海馬。
頭は、もっといい感じで使える。

第16回 読み終わると、風景が変わる?


みなさんこんにちは! 「ほぼ日」の木村です。
海馬の感想メール、とてもたくさん届いています。
Amazon.co.jpでも、昨日4位と、大好評です!

(※ハリーポッター、ベッカム、ドラッカーと来て、
  海馬が続きましたから、昨日のランキングは、
  なんか「妙な名称シリーズ」みたいでしたけれど)


『海馬』第4章のイントロダクションには、
次のような文章があります。

「脳に情報を洪水のように溢れさせると、
 人はどこまで行くことができ、
 何をすることができるのか。
 行き着いた先は、しあわせなのか。
 新しい視点とは、いったい何なのか。

 小学校の頃は漢字テストで
 100点中2点を取っていたほど
 『勉強はできなかったですね』
 という池谷さんがあみだした
 ユニークな勉強の方法も語られますので、
 期待して読み進めてください。
 『言葉の呪い』という
 おどろおどろしいキーワードに心をとめて
 この本を読み終わると、もしかしたら、
 明日からのあなたの行動が変わるかもしれません」


読み終わった後にまわりを見渡すと、
すこし、今までとは違った世界に見える……。
『カラマーゾフの兄弟』
『ジャン・クリストフ』
わたくし「ほぼ日」木村の場合、
たとえば小説ならば、個人的には、
上記のようなものを読みおわった時に、
世界がものすごく変わって見えた覚えがあります。
そんな名著に並べてしまうのは
ちょっとおこがましいのですけれども、
『海馬』を読み終えたかたがたからも、幸いにも、
それに似たような感想を、いただいているのです。

「この本を読み終わった直後に外に出た時、
 通り過ぎていく人の一人一人に
 それぞれの脳があって、
 いろいろな刺激を受けながら
 同じ世界に生活をしている、ということが
 ものすごく不思議に思いました。
 そうやって考えている
 自分自身のことも不思議でした」


↑こんなふうに思ってもらえるなんて、光栄です。

読んだあと、ちょっとまわりの風景が変わって見えて、
思わず浮き浮きと、その体験を
誰かに語りたくなってしまう……。
そんな感想を拝読していると、
思わず、このコーナーで、みなさんに
その「わくわく感」をご紹介したくなっちゃいました。

前回とおなじく、
「脳にさまざまな人の視点を重ねていく」
という脳の成長のためのポイントをこめて、
今回も、ちょっと長めにお届けいたしますね。

それでは、みなさんのメールをどうぞ!




・脳について無知な私には、
 全てが初めて知る内容なのになぜか
 「わかる・わかる」「そうそう」と
 声に出したくなるほどの共感と
 そして「やっぱり!」という確信を覚えつつ
 一気に読み終えました。
 そうとは気づかずにどこかで
 しがらみとなっていた思い込みの
 「自分らしさ」にとらわれる必要はないのだと
 自由に楽になれました。

 これからの自分がとても楽しみになりました。
 この先特に壁を乗り越えねばならない時には
 何度も何度も読み返すのだろうと思います。
 そしてその都度
 自分を信じていってあげたいと思います。
 (yoyo)


・「海馬」の本が届いて、
 さっそく読ませていただきました。
 ほぼ日で連載されていた内容以上に充実していて、
 パソコンに向かうのと同様に
 笑ったり、考え込んだりしながら読みました。
 読んでいて、本のあちこちに付箋をはさみ、
 読み終わってからも自分なりに、
 こうしてみたら脳が使われて、
 感じる世界が思った以上にひろがるのかも!と
 自分の都合のよいように読んでいます。
 この本を読み終わった直後に外に出た時、
 通り過ぎていく人の一人一人に
 それぞれの脳があって、
 いろいろな刺激を受けながら
 同じ世界に生活をしている、ということが
 ものすごく不思議に思いました。
 そうやって考えている
 自分自身のことも不思議でした。

 これから落ち込んだ時はこの本のことを思い出し、
 読み直しながら生活で実際に使っていこうと思います。
 (ヒソカ)


・『海馬』、すごくおもしろかったです。
 私は、大学で中国の古典を教えているのですが、
 我ながらあきれるほど記憶力がないんです。
 これは、職業上の致命的な欠陥ではないか、
 と悩みながらも、その一方、
 本当の知って、暗記なんかじゃないだろう、と
 ひそかにうそぶいたりもしていました。
 この本を読んで、たいへんに勇気付けられ、また、
 自分に抜け落ちていた部分にも気づかされました。
 妙に納得してしまったのが、
 コミュニケーションが成り立つ上で重要なのは、
 受け止める側の気持ちだ、ということです。

