Drama
バンドマンという幸福な商売
沼澤尚さんと、とてもホンネな話。

Photo:Toshihiko Imai
(Rhythm&Drums magazine)

ほぼにちわ。
さて、最初に大事なお知らせです。
限定1000枚でご用意した
J&B 「THE TIME 4 REAL」。
おそらく、本日中(3月26日)に
完売してしまう勢いです。

3月26日までにご購入されると
4月1日にCDを発送いたしますので
いち早く、「沼澤の皮」付きでお届けします。
どうぞ、ご購入くださる方は、お早めに。
(※26日14時に完売いたしました。)

昨日、こんなメールが沼澤さんより届きました。

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subject: 「皮」
サイン済みですけどどうしましょうか?
明日からまた地方に行っちゃうので、
今日渡せた方がいいですよね?
沼澤 尚


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おおっ!どうやら沼澤さん
「沼澤の皮」用、1000枚のサイン終了!
早速、沼澤さんの昨日のライブ先である
吉祥寺スターパインズカフェに「皮」を
受け取りに行ってきました。
開演前にライブハウスについて
中に入ってみると
どうやら、リハーサル中のようです。


Romanticaのリハーサル風景

リハーサル中ですから
気軽に声をかけるわけにもいかず、
2階席でリハーサルを観ていると、



おっ!どうやらこちらの存在に気づいたようです。
「沼澤さ〜ん!『皮』受け取りにきたよ〜!」
と、リハーサル中ですから、
心の中で叫びました。
リハーサル終了後、
「書いたよ〜!サイン」と沼澤さんが
びっちりとサインの書かれた皮をかかえて
やってきました。



「メール読んでるよ!
 それにしても凄いメールの量だよね。
 全部、読んでるよ。
 あまりにもメールが多いもんだから
 『ほぼ日』メールフォルダを作って
 そこに大事に保管してるんだよ。
 いろんな読者のメールが読めて
 うれしいねえ!」


と、沼澤さんもおっしゃってましたよ。

それでは本日の対談では
奥田民生さんに続いて
「あの人」の話題が出てきます。
ぃよろしくぅ!

第6回
一流は、まわりを信用していない
糸井 ジャズバンドやってるときって、
リスナーだけじゃなく
演奏している自分も楽しませるようなことが
いっぱいあるジャンルだから、
絵として、すっごい大きい絵が
描けるんだよね。
沼澤 ブルーノートのときですか?
糸井 うん!あれ、大きい絵が描けてたよね。
沼澤 いちばん大きな理由は、
ステージで演奏している
人たちの間に繋がりがあるでしょうね。
ああいう時って、あの中に一人でも
「あいつ大丈夫かな?」
っていうことがあったりすると、
あんなライブにはならないんですよ。
糸井 皆さん、すっごいテクニックを
お持ちの人たちでしょ?
沼澤 みんな、クレジットもすごいですから。
プリンスとずーっとやってた
サックス・プレーヤーもいますし。
あのバンドは僕にとって
一番古いバンドですけど、
1年に1回会うぐらいで、
頻繁にライブはやらないんです。
もう、15、6年ぐらいの仲間ですね。
お互い、なかなか会えないんで、
演奏するときには、
「やっと一緒に演奏できたじゃん」
っていう気持ちが、あるんですよね。
糸井 あ、そうですか。
沼澤 やっぱり、音楽のジャンルが原因ではなくて
そのときのメンツに左右されるんです。
だから、同じメンバーだったら
違うジャンルの音楽をやったとしても
たぶん、同じような演奏ができるんですよね。
糸井 あ〜、最高ですね。

沼澤 そういう、バイブレーションみたいなものは、
音楽のジャンルと別に
あるのかもしれないですね。
糸井 じゃあ、あのライブを見た人って
お得ですよね。
沼澤 そうですね。

