感心力がビジネスを変える!
が、
感心して探求する感心なページ。

第6回 人材循環型社会の会社。

前回までのあらすじ:
壊れたビデオが縁となり
家電修理受付サイトの
サイバーコンセント事業部長の鈴木さんに
感心連続のインタビュー中です。

今回登場する人達
サイバー
コンセント
事業部部長
鈴木優


趣味が
犬との会話と
散歩という
事業部長。
タンデム
ワープ社
代表取締役社長
斧田正彦


サイバー
コンセントの
プランニングに
関わる。
タンデム
ワープ社
ウェブデザイナー
中村元


サイバー
コンセントの
ウェブデ
ザインに関わる。
感心力の男
田中宏和


今回は
写真の頭が
切れてしまった
感心力の男。



田中 修理エンジニアの方々って
よそで元々修理をされていた方が、
こちらに入って来られたんですか?
鈴木 そうですね。
ここで人を育てるっていうのはできないんで、
メーカーだったり量販のサービス部門に
いた方がほとんどですね。
田中 それはやっぱり人づてに聞いて
こちらに入社したっていう方が多いんですか?
鈴木 多いですね。
修理エンジニアはミスターコンセントのサイトの方で
そういう募集をかけてるんですね。
今ねこんな世の中ですから
リストラされてっていうような人が
応募されたりとかね。
田中 人材活用っていう点でもね、
実はすごくおもしろいなって思ったんですよね。
物と一緒に例えちゃ悪いんですが、
REUSE(リユース)っていうか、
すごくいい力を持ってらっしゃる方が
ここへ来てまた元気になって。
鈴木 そうそうそうそう。
田中 リストラされた人が、
いきいき働ける場になってるっていうのが
おもしろいと思ったんですね。
鈴木 そうなんですよ。
修理は、年とってもできるんで、
割かし年齢層高かったりするんです。
「60才でも大丈夫ですか?」
なんていう人にも
「全然問題ないんで
 すぐ面接に来てくださいよ」っていう。
40才越えてますけどっていうのは
全然関係ない話なんで、こっちは。
田中 ええ、ええ。
鈴木 そういう面接してくれるところも
今は少ないですからね。
メーカー、サービス業なんか面接をしないわけですよ。
30才越えたらほとんど採用しないですから。
そういうところで
採用されなかった人が来るっていうのは多いですね。
田中 うーん。
元々そういう力を持って知識を持ってた人が、
なかなか働ける場がないってところに、
この事業がすごくマッチされてるんだなあと
思ってですね。
で、さっきのREUSE(リユース)であるとか、
循環型とか言われている社会の中で、
まさにこれから人間もそうだなあと。
これからの社会のちょっと先を行ってるというか、
これからの社会にふさわしいようなビジョンで
事業をやってらっしゃるなあって
思ったんですけどね。


ところで、ちょっとサイトにも書かれている
鈴木さんの趣味である「ビートニック」の話を
お聞きしようと思うんですけど、
それは今のお仕事をされてる中で
自分のビートニック好きっていうのは
出て来てますか?
鈴木 これはね、非常に出しにくいんですよ。
一同
鈴木 ビートは人生だと僕は思うわけですよ。
田中 ビートは人生!
鈴木 だから、今は人生という旅の途中だと。
だから旅してる気分で仕事をしようと。
結構ハードだったりいろいろしますけど、
そういうのも人生の中にあるだろうと。
田中 転職を割とよくされてるんですか?
鈴木 割としてる。割とっていうか(苦笑)。
斧田 普通よりしてるでしょ。
鈴木 普通よりしてますかね。
斧田 うん。
田中 すぐしちゃうっていうか、片手以上くらいに?
鈴木 片手以上っていうかね、
大学卒業して入った会社でしょ、
そこで独立して、4年間独立しちゃったから。
田中 もともと電気系の?
鈴木 いやいや、全然。
あの、デザインとかそういうのを
マネジメントするのが好きみたいな感じで、
僕はその最初テキスタイル、
服地のデザインの会社に入って
1年で辞めて独立して、
デザインスタジオを自分でやって。
で、4年間でやってニューヨークに行ったの。
そん時はちょっと生地屋の仕事とか情報の仕事を
ちょっと持って行って、
帰って来てここと知り合ってっていう感じですよね。
田中 ああ。
じゃあ、最初は復職された時は
まさか家電修理とは思わなかった!?
鈴木 ええ、全然思わないですよね。
そういうのはビートなんでしょうね。
一同
中村 全部その一言で済ます!
鈴木 アンディ・ウォーホールじゃないけど。
田中 鈴木さんにとって「ビート」っていうのを
もう少しお伺いしたいなと思うんですけど、
何ですかね。
鈴木 生き方。
田中 それ、ロックではないんですよね?
鈴木 ここ難しいところですよね。
感覚的にはビートとロックって
かなり近いものがあるけど、
やっぱりロックはビートがなかったら生まれなかった。
ジャズ絡みだけど、
ロックもヒッピーもヤッピーも
今のコンピューター文化もマッキントッシュも、
たどって行くと
(注)ジャック・ケルアックに行くんだなと。
ブルージーンズもね。

ジャック・ケルアック
Jack Kerouac (1922-1969)
マサチューセッツ州生まれ。
コロンビア大学に入るが、戦争が始まるとともに海軍に志願。
大戦後の放浪体験をもとに書き上げた「路上」によって
ビート・ジェネレーションの代表的作家として
世界的に知れ渡る。1969年孤独のうちにフロリダで死去。
鈴木 ジーンズも何もかも、
全部もとにジャック・ケルアックが
僕の中にはいるんですよ。
田中 ああ。ジャック・ケルアックは、
どういうところですか?
鈴木 え? いいんじゃないですかね。
飲んだくれで、
あんまり先考えないで放浪しながら、
40くらいでも警備員やるとかね。
今じゃ全然通用しない生き方ですけど。
田中 アナーキーではないんですよね。
鈴木 アナーキー…。これまた近い。
一同
鈴木 今はそんな言葉があるのかどうか知らないけど、
ずっと学生の頃は意識はしちゃいますよね。
我々の頃は、「アナーキー」って言葉は大事だった。
ヒッピーとかあの辺の絡みの時は
やっぱり大事な言葉ですもんね。
あなた、よくそんな言葉使いますね。
「アナーキー」なんて言葉を。

<ワンポイント考察>

「修理する文化」のビジョンが、
会社の人材活用の考えにも
重なりあっているところに感心しましたよ。

モノも人も古いなりの活き方があるはずで、
50、60代なら「お若いですね」と言われる
これからのお年寄り社会には、
とても大切な考えだと思います。

「人材循環型社会」と言えるかと思いますが、
一生で何度も新入社員になる時代

もう来ているんでしょうねえ。

「ビートは人生」、名言が出ました。
そして、「アナーキー」という言葉、
たしかに聞かなくなりましたね。
いっそみなさん、職場で、
「今年はアナーキーを目標に
 努力するつもりです」
なんて言うのは、
どうでしょうか。
上司は困るでしょうねえ。

載せなかったバロウズとブライアン・イーノの話題も
楽しかったのですよ。

2003-03-03-MON

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