 仕事上、いくら努力と工夫を重ねても、
 伝わらなかった、とがっかりすることが
 少なくないのですが、こういうことだったのか、
 と不思議に静かな気持ちで納得できました。
 ちょうどこの本を読み終わったのと同じ頃、
 「一人の心に灯をともす/別の一人に欠伸をさせる」
 という、「詩」と題する詩に出会って、
 この短い言葉にも、静かに共鳴しました。
 決して、孤高を気取ろうというのではないのですが、
 全員に伝えたい、というのは、
 自分の力量を超えることなんだ、と。
 他方、自分は、よき聞き手でありたい、
 と強く思いました。
 この本を読むことがとても楽しかったのは、
 糸井さんと池谷さんとの間に、
 生き生きとした言葉と
 思考のやり取りが為されていたからです。
 そのキャッチボールの様子を、
 空気まで含めて伝えてくれたからです。
 このような人間関係こそ、私の理想です。

 そのような関係を、
 少しずつでも周囲に広げていきたい。
 そのために、まず、
 よき受け止め手でありたいと強く思いました。
 この他にも、書き尽くせないほど
 多くのヒントをいただきました。
 感謝!
 (匿名希望)


・海馬の読後メール、いっぱい来てるみたいですね。
 私も早く読後メールしたい〜〜!・・・と思いつつ、
 また読んでる最中です。
 いやー、面白いっっ!&読みやすい!
 通勤途中と寝る前にじっくり、
 時には本を近づけたり遠ざけたり
 実験付録も楽しみながら読んでます(電車の中でも)。
 もう本のページをめくるたび、マリオみたいに
 頭の上から「ちゃりーんっ♪」ってコイン出てますよー!
 読んでるだけでも、脳みそ育ってますよね?
 自分の細胞から網目が
 じわじわ広がっていくのを勝手に想像してます。
 これ、読んでるのと読んでないのとじゃ
 エライ違いですよ、これからの人生(笑)。

 ちなみに今朝は、「べき乗」のとこまで読みました。
 ぬぉぉぉぉ〜〜〜!そうなんかぁ〜〜!!
 って感じです。
 お昼休みが楽しみ〜〜。
 ではでは、とりあえずこのへんで。
 (すぬ)


・生まれて始めてのネット通販なので、
 ちょっとどきどきしました。
 これまで
 「やったほうがいいと
  わかっているのに、やる気が出ない」
 「やりたいことのはずなのに、
  いまいち一歩踏み出せない」
 という「いまいち」な状況が
 本当にたくさんあって、そのたびに
 「自分はなんて意志が弱いんだ」
 「気合が足りない!」
 と自分を責めたり
 発破をかけたりしていましたが、
 『海馬』の
 「やりはじめないと、やる気が出ない」
 というところを読んで
 「そっか、ごちゃごちゃ考えないで、
  ただやればよかったのか」
 と、まさに目から鱗が
 落ちたような気分になりました。

 で、さっそく実践してみたら、
 ほんとにいろいろやれるんですね。
 少し「頭がいい」自分に
 なれたような気がします。
 (タケカワ)


・海馬読みました。
 届いたその日に読みました!
 感想はその日に書こうと思っていたのですが、
 一日あいてしまったので、
 今読み返しながらメールしています。
 とても刺激的で、読んでいくにつれ
 心のボルテージがグォングォンあがってきて、
 今も心の中で「ぅおおおおお!」と思っています。

 読みきった後は自分を前向きに大事に
 そして激しくさせる本でした。
 読めて良かった。
 (キシ)


・「海馬」が到着した翌日の日経朝刊に、
 「神経の情報伝達亜鉛イオン抑制 東大教授ら」
 の小さな見出しを発見。
 「東大の松木教授と池谷助手らが、神経細胞で
  興奮を伝えるグルタミン酸と一緒に放出される
  亜鉛イオンが
  神経細胞の情報伝達を妨げていることをつかんだ」

 という二段の小さな記事でしたが、
 あまりのタイミングに出荷を待って記事にしたのか?
 と思ってしまいました。
 30半ば過ぎてから、明らかに
 自分の思考方法(頭の使い方)が
 変わったと感じていました。
 もしかして、これは人格が分裂したのか?と
 少々不安だったのですが、脳みその働きが
 変わってくるのだとわかって、
 実はちょっとほっとしてます。
 (匿名希望)


