BUCHO
チャリで探る地球
「麻布十番の21世紀」

  • 今日の海洋

 <魚可津さんに聞いた、今日のおすすめの魚>

ハナダイ  1匹(大きめ2人分位)¥2000/外房産

美味しく食べるには、塩焼き、
蒸しもの、なべなどがよいでしょう。
秋はハナ鯛がいい季節ですよ。

さてさて、突然ですが魚市場まで
取材にいってまいりました。
朝の魚市場の様子をご報告します。

●魚市場に出発です。
うおかつ号
魚可津さんに今日のおすすめの魚を取材するように
なってから早いもので4ヶ月。
その間に魚可津さんとも随分仲良くなりました。
そしてその取材をはじめたばかりの頃、
たしか魚市場に連れていってもらう約束をしたんですよね。
それがとうとう、みなさんに
予告もなしに実現してしまいました!!
朝6:15に魚可津さんの社長さん、酒巻さんと麻布十番
「魚可津」前に集合、秋刀魚の取材をする
ダイニング部長と共に
荷台に沢山荷物の
載せられる魚可津号に乗せてもらって
初の『築地魚市場見学』に
しゅっぱーつ!

●私たちの集合場所チャヤ7番。
まず私たちが到着したのはトラックが沢山並んでいる
「チャヤ」の7番、
ここは魚可津さん専用の駐車場みたいな場所。
魚可津さんが市場の問屋さんで
買ったお魚は、問屋さんによってすべてここに
届けられるようになっています。
(ここで活躍するのが、
リヤカーやカーレットといわれる
カートのような乗り物、それで配達をします。)
届いたお魚は、ちゃんと番をして
荷台に積み込んでくれる人が
いるので、魚可津さんは安心して
美味しいお魚探しだけを
していられるというすばらしい
システムになっているのです。

なので魚可津さんと私たちは仕入れが終わるまで
しばしお別れ。
チャヤの7番で待ち合わせをして
自由行動となったのですが
とにかく右も左も分からない私たち、
どうしたものかと
思っているうちに魚可津さんは
「車にひかれないように気を付けてね。」
との言葉を残し
行ってしまいました。
取り残されて呆然とする私たち、
しょうがなく歩きだしたは
いいけれど・・・。

●朝の魚市場。
魚市場の喧噪
そうですねぇ、朝の魚市場を一言にいうと
「かなり柄の悪い場所」、
まあよくいえば活気があるってことなんでしょうか。
とにかくおじさんの怒鳴りあってる声ばかりが
聞こえてきて、魚市場初体験の私たちにとっては、
きてはいけない場所にきてしまった気分。
とくに私たちが到着した6:30は
誰もが大忙しな時間だったので、
ちょっとでももたもた歩いていると
「あぶねぇよ〜!!」、
「ちょっとそこ、どいて〜!!」
という大きな声ががんがん聞こえてくるわけです。

魚の入った発砲スチロールが
あちこちに積み上げられていてそれじゃなくても
歩きにくい細い通路に、歩く人やリヤカーを
引く人、カーレットが行き交っていて、
人のことなんて誰も
考えていない様子。
それに魚市場には右側通行、
左側通行みたいな交通ルールは
存在しないんですねー。
それぞれがひたすら
危ない目に遭わないように気をつける
しかないのです。
だから「車にひかれないようにね。」といわれても
それははっきりいって非常にむずかしい!

●カートで市場一周見学ツアー
リフト
私たちは10歩も歩いていないうちから
邪魔にされて通路の端によけていると、
勢いよく通り過ぎていったカートの
おじさんが大きな声で叫ぶ声、
「あ、また怒られた」と思ったら
それが意外にも「乗れば!!」と。
即座に私たちは荷台に乗ると、
なんとそのおじさんは私たちを「魚市場一周見学ツアー」に
連れ出してくれたのです。
おじさんいわく、東京ドームの
5倍もあるという広い市場の中を
小回りのきくカートで20分くらいぐるぐると、
船着き場や、競りをする場所、大きなマグロが沢山並んでいる
ところなどひと通り周ってくれました。
競りをする場所へはこのカーレットといわれる乗り物なら
入っていくこともできるそうで、ただ見学にきただけの
私たちも競りの様子を見せてもらうことができました。
そして最後に市場の中の美味しい定食屋さんを紹介して
もらいお別れしました。

