感心力がビジネスを変える!
が、
感心して探求する感心なページ。

第12回 労働をゲームにするために。

前回までのあらすじ:
前回までのあらすじ ビデオが壊れて出会った
家電修理受付サイトの サイバーコンセント。
事業部長の鈴木さんが持ち出してきた、
労働をゲームにするものとは?

今回登場する人達
サイバー
コンセント
事業部部長
鈴木優


趣味が
犬との会話と
散歩という
事業部長。
タンデム
ワープ社
代表取締役社長
斧田正彦


サイバー
コンセントの
プランニングに
関わる。
タンデム
ワープ社
ウェブデザイナー
中村元


サイバー
コンセントの
ウェブデ
ザインに関わる。
感心力の男
田中宏和


今回は
写真の頭が
切れてしまった
感心力の男。

鈴木 あ、これこれ。
うちのグループでですねえ、
こういうバカな雑誌を毎月作ってるんですね。
田中 なんですか!?
「キラキラ」、うわぁ、「スターマガジン」って。
これ、社内報ですか?
鈴木 そう、全員うちのグループの社員です。
田中 あははは、これなんか、
もうすっかりアイドル気取りじゃないですか。
69 (笑)。
「今月のカバーガールズ」
って、
どないやねん。
一同

(2001年9月号表紙より)
田中 うわぁ、「第1回ミスターキラキラ」発見(笑)。
69 これ、成りきり過ぎですよ(笑)。

(2002年1月号表紙より)
69 出た。
「ヤマダは、俺たちがいつか倒す!!」
田中 ちょっと物騒な。いいのかなー、それ。
鈴木 こういうの平気で載せられる会社なんだよ。
田中 普通ちょっと広報的には、
「いかがなものか」みたいなことになりますよねえ。
しかし、この編集はよく出来てるなあ。
鈴木 こういうのがね、うちのトップは好きなんだよね。
田中 これは3Qグループの代表の方ですね。
NECを中途退社されて、起業されたっていう。
69 これは…(笑)。

あれっ?
(クリックすると大きな画像が見れます)
田中 「ほぼ月刊シバタ語録」、
アイタタタタ。
中村 見つかっちゃった。
鈴木 こっちが先だってうちの会社は言うよ。
一同
中村 平気で言う。
田中 得意の「良いものはまねる」の精神ですね(笑)。
また、「4コママンガコンテスト」
やっちゃって、もう(笑)。
69 しかも柴田代表杯ですよ。
「集え! 漫画家!!」。
鈴木 そんなもんに賞金30万とか出すんですよ。
斧田 「集え漫画家」って、そんなん知らないよ。
一同
田中 これはおもしろいなあ。
これ、社内報としての出来がすごくいいですね。
69 読みたくなる社内報ですよね。
田中 代表の趣味なんですよね。
ああ、これはいいなあ。
鈴木 毎年社内で誰を総理大臣にしたらいいかとか、
会社の人間でやるわけ。
飯森社長何通、イノさん何通とか(笑)。
ランキングって大好きなんですよ。
69 粗利ランキングもあるよっ!(笑)。
鈴木 発表会なんてね、
司会者呼んで上期セールキング発表って、
ホントショーみたいにやるわけですよ。音楽つけて。
田中 はあ。
ああ、でもこの流れで個人粗利ランキングを見るから、
嫌な感じしないですよね。
鈴木 こんなことやってる、世の中にはアホな会社があるよ。
69 あなたの愛車のメーカーランキングまであるっ!(笑)
一同
田中 まさにこれ、コーポレートブランディングですよ。
組織内部の価値観共有という話での、
すごくいい事例ですねえ。
鈴木 で、柴田代表は「ほぼ月刊シバタ語録」っていうのを
「ほぼ日」から取ったってのを全然知らない。
知るわけはないよね。
69 あ、「ほぼ日」は知らない。
鈴木 知らないと思う。
「あ、こりゃいいなあ」
なんて感じは言っとりますけど。
中村 ほんとのオリジナルだと思ってる。
鈴木 オリジナルだと思ってる、うちの会社の。
強いよ、だから。
オリジナルだと思ってるんだからさあ。
一同
鈴木 俺んとこのが先だろって。
田中 これ、すごい編集に
時間とコストをかけてらっしゃいますよねえ。
鈴木 かけてますよねえ。
で、これをね、全社員に送るんです。
田中 ふんふん。
鈴木 家庭に。
69 あ、家庭に。
鈴木 家庭に送るな、って(笑)。
69 あ、それは大事ですよねえ。家族が見て喜ぶ。
田中 おとうさん、こんな会社で働いてんだとか、
わかっちゃう。
鈴木 勝手に家庭に送ってくるんだよね。
田中 いやあ、すごい。
鈴木 全てがコテコテなんですよね。
田中 意図がはっきりしたコテコテですよねえ。
やっぱり楽しさが伝わってくるのはすごい。
毎号粗利ランキングはあるわけですね。
鈴木 商売のことはやっぱり大事。
田中 このランキングだけ一枚送られて来ても
全然嬉しくないすもんね(笑)。
ひとしきり社内報を見たあと、
ふとデスクに目をやると、
またどえらいものを発見しました。

田中 なんですか、これ?
オリジナルの「十訓」ですか?
鈴木 これを毎日朝礼で言わせるんですよ。
田中 この一番目の
「会社の代表者意識を持つべし」って。
あー、これはすごい。
鈴木 そう、全員経営者なんです。
何かしたとき、
「代表者意識を持ってんの?」とかね、
そうやって問うわけです。
田中 それ言われると、社員の方もきつい(笑)。
鈴木 そう。
田中 ええ、この朝礼マニュアルもまた、
やっぱり電話だからこそ、
こういうきちんとした進行を決めないと
混乱するんだっていうのがよくわかりますねえ。
鈴木 そう、みんな経営者。
田中

<ワンポイント考察>

「労働」って漢字、
いかにも重苦しいですよね。
それがこの会社では、
「楽しみとしての労働」になっていました。
娯楽付きのゲームに変ってたんです。
そこでは、社内コミュニケーションの力が、
大きな働きをしていました。
電話での朝礼であったり、
読みたくなる社内報であったり、
声や文字の渦が会社の中をまわってます。
そこに知恵と動機の交換があって、
愛社精神みたいなものを生んでるんだなぁと思いました。
「愛社精神」って、
今や「鬼畜米英」ぐらいに古い言葉に思えるんですけど、
実は「結果としての愛社精神」って、
とても大切なような気がしました。

そして、われわれ物好きは、
日をあらためて朝の電話朝礼を傍聴しに行ったのでした。

2003-03-11-TUE

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