・早速、2回読破し、
 ただいま友達にレンタル中です。
 装丁がきれいな緑で、
 質感もちょっとざらっとした、いい感じですよね。
 開く前に、ナデナデしながら和んでしまいました。
 そう、脳は疲れないんだ。
 厭きてきて、ぼ−っとしてきたとき、
 呪文のように唱えると、
 あら不思議、ホント、頑張れちゃいます。

 それに、寝てる時すら、脳は賢くなりつつあったとは。
 休日に惰眠をむさぼりまくりの主人に、
 少しはやさしくなれそうです。
 専業主婦になってもう10年。
 そんな私でも、なんだか可能性がまだあるって思えて、
 幸せな気分になれました。
 いい本を、ありがとうございました。
 (ぴょん吉)


・「海馬」が届き、一気に読破するのがもったいなくて
 毎日、眠る前におふとんの中で少しづつ読みました。
 ゆうべ、読み終わりました。
 なんだか、自分の脳みそが
 ふかしたてのおまんじゅうになったような。
 気分は「可塑性バッチリ!」です。
 現在、健康上の理由で
 仕事をやめてしまっている私ですが、脳が
 「早く刺激のある空気が吸いたいぜ」と言ってます。

 うーん、なんだかがんばれそう。
 白衣を着た池谷さんが、神妙な面持ちで
 1000匹の『アルジャーノン』に
 取り囲まれているイメージが浮かんできました。
 (chieko)


・「海馬」読みました!
 もう面白くて、通勤途中歩きながら、
 おつかいの銀行で待ちながら、
 お腹痛いふりして会社のトイレ中で、
 家に帰ってからは夕食の用意もろくにせず、
 もーぉ、一気に読みました。

 最近、病気だの何だので、
 精神的にもまいってたのですが、
 読み終えたら、私のこれからの人生が
 経験メモリーのグラフのように
 べき乗でぐぐぐぅーーーんと
 幅が広がって明るくなっていくように感じて
 とても元気になりました。
 もう一度、今度はゆーっくり
 昆布を噛み締めるように読んでから、
 夫にも読ませようと思います。
 素敵な本をありがとう。LOVE。
 (しほ)


・とても楽しかった!海馬。届きました。読みました。
 昨日のほぼ日での連載「海馬」の読者感想メールで
 ほとんどの皆さんが言っていた
 「もっと読みたい!また読みたい!」
 って感情が、ぼくの興奮の
 震源地みたいな(脳?)ところから
 押し寄せてきました。

 糸井重里さんの日常の中にこぼれていそうな
 わかりやすい質問から、
 海馬を中心に脳内で行われている様々な作業を、
 これまたわかりやすく絵
 (寄藤文平さんのイラストすきです)や図を用いて
 説明してくれている池谷裕二さんのこの対談からは、
 誰もが「つながりの発見」を
 意識せずに見つけられる気がします。
 どんな人でも「似たようなことあるわ」とか
 「今の自分と照らし合わせてみよう」とか
 イロイロな「つながり」を見つけて読めるのだろうなと。
 これから従姉妹にこの本を渡しにいってきます。
 (COMING)


・すごい本だ! 役に立たないところがない!
 脳を知ることで、
 つかいかたがわかってくるんですね!
 脳の話だけでなく、生き方の話にまで及んでいて、
 それがすぐに生活に役立つところがすごい!
 特に「脳の発達はべき乗である」というところに
 勇気がわきました。

 この人すごい、かなわない……と思っている人にも
 ちょっとがんばれば届くんですね!
 やる気がでるなぁ。
 ん?これは側坐核に刺激が与えられたということか…?
 (sumochi)


・とっても面白かったです。
 その上先行予約でゲットしたんだぜ、
 っていう快感を噛みしめながら、
 それに私も薬学部出身ですので、
 とっても共感できるところもあり、
 何だか楽しさも「べき乗」だったかも。
 ところで、私は昨秋、
 厄介事の土石流に巻き込まれてしまい、
 うつ病から立ち直ったところです。
 病気の真っ最中の時は、もっとひどくて、
 もう反射的に血圧、脈拍がはね上がって、
 そういう時、脳内物質はどのような
 変化をしているのかしら、
 と不思議で仕方ありませんでした。
 興味深く『海馬』を読みながら、
 脳内を???が右往左往もしました。
 今後の研究のご発展を、そして出来れば続編も!
 (ミケ)