●歩いて見学、魚市場
マグロがゴロゴロ
ところで歩いて取材も大事です。
しばらくすると魚市場は
少しずつ穏やかさを取り戻し、
私たちにも歩けるくらいになりました。
歩いて取材してまず驚いたのは、
でっかいマグロ。
人の2倍くらいあるおっきなマグロがあちこちに
ただ転がされているのです。
きっと大切にされてないわけじゃないんでしょうが
めちゃめちゃ大きいから置く場所ないんでしょうね。
それにしてもこんな大きな
魚を目の前でみたことは

なかったのでその大きさには圧倒されました。
また、その大きなマグロを切ったりする
シーンもよくみかけるんですが、
冷凍されてカチカチになったマグロは
材木のように電ノコで切られるんですよねー。
そうじゃない場合もとにかく
大きくてなんでも切れそうなノコギリで
切っていくわけです。
海の中だったら人間よりマグロのほうが絶対強いに
きまってるのに、陸ではあっけないですね。

●新鮮なお魚
市場のお魚といったらもちろん新鮮。
その証拠に市場のお魚はみんな箱の中でぴくぴく動いて
いるんですよ、ほぼ全てのお魚が動いてるんです。
だからそのお魚たちにタン!タン!と勢いよく
包丁を叩き付けている血抜きの様子、
それはどこでも見られる光景です。
でも、頭だけになった金目のエラがまだぴくぴく

動いていたり、
頭はへなっとしているのに尾っぽだけがぱたぱた
しているお魚たちを見るとやっぱりなんだか痛ましいですよね。
市場のおじさんたちからすると
生きてる魚に包丁を入れていくのは普通のことで、
むしろ生きてるほうが新鮮で
いいくらいなんだとは思うのですが。
なので貝なんかを見ていると、ただ生きているだけなので
みょーに安心するのです。
逆に大きなサザエとかアワビを見ているとうっとりして、
幸せな気持ちになったりもしました。

●定食屋さんへ行きましょう。
ひと回りすると私たちは忘れちゃいけない、
定食屋さんへ向いました。
魚市場の中の定食屋さん、
これが楽しみだったんですよねー。
市場で朝ごはん、なんて贅沢!
お魚定食なんかはどれも1000円以下で食べられて
思った通りのおいしさ。
外は相変わらず騒がしいのに定食屋さんの中は静かで
みんなのんびりしている感じがほっとひと息つけて
よかったです。
ダイニング部長と共に早起きした甲斐がありましたぁ。

●おいしいお魚とは。
そして集合時間の8:00すぎ、
魚可津さんとチャヤ7番で
再会。魚可津号には本日
酒巻さんの仕入れたお魚の箱が
沢山積み上げられています。
でも市場にはこんなに貝も魚も沢山あるのに
この中からどうやって
おいしいお魚を選ぶんでしょう。
魚可津さんいわく、
「やっぱりお魚はつや、大きさ、値段
なんかが大事だね。」ということ。
「いいものでもあんまり高くしちゃうと売れないし、
需要と供給のバランスを考えるのも大事かな。」
いいお魚を選ぶのはいままで
色々失敗もあったそうです。
失敗をへて、
お魚選びの鋭い目が培われたということですね。

●最後に。
というわけで、
ダイニング部長と行った初めての魚市場。
大変貴重な経験を沢山させて頂きました。
連れていっていただいた、「魚可津」酒巻さん、
本当にどうもありがとうございました。



町の魚屋 『魚可津』 電話03-3401-8272
営業時間 8:00〜19:30
定休日 水曜日
地図

 


今日も、まだ地球はまわっていた

1998-10-24-SAT

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