BOXING
私をリングサイドに連れてって。

ラスベガス決戦直前! モラレス×バレラV


左モラレス、右バレラ

ボクシングで1勝1敗を受けて同じ相手と戦う3戦目を
「ラバーマッチ」という。
勝敗を決める最終的な戦いとして形容されることが多い。
といっても世界ボクシング界でも
ラバーマッチは中々お目にかかれない。

近年記憶に新しいのはS.ライト級
「アルツロ・ガッティ対ミッキー・ウォード」、
ヘビー級の
「イベンダー・ホリフィールド対ジョン・ルイス」
同じく
「ホリフィールド対リディック・ボウ」
くらいだろうか。
80年台に
「シュガーレイ・レナード対ロベルト・デュラン」
があるが3戦目まで9年の歳月があり、レトロ感がある。
ここで注目したいのが、どちらかが早い段階で引退、
もしくは一線を退かざるを得ないことになっていることだ。
つまり、同じ相手と3回、
それもファンが見たいと思う試合は
ボクサーにとっても最も名誉ある試合となる。
しかしそれはまた極限を超えた戦いを
要求されて応えたことになる。
世界トップ同士ともなればある程度、
相手の実力も手の内も知り尽くす。
その中でさらに高まるファンの要求を満たすために
必要なのは恐らくただ一つ。
それは「ど突き合い」以外何者でもない。

今回のWBC世界S.フェザー級タイトルマッチ
「モラレス×バレラV」
はMGMグランドで開催され、
チケット価格が$600、$400、$300、$200、$100、$50。
さらにテレビのPPVは$44.95。
観衆は14000人が予想される大イベントとなる。
私は1戦、2戦とも現地で観戦したが
もっと小さいイベントで、
チケット代も半額程度だったと記憶している。

両者を改めて紹介しておこう。
エリック・モラレス(チャンピオン、47勝1敗、34KO)は
28歳。
伝説の英雄チャベスと並び3階級制覇を果たし、
メキシコ国内ではマイケル・ジョーダン並みの
スーパースター。
世界戦では18勝1敗、この唯一黒星が
犬猿の仲とされるバレラ戦でのもの。
今回は完全決着を果たし、
メキシコ人初の4階級制覇を目指す。
マルコ・アントニオ・バレラ(挑戦者、58勝4敗、41KO)は
30歳。
同じくメキシコ人を代表する強打が売り物のファイター。
2000年にナジーム・ハメドに勝ち
一躍スターダムにのし上がった。
モラレスはS.バンタム、フェザー、
S.フェザーと順調に階級を上げてきたが、
バレラはS.バンタム、フェザー級での実績しかなく、
さらに1階級上となるS.フェザーでの実力は未知数。
ラスベガスのオッズでもモラレス1.6倍、
バレラが2.7倍とモラレスが有利。
ボクシング界では最近トリニダードやデラ・ホーヤが
階級を上げてKO負けを喫するなど苦戦。
先週のモズリーも善戦したが体格差は明らかで
気の毒なほどだった。
下から上げた選手の苦戦が目立つが
それに挑むのもボクサーの本能だろう。
だからこそ複数階級制覇の偉業として称えられ、
エベレストを目指す登山家の如く、
永遠に挑戦は続いていくのだろう。

あくまでも非公式だがバレラ陣営は
対戦はまだ早いと本人に諭したが本人の意思が固く
対戦に踏み切ったという話も聞こえてくる。
その先にはこの試合が最後という覚悟も見え隠れしている。
どちらにしてもこれが二人の最後の試合となるだろう。
ノスタルジーに浸りながら試合を堪能したい。

WOWOWではこの試合を当日11月28日(日)
24時20分から放送します。お楽しみに。
なお、モラレスとバレラに関する記事は
2001年4月2002年6月に書いてありますので
よければ見てみてください。


ご意見はこちらまで Boxnight@aol.com

2004-11-26-FRI

BOXING
戻る