・週末に、ゆっくり読ませていただきましたが
 脳は全然疲れないし、
 いつでも元気いっぱいというのは衝撃的で、
 とても力になる真実の情報でした。
 海馬や扁桃体がなくなったら?というお話や
 ブドウ糖の作られ方は、かなり興味深かったです。
 必要な無駄をしているという、エネルギーの消費方法は
 比較的、合理的に考え行動してしまいがちな
 自分の指向を考え直す、いい機会にもなりました。
 本来ならば、専門的すぎて
 シロウトが聞いても、わからないようなお話を
 対談という形で、覗かせてくれたことに感謝します。
 (かずえ)


・ほぼにちは。
 「海馬」読みました。いろんな発見があって、
 良い本に出会えてよかったなってすごく思います。
 楽しく、あっという間に読ませていただきました。
 一気に読んでしまったので、また読みます。
 私は、頭のいい人が好きです。
 勉強がものすごく出来るという頭の良さではなく、
 この本の中で言われる
 頭の良さをもっている人が好きなんです。
 たぶん嫌いな人はいないと思いますが。
 それで私も「頭が良くなりたい!」って思っていたので、
 「海馬」はまさにうってつけの本でした。
 私はもうすぐ30歳なのですが、
 「つながりの発見」が爆発的に増えるかと思うと、
 ワクワクしてしまします。
 それまでの間、いろんな発見ができるように、
 脳にたくさん情報を送り込もうと思っています。

 夢を見るのも海馬が働いているからだとわかったら、
 私の中で解決したことがありました。
 「寝言に話しかけたらいけない」ってよく言いますよね。
 なんでなのかずっと不思議だったんですけど、
 その理由がわかった気がします。
 寝ている時に海馬が記憶の整理整頓をするのは、
 外からの情報を遮断するためなんですよね。
 だから寝言も海馬の仕事中に
 でてきちゃったものかなって思って、
 海馬の邪魔したらいけない、
 って事だったのかと思いました。
 ちょっと違うかな、とも思いますが。
 寝ている間に海馬が頭の中を整理してくれるなら、
 私は、これから朝起きた時に、
 何か整理されたかなって考えてみようと思ってます。
 どんな形であれ、自分の考えを
 改めて意識してみることができれば、
 いろんな発見ができそうだって思いました。
 脳に好きなこと入れてあげようとか、
 違う考え方させてみようとか。
 海馬を大きくしようとか、
 神経細胞くっつけようとか増やそうとか。

 これから楽しみです。いろいろやってみますね。
 つい長くなってしまってごめんなさい。
 ありがとうございました。
 (みみみ)


・おもしろかったです。
 イッキに読んでしまいました。
 サブタイトルにいきなり
 「脳は疲れない」と書いてあるので、
 そうかそうか疲れないのだな。
 と洗脳されたのか、寝る間を惜しんで
 一息に読むハメになってしまいました。
 やる気が起こらないのは、
 やっていないからだ、というところが
 いちばん心に残りました。
 経験的にみんな知っていることだったと
 思うんですが、あらためて仕組みがわかると、
 これからは「やる気」を、
 精神論ではなく、技術論として
 語れるのだなと思いました。

 妻(専門学校講師)は海馬を読んで、
 生徒のアジテーションに使っているようです。
 ところで、表紙カバーをはずした絵、
 「sea」「horse」というやつのことです、
 変なイラストで好きになりました。

 海馬→sea horse、そのままやないかっ!
 とつっこんで楽しみました。
 ところが調べてみると、
 海馬は英語でもsea horseなんですね。
 じゃあシーチキンは「海鶏」か。
 カイケイと呼ぶんだなっ。
 などと、辞書につっこんでしまいました。
 本当にエキサイティングな本でした。
 これからも同じように
 刺激的なモノを作られると期待して、
 ほんとうに楽しみにしています。
 それでは、失礼いたします。
 (せいじろうず)


・私はPCのサポートセンターに勤める、
 電話オペレータです。
 勤務のシフト上、月に何回か夜勤があります。
 3日連続夜勤の初日を終え、帰宅したところ
 「海馬」と「調理場」が届いていました。
 睡眠をとって、その夜出勤する前に読み始めました。
 ・・・おもしろすぎて、止めらない!
 ひまな夜で、全然電話がかかってこなかったので、
 一晩で読み終わってしまいました。
 ドキッとしたのは
 「時差ボケのような生活をしていると脳によくない」
 という一節です。
 それってまんま今の私のことじゃーん。やばい。
 同僚にも話し、彼に「海馬」を貸しました。
 シフトがすこしきついと感じることも多々あるので、
 上司にも読んでもらおう
と思っています。
 (匿名希望)

  


では、次回のこのコーナーで、お会いしましょう!

2002-06-28-FRI

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