佐伯チズさんにはできるけど、 わたしにはできないという理由?
第10回 自分を大事にする道を。
糸井 チズさんにとって「休むこと」は
どういうことなんでしょう。
佐伯 もう、いまは
休んでしまうと
寝たきりになるような気がします。
はたらいていたほうが楽です。
糸井 亡くなったご主人が
もしいらっしゃったら、
そんなチズさんを見て、とめたでしょうね。
佐伯 そうでしょうね。
主人は家にいることを喜ぶ人だったので、
休みなさい、休みなさいと
言ってたんじゃないでしょうか。
ですから、主人がいたら、
わたしは現在この仕事を
やってなかったと思います。
糸井 おもしろいなぁ。
男らしい一生になっちゃいましたね。
佐伯 でも、お客さまのほうを向いていて、
わたしはいいものを
たくさんいただいていると思っています。

お客さまをきれいにさせていただいたとき、
その方が鏡にむかって、
「わー、佐伯さん、
 わたし、昔こんな顔してた!」
と、涙を流されたことがありました。
そういうとき、ほんとうに
この仕事しててよかったと思うんですよ。
みんなできれいになりましょう、って
伝えていきたいです。
糸井 まずはやっぱり、
粗末にしすぎですよ、
ということですね。
佐伯 大事にしてほしい。
自分の顔は自分の顔として、
大事にかわいく思っていけば、
ほんとにいいところが見えてきて、
それを長所にすることが
いくらでもできます。
糸井 自分を大事にする道に乗っかるには、
なかなかチャンスがないのかもしれません。
佐伯 そうなんですよね。
恋人のことを大好きと思えるくらいに、
自分の肌も大好きと
思ってくれればいいんです。
糸井 チズさんはやっぱり
ご主人に愛されたのが
すごく大事なことだったと思います。
だからご自分を大事にできたんでしょう。
佐伯 はい。
どこに行くときにも、連れてってくれましたし。
糸井 もしかしていまも、
このへんに、います?
佐伯 実は、美輪明宏さんが
そう言ってくださったんですよ。
わたしは占いはあんまり興味がないんですが
そのときはやっぱり
いてくれるんだ、って思いました。
糸井 ひとりで迷惑かけないようにとか、
ひとりでがんばるとか、自由でいるとか、
そうおっしゃるわりには、
ちっともひとりの感じがしないんですよ。
佐伯 (笑)
糸井 それはやっぱり、自分が心をゆだねてる
場所がおありだからなんでしょうね。
さっきまでは「お客さまがいたからだ」
と思っていましたが、
きっとそれだけじゃないですよね。
佐伯 実は、家にいても、
ひとりでしゃべってます。
一同 (笑)
佐伯 主人にしゃべってみたり、
テレビの中の人にしゃべってみたり。
糸井 それは、コツとしては「あり」ですね。
つまり、ペットがいるだけで
しゃべりかけたりすることができるのと
同じように、
自分から生むものが
ひとつ増えるということですから。
佐伯 そうなんです。
だから、お花が咲いているのを見つけたら、
ありがとう、
かわいく咲いてくれてありがとうって
言ってます。
糸井 また劇団ひとり(笑)。
佐伯 いつも劇団ひとりですよ(笑)。
糸井 じゃあ‥‥そろそろ
時間ですもんね、
終わりにしましょうか。
一同 (拍手)
糸井 何をそんなに、拍手するの!
佐伯 はははは。
糸井 いやぁ、
ほんとにおもしろかった、
ありがとうございました。

チズさんに訊いてみました。その10
── チズさんのDVDを見て、
クリームクレンジングに変えたんですが。
佐伯 クレンジングオイルが
お肌から抜け切るのは、
使った倍の時間がかかります。
3年使ってた人は
だいたい6年。
── わたしは10年ぐらい、
オイルクレンジングでした。
佐伯 それは単純にいうと、
20年ぐらいかかることになってしまいます。
界面活性剤が含まれている
オイルクレンジングは、
ピーリングをやった肌と
ほぼ同じような現象が起きるんです。

オイルクレンジングをずっと使ってきた人は、
汗腺がつぶれているので、
汗が出なくなり、
脂しか出なくなってくるんですよ。
だから、ほっぺが赤くほてったり、
Tゾーンがザラザラしてきたり、
ブツブツができたりしやすいのです。
朝にお化粧をしても、駅まで行ったら
Tゾーンが光ってきますでしょ?
それが界面活性剤の含まれている
オイルクレンジングを
使った人の肌の特徴ですよね。
クリームタイプに切り替えて、
洗顔料は使わない。
そして、ローションパックを欠かさずやることで、
お肌はよみがえってきます。
きれいになるって、すごいことなんですよ。
きっと、みなさんが思ってるより、
すごいこと。
── あきらめは毒、で
がんばりたいと思います。
ありがとうございました。

(おしまい)
  これで、佐伯チズさんと糸井重里の対談は
おしまいです。
ご愛読、ありがとうございました。
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お送りください。

2009-06-11-THU



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