糸井 あれを観て、ぼくは
「沼澤さんはこういうのを
 見せたかったのかっ!」
感じがなんかあったなぁ。
「僕、こういう、こういうものなんですよ」
っていう名刺代わりのような。
沼澤 僕が日本に来始めたときって、
ああいう感じだったんですよ。
そのイメージが強かったせいか、
例えば、僕が、山崎まさよしと
やっているのを見て、
「なんで、山崎まさよしなんかと
 やるんですか?」
とか、いう人もいるわけなんですよ。
糸井 山崎まさよしでも?
はあはあはあ。
沼澤 ぼくも誰と一緒にやるべきかとか、
似たようなことを思った時期があったけど、
ちょっと待てよって。
お金を払って見に来るお客さんなんで、
それはありがたいと思っているけど、
あそこでやってる、ああいうぼくもいるけど、
山崎とやってるのも、同じ僕だよ、
って言いたいんです。
糸井 それは、大事なことですよね。
沼澤 いちいち聞いてたら、
キリが無いのかもしれないんですけど。
その事については
すごく考えることが多いです。
糸井 全部の意見を聞こうとすると
お客に潰されるんですよね。
沼澤 ぼくらが演奏するときには
自分がやってる音を返すモニターがあります。
そのモニターを頼りに
僕らは演奏しているんです。
ステージ側と外側っていうのは、
完全に音が別になっていて。
お客さん側には、
ぼくらがモニターから聞いているのとは
全く別の音が流れているんです。
つまり、演奏する側のぼくらが演奏しやすい音と
お客さんに聞かせたい音っていうのは
違うんです。
そういうことを一番意識しなきゃいけないのは
実は看板に当たる人なんですよ。
一番、お客さんに近い所で演奏しているから
一番、聞えてるんですよね。外の音に。
モニターで聞いている音と
外で聞こえる音の関連性に、
トラブルがあったり迷ったときに、
ものすっごい慌てたりする人もいるんですけど
それを信用してないのが
民生君とか矢沢永吉さん。
糸井 そうだ。
沼澤 もう、信用してない。
音が悪かろうが何しようが、
とにかく届けるものは届ける。
その事を民生君が
矢沢永吉さんを観て言ってた。
「ROCK JAPANESE」という
矢沢さんのトリビュートライブでの
話らしいんですけど
民生君が、そのときの話をしてくれて。
その時、「これだっ!」って
思ったらしいんですよ。
自分が思ってたことを、
この人はやってのけてる!って思った。
糸井 長年の経験でね。
沼澤 「ブワッ!」って歌いだした瞬間に、
自分が思ってたことを、
「ドバッ」てやってるって。
「すごいっ! もう敵わないっ!」
って思ったらしいんですよ。
糸井 ぼくも観てたんですけど、
それまでに出てたバンドをブッ飛ばしましたよ。
沼澤 それも民生君が言ってた。
あの人が歌い始めた瞬間に、
「この人はやっぱり信用してないんだ」
って思ったって。
「自分だけを頼りに、客に届けるんだ」
っていう。
糸井 それこそ、本当の看板ってやつだよね。
沼澤 よくあるのは、そこの音が悪いっていって、
文句言い出す人とかもいるんだけど
でも、そういうことを言ったりするのは
お客さんの前ではタブーなんです。
糸井 はぁーっ!あのコンサート、
「矢沢永吉」が、いちばん面白かったです。
今までいっぱい出てたバンドが、
一気にさらわれてくっていう。
一人でお客さんのフリして出て来て、
一気にお客さんをさらっていったんですよ。
ちょうど、彼もウエイトトレーニングしてる最中で、
デッかくてムキムキの状態なんですよ。
あれ見て、
「あ、身体、鍛えるべきだな」って思ったし、
「あれがないと、押せないな」とも思った。
沼澤 ふーん。
糸井 あのシーン見るために見るコンサートですね。
沼澤 矢沢さんがリハーサルをやるとき、
ステージに出て来た瞬間から、
すごかったって言ってた。
マイクを持って出た瞬間に、
鎖を解き放たれたように飛び出してきて、
それでもう、みんなブッ飛んだって。
でも、それってリハーサルなんですよ。
糸井 それは、想像できる(笑)。
そうなのよ。いい意味で
トゥーマッチなのよ(笑)。
たぶんその時、
デカい声で歌ってるハズですよね。
「矢沢永吉」は特別ですよ。
沼澤 宇宙人ですよね。
糸井 外人にもああいうタイプはいるんだろうけど、
やっぱ、特別ですねー。

(つづきます!)

2003-03-26-WED

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