感心力がビジネスを変える!
が、
感心して探求する感心なページ。

第11回 全員がスターになれる会社。

前回までのあらすじ:
ビデオが壊れて出会った家電修理受付サイトの
サイバーコンセント。
事業部長の鈴木さんから伺うひとつひとつの話題に
もう感心が止まりません。


今回登場する人達
サイバー
コンセント
事業部部長
鈴木優


趣味が
犬との会話と
散歩という
事業部長。
タンデム
ワープ社
代表取締役社長
斧田正彦


サイバー
コンセントの
プランニングに
関わる。
タンデム
ワープ社
ウェブデザイナー
中村元


サイバー
コンセントの
ウェブデ
ザインに関わる。
感心力の男
田中宏和


今回は
写真の頭が
切れてしまった
感心力の男。



鈴木 スターを作りたいっていう会社なんですよ。
スターを作る。

サービスなんてステージがないじゃないですか。
でもみんなステージに上がれるように、
ステージを用意すると。
みんなスターになってくれよということですよね。
田中 はい。
その個性と組織のバランスっていうのが
すごくいいですよねえ。
ほんとにやる気があって動機の高い人には
ステージを用意して、
スターになるチャンスがあるっていう。
鈴木 そうそう。
で、毎回キャンペーンやるんですね。
毎月キャンペーンやりっぱなし。
キャンペーンの中で
いろいろスターが出てくるわけですよ。
あ、これはもの売るのがうまいヤツ。
今はブロードバンドの「Yahoo!BB」とか
売ってるわけですけど、
取れる人間と取れない人間、そこでスターが出てくる。
田中 はいはい。
鈴木 例えばエアコンクリーニングなんていうと、
誰がお客さんに
説明うまくしていっぱい取れるかっていう
キャンペーンやるわけですよ。
それも、毎回、毎回スターが出てくる。
69 スターがやった方法を
スターじゃない人が真似すれば底上げすると。
鈴木 そう。
ブロードバンドは一人何件セールスするとか
決めるわけですよ。
みんな取れないんですよね。
で、取れるやつの事例を毎日紹介して、
この人はこういうふうにやって取れたんだから、
君も取れないわけないよっていうことを
毎日、ひたすら飽きずに電話会議するんです。
田中 メールでやるわけでもなければ、
電話なわけですね。
鈴木 メールはデータだけ。
毎日ね、何件取れたっていうデータは
僕のところに送って、
僕はそれを見ながらみんなにどうなんだよっていう。
こんなケースで取れたっていうことを。
田中 おもしろいですねえ。
鈴木 それが、数字がほんとに上がるんですね。
今やっている「Yahoo!BB」のキャンペーンでは
最初1カ月で240〜250件。
僕はそれでもけっこう取ったな、
みんながんばったなと思ったわけですよ。
田中 はい。
鈴木 翌月は250件くらいで、
1月になったら500何十件になるわけですよ。
繰り返していってね。
田中 ふーん。
鈴木 倍になっちゃっうわけ。
おもしろいですよね。
「全然できない、できない、できない」
って人が、
できるようになっていく。
田中 できなかった人もいい真似ができるわけですよね。
鈴木 そうそう。真似してくれよっていう。
案外商売のコツかもしれないですよね。
田中
69 懇切丁寧に教えなくても、とりあえず真似する。
鈴木 そう。知識とかあんまりいらないんですよね。
知識持ってると売れなかったりするんですよね、
こういう商売だとね。

知識なんかより、もっと人あたりがいいとか、
決めごとをうまく言える、
この言葉を引き出せばいいんだよとかいう部分です。

一応、営業店舗ですから、
稼がないといけないもんで、
そういうことは
どうしても必要になってくるんですよね。
技術やってる人間とフロントで営業やってる人間が。
田中 ええ。
鈴木 お客が来てる店頭を見てるとおもしろいもんですよ。
修理っていう販売をするわけです。
その修理の販売に付属して、
今ブロードバンドをお勧めしたり、
期間によっては違うものをお勧めしたりやるわけです。
田中 はいはい。
鈴木 そんなもの売れないっていうものが、
みんな売れてくるようになる。
田中 はあー。
鈴木 しゃべれないとかいっぱいいますけどね。
田中 営業のスタッフの人は大体各店舗に一人とか。
鈴木 2人はいる。2人とか3人。
営業の人間は
大体量販で店長をやってた人間だとか、
他の業種でサービス業やってたとかいう人たち。
田中 ああ、営業の経験者なんですね。
鈴木 それとその修理の人たちが
組み合わせてやっていくという感じ。
最初に修理スタッフを集めるんじゃなくて、
最初にフロントの人間を集めて店を作っていく、
あとはそれから探していくっていうやり方ですね。
田中 はあー。
69 普通、逆で始まりますよね。
修理の人たちを集めてって考えがちですよね。
鈴木 それだと先に進まないんですよね。
やっぱりお客さんが来るのかと、
不安が先になったりする。
「できるからやるぞ」みたいな感じではなく、
「決めたらやるぞ」じゃないとダメなんです。
田中 はいはい。
鈴木 最初に決めちゃう。
田中
鈴木 日数だってそうです。
「2日とか3日で修理できっこないじゃん!」
っていう話を
それで押し通しちゃってやらせる。
おかげでスピードが上がるから、
お客も喜ぶし、在庫も少ないし。
修理スタッフも随時、先に行ける。
田中 ええ、ええ。
先に決めちゃうっていうか
目標設定されちゃうっていうのが大変だ。
鈴木 大変ですよね。
今のブロードバンドなんか、
250件とか240件とか決めちゃうわけだから、
すっごい先の話だと思うけど、
それをなんとなくやらせちゃう。
田中 やっぱり楽しみとしてする気持ちにならないと
なかなか続かないですよね。
鈴木 そうなんです。
田中 だけどさっきもおっしゃったように
案外辞めないという話をされてるんで。
鈴木 ゲーム性を持ってやってくれって言ってるんで。
田中 ゲーム性、うーん、すごい。
鈴木 まあ、そんな感じでやってます。
面白いものを見せましょうか。

<ワンポイント考察>

たとえ社内だけのスターであっても、
「全員をスターにする会社」って、
気が効いた表現ですよね。
会社のじめっとした空気を
除湿するみたいな効果があります。
「全員出る杭になる会社」だから、
「あの人を真似よう」とは思っても、
ねたみひがみは出にくいですよね。
そして、一人ひとりのスキルが上がるわけですから、
組織として強くなっていく。
財務部が株で資産運用するより、
この人材資産の運用のほうが、
会社の価値は上がりそうです。
ようできてますねぇ。

田中宏和さんへの激励や感想などは、
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2003-03-10-MON

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