を果たした、
 会社員・田中宏和さん(32歳)=三重県鳥羽市」

ちゃんと芸術部門でも食い込んでる!

さらに、
「土岐市曽木町で野菜販売所を経営する、
 田中宏和さん(63)」

このひとは、わたくしの知る限り、
田中宏和界の最高齢ですよ。

7人目!
「豊橋市消防本部から、
 市内の民家火災で人名救助にあたり、
 老夫婦を救って、感謝状を贈られた、
 会社員田中宏和さん(30)」(2009年)

素晴らしい!
きっとバケツで水をかぶって
火の海に飛び込んだ田中宏和さんに違いありません。

「どうですか?」と聞く石井記者に、
「いやー、自分のことのようにうれしいですね。
この田中宏和という名前の活躍ぶりがうれしいです」と、
7人の田中宏和さんたちの記事に興奮しました。

石井記者に差し出された
新たな田中宏和たちの活躍に刺激され、
わたくしが昨今、
「田中宏和収集活動」を通じ考えていた、
「自己認識ダイナミズム論」を思わず説明しはじめました。

これは、人が自己をどう認識するか、
世界への態度の類型だと思っていますし、
これまでの田中宏和収集のプロセスもとに
アイデンティティのあり方を概念化したチャートです。
2軸を使って、4つの類型を取り出してみました。
「一般性」と「唯一性」、
「自己否定」と「自己肯定」の対立軸です。
これまで、1→2→3→4と、
「田中宏和」に対する考え方が変わってきました。

こんな図を前に、石井記者と話をしました。

今の時代、手前勝手でない、
ほどの良い自己肯定をいかに時々見いだせるかが、
大切なような気がしますね。

今のところ行き着いているかもしれない、
右上の4の唯一性の自己肯定は、
一見、21世紀になって顕著な、
「自分はオンリーワン讃歌」みたいですが、
自己否定の運動を経て、
ネガティブなものもまるごと引き受けて、
うしろめたく自己肯定できるほうが、
より外圧に壊れにくく、
バランスよく丈夫な自己認識ができるかもしれません。

石井記者によると、
「名前負け同盟」というような、
ネットのコミュニティがあるそうです。
しかし、名前は変えることもできるし、
さらには、その名前で遊ぶことができるのに、
ついつい人が名前から不自由になってしまうのは、
どうしてなんでしょうね。
名前には、磁力とともに
呪力がありますし。
「もっと人は名前と自由につきあえる」のかもしれませんね、
というような話をしまして、
石井記者の取材力に感心した次第であります。

別れ際に「また会いましょう」という立ち話で、
石井記者はこんなエピソードを話してくれました。
「実は、ぼくが新入社員で県警番の記者だった時代に、
 30過ぎた男性が、
 自分の名前がずっと気に入らなかったと、
 父親を殺害した事件に会ったんです。
 そこまで人を駆り立てる名前って何だろうって、
 それから気になっているんです」

この取材は他の田中宏和さんたちへの取材も含めて原稿化され、
7月上旬に
東京中日スポーツ(関東地方で発行)
中日スポーツ(東海地方で発行)
西日本スポーツ(九州地方で発行)
掲載されるそうです。

これらの掲載紙をよくお読みだと思われる、
東海地方にお住まいの皆様、
中日ドラゴンズファン、ソフトバンクホークスファン、
F1ファン、FC東京ファンのみなさん、
田中宏和情報をお待ちしております。

2009-07-06-MON
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