1周年と東京凱旋を記念して 『ZED』&『コルテオ』 広報対談。
2 公演中、なにか変化したことはありましたか?
── シルク・ドゥ・ソレイユのショーは
日々、進化し続けるといいますが、
最近の『コルテオ』や『ZED』に、
なにか変化があれば教えてください。
浅野 たしかにシルク・ドゥ・ソレイユのショーは
永遠のワークショップと呼ばれるように、
ずっと進化し続けるんです。
ただ、『コルテオ』は
2005年にはじまったショーですし、
すでに世界中を回ってますから、
演目の大きな変化というのは
あんまりないんですよね。
── ああ、そうですよね。
すでに、完成度が高いというか。
浅野 そうなんです。
最近の変化という意味でいうと‥‥、
あ、そうだ、今度の二度目の東京公演では、
主人公のドリーマー・クラウン(マウロ)を演じる
アーティストが交代しました。
中村 えーー!
── 大変化じゃないですか(笑)。
浅野 ショー自体の進化という意味とは
ちょっと違いますけどね(笑)。
ただ、まったくはじめての
アーティストではなくて、
北米ツアーのときに出演していた
アーティストです。
ですから、完成度としては
まったく不安はありませんけど、
やっぱりちょっと雰囲気が違うと思いますので
以前、観られた方は、その変化を
楽しめるんじゃないかと思います。
中村 とくにクラウンは
人が代わるとかなり雰囲気が変わりますよね。
なんというか、やっぱり「芸」なので。
浅野 そうですね。
アクロバティックなアクトの
メンバーが交代するのとは
かなり違います。
中村 そう思います。
じつは、『ZED』のクラウンも
最近、交代したんですよ。
やっぱり、かなり雰囲気が変わりました。
── ちなみに、どういう理由で
交代したんですか? ケガ?
浅野 ではなくて、
純粋に、人事異動的な。
中村 そうですね。
契約が終了して、
新しい人が入ってきたという感じで。
── へーー。
そのあたりは会社っぽいというか、
シルク・ドゥ・ソレイユという
組織の大きさを感じますね。
中村 そうですね(笑)。
あと、『ZED』の変化でいうと、
やっぱりはじまったばかりの
ショーということもあって
演出面などがけっこう変わりました。
わかりやすいところでいうと、
休憩に入る場面の演出。
クラウンの演目のあとで休憩になるんですが、
そこのタイミングがわかりづらいっていう
指摘があったんですね。
で、いろいろ調整したんですが、
現状では、ものすごくベタに、
クラウンが「休憩」という垂れ幕を
観客のみなさまに見せるというかたちに。
浅野 (笑)
── ベタですねー(笑)。
中村 はい(笑)。
あとはやっぱり公演を重ねているので、
ひとつひとつの動きがやっぱり
シャープになりますし、
1年前と比べると、完成度が
ずいぶん高くなっていると思います。
(つづきます)
広報は撮った!  『ZED』と『コルテオ』の舞台裏
『コルテオ』広報・浅野さんが撮った1枚
タイトル「ヘザーは『コルテオ』の太陽」
『コルテオ』の総責任者、ヘザー・ライリーの写真です。
『コルテオ』というのは、初日を迎えるまでに
3年間という歳月をかけたショーなんですけど、
彼女は、その最初のクリエイティブのところから
ずーっと全体を統括してきたマネージャーなんです。
ほんとうに明るい人で、みんなのお母さんのような存在。
実際、「ビッグ・ママ」と呼ばれていたりもして、
『コルテオ』はヘザーがいるおかげで、
いろんなことがうまく進んでいるんです。
私たち、日本のスタッフも彼女が大好きなんですけど、
最近、12月にモントリオールの本社に帰ることが決まって
ちょっと泣きそうなんです(笑)。
『ZED』広報・中村さんが撮った1枚
タイトル「はじまりのバス」
これは、偶然、私が、スタッフブログに
載せるために撮っていた写真です。
見ておわかりかと思いますが、バスの中です。
じつは、『ZED』に出演するアーティストたちが
モントリオールから成田空港に着いた日の写真なんです。
つまり、彼らにとって、まさにこの日から、
日本での公演の日々がはじまったともいえる。
長いフライトのあとですから、日本人であれば、
寝ちゃう人が多いと思うんですが(笑)、
彼らはご覧のように元気いっぱい。
後ろのほうの人たちはわざわざ立ち上がって
写真に収まろうとしてくださっていて、
朗らかでいい人たちだなーと感じました。

2009-11-17-TUE